【奈良県】室生ダムのバス釣り解禁。記念イベント「室生ダムBASSオープン」も大盛況!

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室生ダムBASSオープンのスペシャルゲスト・三原直之プロ。釣り上手すぎ!
室生ダムの景色
室生ダム(奈良県)は、昔はバスのフィールドとして親しまれていた…

朗報!室生ダム・18年振りにバスフィッシングが解禁。

 奈良県宇陀市にある室生(むろう)ダムが18年ぶりにバス釣り解禁になった。このダムは独立行政法人水資源機構・木津川ダム総合管理所の管轄内にある。竣工は1973年、総貯水量は1690万平方m。同じ木津川水系の布目ダムや比奈地ダムと同程度の貯水量のダムだ。

 室生ダムは、実は古くから地元のバスアングラーに親しまれてきた釣り場だった。しかし、バスファンが増加したタイミングでトラブルが多発するようになり、2003年からリール釣りが禁止となり、実質的にルアーフィッシングが楽しめなくなった。

 バス釣りが解禁になった背景には、漁協運営が厳しくなったという事情がある。このダム湖は室生漁協と宇陀川漁協の2つの管轄内にあり、両漁協ともに奈良県漁業協同組合連合会から退会している。

 現在、室生漁協は春先だけのアマゴ成魚放流釣り場を細々と運営している。もう一方の宇陀川漁協は今年から赤字続きでアユの放流を断念。ダム湖のヘラブナのみが漁業権の対象魚種となった。

ヘラブナはもちろん、ブラックバス・ワカサギの2魚種も活用し漁協運営を再建

 ダム湖の漁場管理に関しては両漁協ともにほぼ関知せず、ヘラブナ釣り愛好家の平崎大介氏に監視員と増殖事業を委託している。ヘラブナ釣り場としては一定の評価を得ているが、やはりこの先は釣り人の高齢化が大きな障壁となるのは必至で、ブラックバスとワカサギの2魚種も活用して漁協運営を再建することになった。

三原直之プロ
三原直之プロと漁協管理人の平崎氏

 平崎氏が漁協管理人を引き受ける少し前にバス釣りが禁止となったが、同氏はバスアングラーからの解禁を要望する声に応えるべく、多くの釣り人が楽しめる釣り場運営を目指してきた。ブラックバスの活用には周囲からの反対で苦労が絶えなかったが、ようやくバス釣り解禁が実現した。

 室生ダムのブラックバスは漁業権魚種ではないが、遊漁料に準ずる環境整備協力金が必要になる。今年度はシーズン券2000円、日券1000円。

解禁を記念しバスフィッシングの大会を開催。上位3名とも50㎝オーバーをキャッチ!

「室生ダムBASSオープン」の大会風景
バス釣り解禁を望んでいたファンを中心に73名のエントリーがあった

 「室生ダムBASSオープン」は8月23日(日)に開催された。大会参加者は地元のバスファンを中心に73名。スタッフやサポーターを含めると100名近くが集まった。

 この大会の主催は、室生ダム釣り倶楽部(利用者協議会)/JOFI奈良(釣りインストラクター連絡機構)/鮒屋(漁協管理事務所)。大会委員長は窪悟氏(JOFI奈良代表)

 スペシャルゲストは昨年度のジャパンスーパーバスクラシックウイナーの三原直之プロ。同じくJBトップ50シリーズで活躍する青木哲プロも応援に駆けつけた。

 このダムはボート釣り禁止だが、見た目以上に陸釣りが楽しめるポイントが多い。外来生物法の遵守を徹底するためにSNS(フェイスブック)を活用したフォトトーナメントで競技を楽しんだ。

「室生ダムBASSオープン」の大会風景
当日は酷暑とコロナ禍の観点からソーシャルディスタンスを保つ上でも有効な、リモート検寸システムが採用された

 選手はバスをキャッチしたら参加賞のメジャーに載せた魚と遊漁券を一緒に撮影し、その写真データをフェイスブックグループ「室生釣り倶楽部」にアップロードすれば検寸完了。

 当日は酷暑だったため魚のダメージを軽減でき、コロナ禍対策の観点からもソーシャルディスタンスを保つうえでも有効なリモート検寸システムとなった。

 優勝の向原誠選手はフットボールジグで53㎝を仕留め、上位3名までが50㎝をクリア。約半数の選手がバスをキャッチし、19名が40㎝アップというハイスコアとなった。

 猛暑日という条件を考えると、近隣のダム湖と比較して魚のクォリティは高そうだ。

「室生ダムBASSオープン」の大会風景
室生BASSオープンの上位入賞者。上位3名とも50㎝オーバーの釣果
「室生ダムBASSオープン」の大会風景
優勝者には豪華賞品!

 室生ダムではワカサギが順調に自然繁殖している。2011年にワカサギの発眼卵を2000万粒放を流し、その後も他の釣り場で釣り上げた成魚を数百尾単位で放流を繰り返してきた。

 なかなか増殖が確認できない期間が続いたが、2年ほど前から全域でワカサギが確認されるようになった。今年に入って奈良県へワカサギの漁業権免許を申請し、今年の晩秋から遊漁料なしのテスト解禁を予定している。

 ワカサギの資源量はシーズンムラがあるため苦労している漁協も多いが、上手く増殖すればまた新たな釣り対象魚が増えることになる。

 ヘラブナ・ブラックバス・ワカサギの3魚種を活用して新たな漁場管理に取り組む室生ダム。鉄道を利用しての交通のアクセスもよく、釣具業界や釣り人からも注目度が高まりそうだ。

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 【原稿:岸裕之・編集:釣具新聞】

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