【第16回】真の友釣りファンを育てる熱血指導方式。「わかやま友釣り塾」卒業生アンケート報告

スペシャル ニュース

「わかやま友釣り塾」とは?

わかやま友釣り塾の様子
「わかやま友釣り塾」は、1人で釣行できるレベルにまで成長してもらえるよう、アユ釣りの基本からしっかり教える

友釣りファン減少に歯止めをかける

わかやま友釣り塾がスタートしたのは2016年。「和歌山鮎釣り大明解MAP」の発行がキッカケとなった。この和歌山県下のアユ釣り場を網羅したガイドブックは、和歌山県内水面漁業協同組合連合会の全面協力のもと、(株)つり人社から発行された(現在は絶版)。

和歌山県は海産アユが遡上する河川が多く、釣り場環境には恵まれている。それでもアユ釣りファンは減少の一途を辿っている。

打開策を模索する内水面漁連に友釣り塾を提案したのがこのガイドブックを企画した出版元の岡村政宏氏だった。「塾」にこだわったのは、体験型の講習会では一人前の友釣り師を育成することが難しいからだ。

塾生を募集する際にも「本格的に友釣りを始める意志のある方」としている。これまで友釣りに興味を持っていた潜在的友釣りファンを対象とし、一期20名の定員で書類選考による人選を取り入れた。

わかやま友釣り塾の様子
わかやま友釣り塾の様子
初回の講習は仕掛けづくりにはじまり、オトリに鼻カンを通す練習をする

講習は5月の日曜日に3回。朝から夕方までみっちりと友釣りの基本を学ぶ。シーズン中は同期生と連絡を取り合いながら腕を磨き、10月に卒業検定が行われる。まず落第することはないが、この時期には1人で釣行できるレベルまで成長している。

インストラクターは全国トップクラスの名手たち!

わかやま友釣り塾の講師
豪華な講師陣。左から上西啓文、宮井孝和、盛岡達也、福田眞也の各氏

「友釣りを始めるからにはしっかりと学びたい」という塾生にとっては、名手たちに直接指導してもらえる友釣り塾は大きな魅力だ。

塾長は友釣りに精通する鈴木康友氏(つり人社会長)が務め、4人の名手毎にグループ分けして講習は進められる。1人で5人の初心者を指導するのは大変だが、ボランティアの名手や卒業生のサポートもあって回を重ねるごとに指導体制は充実している。

これだけの内容が濃い講習会を実施するのは大変な重労働が伴うが、それを可能にしたのはあらゆる立場の垣根を超えた協力体制だ。漁業関係者や釣り具業界、そして釣り人の協働で成り立っている。

さらにこの塾が素晴らしいのは、卒業してからも同期生や卒業生との交流イベントが設けられていることだ。フォローアップの継続は友釣りを続けるモチベーションになり、ステップアップにも繋がっているという。

今回のアンケート結果は、ヤル気のある入門者を熱血指導する有効性が高いことを物語っている。しっかりと釣りを学ぶ場を提供するうえで、わかやま友釣り塾はよきモデルケースになるのではないだろうか。

<わかやま友釣り塾はコロナ禍で活動を休止中>

昨年(2020年)の「わかやま友釣り塾」は新型コロナウイルス感染拡大で中止になっている。今年(2021年)の第5期生は5月の講習会が延期となり、コロナ禍が落ち着いた段階で活動再開を予定している。

※このページに掲載している写真は過去に撮影したものです。

<わかやま友釣り塾・協賛>
オーナーばり/カツイチ/がまかつ/グローブライド/サンライン/シマノ/ヤマワ産業/プロショップかつき/Fishingエイト/つり人社/エコセンス/日本釣振興会(和歌山県支部)/紀ノ川漁協/貴志川漁協/有田川漁協/日高川漁協/他、

<わかやま友釣り塾・講師>
塾長・鈴木康友(つり人社会長)/福田眞也/上西啓文/宮井孝和/盛岡達也

(了)

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