コピー商品(模倣品)の釣り具を発見!どうしたらいいの?【弁護士に聞く】

スペシャル ニュース
(一社)日本釣用品工業会がフィッシングショーで展示している模倣品。日本の釣り具メーカーの商品の模倣は海外でも多くみられる

 「釣具業界の法律相談所」は、釣具業界で起こる可能性のあるトラブルについて、弁護士の先生に聞いて見解や対処方を紹介するコーナーです。

 1回目は、釣具業界でもよくある?「コピー商品(模倣品)」について。そもそも、コピー品と分かっていて買ってはいけませんよ!

 コピー品(模倣品)は真剣に釣り具を開発している多くの釣り具メーカーさんに被害を与える行為です。メーカーさんの立場になり、コピー品に対してどういった対応が出来るのか、弁護士の先生に聞いてみました。

明邦化学工業製品の侵害品の写真。販売業者も間違って取り扱わない事も大事だ(今回の記事と写真は直接関係ありません)

【質問】・模倣品の販売や製造を止めてもらう事はできますか?

 弊社は釣り具メーカーです。ある釣具店を巡回中に、自社製品の釣具の模倣品が販売されているのを発見しました。商品の本体はもちろん、パッケージも酷似しており、価格も自社商品より安く設定されているため、明らかに自社製品の販売が妨害されていると感じました。

 このような場合、販売しているお店に模倣品の販売を辞めてもらう事は出来るのでしょうか。

 また、模倣品を作っている企業を突き止め、模倣品である事を伝えて製造販売を止めるように伝えましたが、相手は全く聞く耳を持ちません。
 こういった場合、どのように対応すれば、模倣品の製造や販売を上手く止めさせる事が出来るでしょうか。

【弁護士からの回答】・「意匠法」、「不正競争防止法」により対応可能。ただし、認められるための条件に注意!

 模倣品については「意匠法」や「不正競争防止法」により、製造販売の差し止めや相手への損害賠償を求めることができます。ただし、それぞれ、認められるための条件があります。

 まず、「意匠法」については、御社の製品のデザインについて意匠権を取得していることが必要になります。意匠登録しているデザインと類似するデザインの模倣品が販売された場合は、差し止めや損害賠償請求が可能です。

富士工業製品の模倣品。意匠権の登録はもちろん行われている。侵害品には厳しい措置が講じられる(今回の記事と写真は直接関係ありません)

 これに対して、意匠登録をしていなかった場合は、「不正競争防止法」による対応を検討することになります。
 「不正競争防止法」では、日本国内で最初に販売した日から3年を経過していない製品については、その形態を模倣した模倣品の販売の差し止めや損害賠償請求を認めています。

 そのため、まだ、御社がこの釣具を販売されてから3年が経過していなければ、模倣品の販売差し止めを求めることが可能です。

 ただし、釣り具としての機能面から特定の形態になることが不可欠である場合は、その部分については形態の模倣ということはできないことになっていますので、注意してください。

 これに対し、自社製品の国内販売開始から3年以上経過していて、意匠登録もしておられない場合は、対応が難しくなります。

 ただし、不正競争防止法では「自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用」する行為を禁止しており、これは国内販売から3年が経過していても適用されます。

 「著名」であることが条件になりますが、御社の製品のデザインやパッケージが非常に有名であるという場合は、国内販売開始から3年を経過した後でも、この規定に基づき、模倣品の差し止めが可能になることがあります。

 ここまでご説明したように意匠登録をしていないデザインについては、基本的には国内販売から3年をたてば、模倣されても模倣品を差し止める方法がかなり限られてしまいます。

 そのため、自社の重要な売れ筋製品のデザインについては、意匠権を取得することも検討してみてはいかがでしょうか。意匠権を取得しておけば、そのデザインは25年間保護され、デザインを模倣した製品を差し止めることが可能です。

 意匠権については、「咲くやこの花法律事務所」の以下のページでも解説していますので合わせてご参照下さい。

▶参考情報:意匠権とはどんな権利?具体例に分かりやすく解説!

(了)

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