【第15回】「ライト・リバーゲーム」のススメ。フィールドが広がるお手軽ルアーフィッシング

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タックルは標準的なウルトラライトタックルでOK

ライト・リバーゲームのタックルは、進歩したエリアトラウト用をそのまま流用できる。

ロッドは一般的なウルトラライトアクションのスピニングタイプで十分だ。仲谷さんは短めのアジングロッドを愛用している。

仲谷さんがメインに使用するのは1~2g前後のスプーン。さらにスピナーやプラグなどもケースに入っている。

ライトリバーゲームで使うルアー
メインルアーとなるスプーン。ルアーフィッシングの基礎を学べるルアーなので初心者にもオススメだ。同じスプーンでもシルエットや厚みで魚の反応が変わってくる
ライトリバーゲームで使うルアー
スプーン以外のスピナーやプラグなどもケースに入っている。小型のトップウォータープラグやスピナーで狙ってみるのもおもしろい

対象魚が小型のためルアーも極小サイズになるが、フックがノーマルサイズのままだとフッキング率が低くなり、スレ掛かりも多くなる。

仲谷さんは写真のように袖型バリなどにアイを取り付けたシングルフックに交換している。

ライトリバーゲームで使うルアーフック
ライトリバーゲームで使うルアー仲谷さんの自作シングルフック。フッキング率を高めるには必須アイテム

フックをダウンサイジングすることで口の中にフッキングすることが多くなり、より釣趣が高まる。

ルアーをあまり沈めると根掛かりが多くなり、群れをなして活性が高いときは水面直下やトップウォーターにもバイトしてくる。

ただ、チェイスしてきても途中で見切ることも多く、そんなときはルアーローテーションも効果的だという。

ライトリバーゲームで使うルアーやスナップ
ルアーローテーションは大切なテクニックの一つ。スムーズにルアーを交換するためにスナップを使用

初心者に最適「スピニング+クローズドフェイス」

ベテランの仲谷さんが愛用するリールはクローズドフェイス・アンダースピンタイプ。

クローズドフェイスといえば初心者向けのアイテムと思われがちだが、トリガー付きのこのタイプは実に手返しが早い優れモノだ。

岸裕之連載第15回リール

スピニングリールの場合、リーリングを終えてキャストへ移るまでにラインを人差し指に掛けてベールを起こさなければならないが、その動作をすべて省くことができる。

リーリングを終えた段階で人差し指をトリガーに掛ければそのままキャストの動作に入れ、トリガーから指を離すとスプールからラインが出ていく。

繊細なサミングによる調整は難しいが、ルアーが飛び過ぎたときやミスキャストのときはトリガーを引くとラインの出をストップできる。

キャスト後にリールのハンドルを回せばそのままリーリングを開始できる。

入門者には最適な第三のキャスティングリールといえるだろう。

岸裕之連載第15回リール2
クローズドフェイス・アンダースピンキャストリール。なぜ、もっと普及しないのだろうかと思うほど使い勝手がいい

しかも価格は4千円台で購入できるのでとてもリーズナブル。

安価なものはそれなりの釣力やドラグ性能だが、「ライト・リバーゲーム」なら十分にその役を果たしてくれる。最近ではハイエンドユーザー向けのアンダースピンリールも登場し、バスプロにも愛用者がいるほどにわかに注目を集め始めた。

リールに巻くラインは20cmまでの小魚なので2.5~3Lbクラスのナイロンもしくはフロロカーボンで十分だ。

【コラム】オイカワは「ライト・リバーゲーム」のメインターゲット

岸裕之連載第15回オイカワ
昔は大人気の釣種だったオイカワ(ハエ)。新しい釣り方で再度注目が集まる

オイカワはライト・リバー・ゲームのメインターゲットの1つ。関東以西の河川中流~下流、ダム湖などに広く生息している。

16~17cmで大型といえるが、遊泳力があってスピードも速く、スリリングな釣りが楽しめる。かつてノベ竿に小型の発砲ウキを使用したエサ釣りの人気が高まり、35~40年ほど前には競技会もよく開催されていた。

全国的に生息数が減ったことで専門に狙う人も少なくなったが、長野県など一部の水産試験場で産卵場造成による増殖研究にも取り組んでいる。

水産庁でも増殖マニュアル「オイカワの人工産卵床のつくり方」を作成し、(公財)日本釣振興会埼玉県支部でも増殖活動をスタートさせた。

水産庁が制作したオイカワの増殖マニュアル
水産庁が制作したオイカワの増殖マニュアル

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もともとゲームフィッシュとしての価値も高く、食文化としてオイカワを食す地域も意外と多く、効果的にオイカワを増やすことができれば内水面漁業の活性化にも繋がりそうだ。

(了)

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