
高階救命器具は1935年の創業以来、水辺にいる全ての人の命を守るための製品づくりを行ってきた。およそ60年前からはレジャー用救命器具の製造も開始し、釣り人の安全を守るための活動にも大きく貢献してきた。
釣具業界では、一般社団法人 日本釣用品工業会(以下、日釣工)のライフジャケット安全・啓発ワーキンググループでも同社が中心的な役割を果たし、CSマーク(日本小型船舶検査機構性能鑑定適合品)の規格づくりやその普及、「ライフジャケット推奨表」の制作にも取り組んできた。その経緯を高階社長に伺った。
陸釣りの安全を守る「CSマーク」を知っていますか?

高階社長「以前はライフジャケットの安全基準といえば桜マークが広く知られていましたが、法的には船舶での着用義務、釣りで言えば船釣りに限定されています。CSマークができるまでは、陸釣りに使用するライフジャケットには安全基準がなく、様々な商品が販売されていました。
中には粗悪品も含まれており、実際、『浮力5㎏』と表示された他社の商品を弊社で購入し、浮力試験をしたところ、5㎏に満たず沈んでしまうといったこともありました。

そこで、新しく規格を作り、第三者機関がしっかりと性能をチェックして、安全が保証された固型式のライフジャケットに『CSマーク』を付けることで、消費者が本当に安全な商品を選べるようにしようというのが、CSマークの始まりです」。
「ライフジャケット推奨表」で、自分の釣りスタイルに合わせた商品選びを
同社は、はじめ行政機関に相談を持ち掛け、その後、釣具業界、カヌーやプレジャーボート関係の業界、国土交通省、JCI(日本小型船舶検査機構)など、様々な団体と規格づくりに取り組んだ。日釣工も積極的に参加し、釣具業界からの意見も多く出された上で、現在の安全基準が制定された。

CSマークの安全基準について、高階社長は「小型船舶を対象とした桜マークと陸釣りでは、求められる安全の性質が異なります。CSマークは陸釣りの環境に最適な安全基準として策定されています」と話す。
日釣工のライフジャケット安全・啓発ワーキンググループでは、消費者が信頼あるライフジャケットを、磯釣り、防波堤、サーフなど自分がする釣りに合わせて選びやすいように「ライフジャケット推奨表」も制作。この表は、CSマークの認知度向上も目的としている。

同社では、「釣り人にCSマークを知ってもらい、実際の製品選びに活用してもらわなければ意味がない。規格を作るだけではなく、普及までが課題」とし、普及活動にも力を入れている。
CSマークの認証を取得しているライフジャケットのタグには、推奨表とCSマーク、そのランクが大きく表示されている。消費者にとっても非常に分かりやすく、安心して自分の釣りスタイルに合わせた商品を選択できるはずだ。

広まるCSマーク。釣り人や渡船業者等の意識も向上
日釣工は、桜マークやCSマークを推奨するポスターも制作している。釣具店でもそのポスターは掲示され、普及に取り組まれている。また、渡船業者なども「桜マークかCSマーク以外のライフジャケットの人は乗船お断り」としている業者もあり、普及が広がっている。

もちろん、認証が取れていないライフジャケットが全て粗悪品というわけではない。認証を取っていないライフジャケットも、メーカー独自の基準で安全性を検査してから出荷されているはずだ。ただ、消費者にとってはメーカーを信じるしかなく、それが本当に安全なのか判断が難しい。
一方で、CSマークのライフジャケットは、一律の基準で第三者機関が性能をチェックしているため、信頼できるライフジャケットを選ぶための目印となり、安心して商品を選ぶことができる。





