船釣りより陸釣りの方が危険?陸でのライジャケ着用率向上が課題

同社では、水辺の安全についての啓発活動も積極的に行っている。
そもそも、陸釣りでのライフジャケットの着用率はまだまだ低いのが現状だ。2025年のデータを見ると、釣り中における海中転落事故者のうち、死者・行方不明者数が船釣りが31名なのに対し、陸釣りは69名となっており、陸釣りでの重大事故の方が多い。
そのうち、ライフジャケットを着用していた人はわずか22%と低く、陸釣り中にライフジャケットを着用していなかったことから、転落時に死亡や行方不明になってしまったケースが多いと思われる。

「船釣りにおいては、桜マークのライフジャケットの着用義務化の法律改正があったことから、かなり普及が進んでいます。しかし、堤防やテトラなどは特に取り締まる法律もないので、まだまだ未着用の人が多いのが課題です。そういった意味でも、陸釣りを想定したCSマークのライフジャケットの普及に力を入れています」と高階社長は語る。
「ウォーターセーフティガイド」で釣りの安全情報を発信
同社では、安全啓発活動の一環として、海上保安庁が運営するウォーターアクティビティの安全情報サイト「ウォーターセーフティガイド」の改修にも携わった。
このサイトでは、アクティビティ別に安全情報が発信されており、釣りのページでは釣りに必要な装備や、釣りをする際の行動についてなど、釣り人に対する安全情報がイラストを用いて分かりやすく記載されている。

消費者とのコミュニケーションを大切に
他にも、同社では消費者と直接コミュニケーションを取る場を多く設け、フィッシングショー等にも出展。フィッシングショーOSAKAや釣りフェスでは、他の企業とも協力して膨脹式ライフジャケットの簡易点検も実施している。毎回多くの人が訪れ、開催期間中に300~500件の点検を行っている。

無料点検では、消費者と直接コミュニケーションを取りながら、ボンベの期限切れや部品の経年劣化など製品の状態を伝えることで、適切な部品交換を促している。
他にも、桜マークの意義や、継続的なメンテナンスの重要性について直接伝えることで、単なる点検作業の場ではなく、消費者の意識向上を図る場となっている。また、ショーのステージでは正しいライフジャケットの着用方法などを伝え、ライフジャケットの重要性を発信し続けている。

品質保証部の谷口氏は、「ショーでの無料点検を継続していくうちに、消費者のライフジャケットに対する意識もかなり向上してきました。昔はそもそも『桜マークって何?』というお客さんも多かったのですが、今は認知度も上がってきましたし、自主点検ができる方も増えていると思います。他にも、点検時にセンサーの期限について説明し、『交換してくださいね』と伝えた方が、翌年のショーの点検時にはしっかりとご自身で交換されて持って来てくださることもありました。

我々としては、一度消費者の手に渡るとその後の商品の状態が把握できないので、安全に使っていただくためにも、1年に1回の点検を推奨しています。ショーだけでなく、全国の釣具店でも無料点検イベントを定期的に実施していますし、有償にはなりますが、弊社でも点検を受け付けています。
弊社で点検をさせていただく場合には、製品全体が正常に機能するかどうかの細かなメンテナンスチェックまで、メーカーならではの視点でしっかりと行わせていただきます」と語る。
販売したその後も、釣り人の安全を守り抜く

釣りは楽しいだけでなく、常に危険と隣り合わせのレジャー・スポーツだ。いざという時に自分や大切な家族の命を守ってくれるのは、信頼できるライフジャケット等の釣り人を守る装備だったり、安全に対する知識である。
高階救命器具では、ライフジャケットを製造・販売して終わりではなく、あらゆるチャネルを通じて「水辺の安全」について正しい知識を消費者に根付かせ、より安全に水辺のレジャーを楽しんでもらうことを使命に、今後も製品づくりや様々な活動に取り組んでいく。
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