釣り糸が見えると不利になる?(前編)。クロダイは釣り糸が見えているか実証実験!結果は…。

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クロダイは釣糸を認識していたが、暗闇でも見えているの?

では、お魚は暗闇の中でも釣り糸が見える(認識している)のでしょうか?

水槽の中にいるクロダイが(水槽の中に張り巡らせた)釣り糸に触れると、電流が起きてそれを記録することが出来るような装置を作成し、以下のような実験を行ってみました。

装置の概要は、水槽の中に先ほどと同じ釣り糸を張り巡らせて、その一端をアルミニウムの薄板と接続します。

釣り糸が引っ張られて程よい強さの振動が加わると、アルミニウムの薄板が接点に触れ通電するというものです。そして通電するとその様子が記録紙に残るという仕組みです。

さらに、クロダイが水槽の中を移動して餌を食べるように仕向けて、それが分かるように餌(ミンチ状にしたオキアミ)を澱粉糊で固形にしたものを容器に入れて、水槽の底面の両端に固定しました。

この図はそれをイメージしたもので、設置直後で水槽の両端の容器に餌が残っている様子を示しています。

実験の設定時を表した図

ちなみにレコーダーに装着した記録紙は一定の速度で動いていて、電極板は2カ所に設置しています。それぞれの電極板に電流が起きるとペンが振れて山の形に印字されるようになっています。

さて、設置が完了した直後から観察を開始すると、最初は餌の容器が入ってくるのを怖がっていたクロダイ達は、次第に慣れてきて水槽の中を普段と同じように泳ぎ、両端に置いた餌を食べ始めました。

しかし、張り巡らせた釣り糸に触れることはありません。

このことから、水槽の中にいるクロダイは釣り糸が見えている、あるいは認識して釣り糸に衝突しないようにしていることが伺えます。

今度は、午後8時前後に同様の設定を行い、照明を全て消して扉を閉め、部屋が完全な暗闇になるようにしました。

そして、翌朝に水槽を見ると、両端に置いた餌はクロダイに食べられていましたが、記録用紙にはクロダイが釣り糸に触れた痕跡は見られませんでした。

なんと、クロダイは暗闇の中でも釣り糸に衝突することなく、水槽の中を移動して餌を食べていたということになります

実験の翌朝の様子を表した図
エサは食べられていたが、釣糸に衝突した痕跡は見られなかった

この実験だけで全てを語ることには無理があるかと思いますが、少なからず分かったことが、クロダイは明るくても暗くても釣り糸の存在を認識していたことになります。

クロダイは夜釣りでもよく釣れるお魚ですが、私自身、「夜間は海中が暗いため、クロダイから釣り糸が見えにくくなるから釣りやすくなるのではないか」と考えていましたが、どうやらそれは正しくないということになりそうです。

さて、これと同じ設定でメジナを用いて実験を行いました。

ところが驚いたことに、暗くした室内での実験結果はクロダイとは全く異なる結果が出たのです。

この続きは次回にお話しいたします。

後編はコチラ → 釣り糸が見えると不利になる?(後編)。メジナは糸が見えているか実験!「糸が太いと釣れない」は本当なの?

関連記事 → 「年なしのチヌ」って本当は何歳?クロダイ(チヌ)の全ての解明を目指す、広島大学の海野徹也教授を取材 | 釣具新聞 | 釣具業界の業界紙 | 公式ニュースサイト (tsurigu-np.jp)

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