大阪府泉大津市にある泉大津フェニックスで、2021年10月30日(日)と11月3日(水)の2日間、「泉大津フェニックス海釣り体験イベント」が開催された。
主催は泉大津市と泉大津マリン(株)。
このイベントは、泉大津市が主体となり、ベイエリアの有効利用の一環として泉大津フェニックスに「海釣り公園」の設置を目指しており、その実現に向けた社会実験として開催されているイベントだ。
泉大津市は「泉大津フェニックス内の護岸を開放し、市民をはじめ多くの皆様に『海に親しみ』、『港湾のにぎわいの創出』に向けて、海釣り体験イベントを開催いたします」とイベントの目的を説明している。
この「海釣り体験」は2019年から行われており、今回の開催で3年目となる。開催時期や開催時間も変えながら、安全に釣りが出来るか、どのような釣果があるのか、海釣り公園としての需要があるのか、といった事が検証されている。
会場となっている泉大津フェニックスは、大阪湾フェニックス計画により産業廃棄物等で造成された広大な埋め立て地だ。
多目的広場等もあるが、夏フェスなど特定の日を除き、年間を通してみると有効に活用されていないのが現状だ。通常は立ち入り禁止で入る事も出来ない。
そのため、「海釣り公園」の設置をはじめ、様々な有効利用の方法が検討されている。
取材に訪れたのは10月30日。海釣り体験は午前6時から午前11時まで開催された。
天候は晴れ。明け方は防寒着が必要なほど冷え込んだが、日が照ると暑さを感じる、寒暖差の激しい日となった。ただ、風もそれほどなく釣り日和となっていた。
このイベントには、当初から関西で釣り具の量販店を展開しているフィッシングマックス(大阪府泉大津市本社)が協力しており、釣りに関わる道具やスタッフの手配などを行っている。
当日もフィッシングマックスのスタッフはもちろん、手伝いに訪れた釣具メーカーや卸業者等のスタッフ10名が参加。日が昇る前から会場の設営などを手伝った。
釣り場はマリーナ用地を見越して作られた場所で、足場もよく、階段状になっており道具も置きやすい。子供や女性でも安心して釣りが楽しめる場所だ。
参加者には全員ライフジャケットを着用してもらうほか、投光器の設置や、スタッフも常時見回りを行い、安全対策、コロナ対策も万全に行われていた。
募集人数は各日で50組100人だが、応募は倍以上あったそうだ。当日の参加者は37組74名。参加者は泉大津市民はもちろん、大阪の各市から参加していた。
釣果はサビキ釣りでイワシなどがパラパラと釣れていた。場所によっては25㎝ほどのグレが入れ食いになるなど、釣り場としてのポテンシャルの高さを感じさせる結果となった。他、アジ、サバ、コノシロなども釣れていた。
参加者に話を聞くと「ここに海釣り公園が出来れば、料金にもよりますが、必ず来ると思います。北風も防げますし、冬もいい場所になると思います」と話す人もいた。
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