船長の判断で遊漁船を出船、荒天による事故で乗客が入院。責任は誰に?【弁護士に聞く】

ニュース

「釣具業界の法律相談所」は、釣具業界でも起こる可能性のあるトラブルについて、弁護士の先生に聞いて見解や対処方を紹介するコーナーです。

今回は、荒天の中、船長の判断で遊漁船が出船して事故にあった場合、船長(遊漁船)に損害賠償請求は出来るのかを弁護士の先生に聞きました。

荒天の中、船長の判断で出船し岩と衝突。乗客はケガで入院、釣具も破損…

私は釣り具メーカーの経営者です。先日、当社のスタッフ3名と一緒に船釣りに行きました。そこで事故に遭ってしまい、全員が負傷したため、一時業務が出来なくなりました。

当日までの状況を説明すると、まず釣りに行く1週間前に、知り合いの遊漁船の船長に連絡して予約をしました。しかし、釣行の日が近づくにつれ、天候が当初の予報よりも悪くなり、船釣りが可能かどうか(出船出来るかどうか)怪しい状況になってきました。

荒天のため船釣りはキャンセルになるだろうと思いながら、釣行日の前日に、遊漁船の船長に確認をすると「波は高いけど、釣る場所はそれほど海が荒れる場所じゃないから出船できます。大丈夫だから釣りに来て下さい」と言われました。

予報を見ると波の高さは3mとなっており、通常、その海域で出船する状況ではないはずです。確かに、風は予報では弱くなっていくようですが、それでも心配でした。

ただ、こういった場合、出船するかどうかは船長に任せるのが釣りでは一般的です。そのため、船長が出船すると言われた以上、スタッフと一緒に乗船することにしました。

釣行当日、出船時の波は高かったのですが、危険と言えるまでの状態ではありませんでした。しかし、釣りを行う場所に到着してしばらく経つと、収まる予定だった風が逆に強くなってきました。

最初は釣りも何とか出来ていたのですが、次第に海の荒れ方が激しくなり、雨風とも強く、とても釣りが出来る状況ではなくなったため、釣りを中止し帰港する事になりました。

しかし、港に戻るまでの間に海の荒れ方が更に激しくなり、波を避けるため岸沿いを航行中に風と波にあおられ、ついに船が岩に当たり、船体が損傷し航行が出来なくなりました。

船が岩に当たった時の衝撃で、船室にいた我々も体を強く打ち付けられました。また、船に積んであった釣竿や釣り道具も海に落下、釣竿が放り出されて折れてしまう等の被害がありました。

海上保安庁に連絡し、全員が救助されましたが、船長はじめ乗船していた全員が救急車で運ばれる事故となりました。幸い命には別状はありませんでしたが、全員に打撲や骨折があり、数日間は入院を余儀なくされました。

結果的に、スタッフ全員が釣行中の事故から1週間は満足に仕事も出来ない状況になってしまい、取引先にも多大な迷惑を掛けてしまいました。

そこで、弁護士の先生に質問です。

船釣りで出船するかどうかは一般的に船長の判断です。その判断に従い出船し、荒天等のため事故に遭った場合、船長(遊漁船)に責任が問えるのでしょうか。それとも自己責任となるのでしょうか。

会社が1週間、休業状態になった事による損害額はある程度算出可能です。また、破損や紛失した釣り道具も総額で100万円近くになると思います。こういった賠償を遊漁船側に求める事は出来るのでしょうか。

ご回答よろしくお願いします。
(※質問は全て架空の質問です。実際の企業等とは一切関係がありません)

遊漁船
遊漁船の出船は、基本的に船長の判断による。無理な出船で事故に遭った場合、責任はどうなるのだろうか…?(※写真はあくまでイメージです)
1 / 2
次へ

関連記事

【シマノ】電動ジギング対応ロッド「オシア EJ」

【ジャクソン✖高階救命器具】パドルフィッシングブランド「bifarr(バイファール)」誕生

【デュエル】ぬりえコンテスト5月10日(日)まで開催中

【第14回】3年目の「やるぞ内水面漁業活性化事業」電子遊漁券販売システム導入中心に30事業を補助

埼玉でオイカワの産卵床設置。継続した活動で魚も増加傾向、今後にも期待!

【サンライン】「おにやんま君」忌避効果が期待できるポップなアクセサリー

室生ダムで釣獲調査!「第4回室生ダムわかさぎオープン!2023」開催。釣り体験教室や「水辺感謝の日」清掃も

家族で渓流ルアー釣り体験!自然と釣りを満喫。情操教育にも効果的なイベント