釣りエサのスペシャリスト・長岡寛さんの連載「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」です。釣りエサに関する事以外にも魚の生態や環境など様々な内容を紹介します。
今回は、釣り人を悩ませる事の多いエサ取り対策について解説して頂きました。
どんな釣りでも本命と外道は付き物ですが、刺し餌と撒き餌にオキアミを使用する磯や岸壁からのフカセ釣りでは、活発なエサ取りには手を焼く場面が多く見られます。
特に夏から秋にかけての高水温期は、あまりの猛攻に嫌気がさして釣りそのものに行かないという釣り人も数多くいるのではないでしょうか。これは業界にとってもマイナスです。高水温期はメジナがいま一つでも多彩な魚種が釣れますから、暑さ対策をしっかり講じればそれなりに楽しめる季節です。
餌取りを回避するには…?
ところで、エサ取りと一言で言っても、色々な種類があり摂餌のパターンもいくつかあります。その中でも特に手を焼くのが、表層にいる、あるいは表層に出て来るエサ取り達です。
表層に出て来るエサ取り達の多くは遊泳速度が高いお魚さんだったり、遊泳速度が遅くとも、とてつもない個体数に圧倒されるお魚さんです。そんな状況下では、釣り針に装着した刺し餌のオキアミは投入するや否や瞬時に盗られてしまいます。
もちろん、磯釣りファンもただ手をこまねいているわけではありません。これまで色々な工夫と努力を重ねて来て今日に至っています。
最もポピュラーなエサ取り対策は、撒き餌を大量に投入してエサ取りの注意を逸らすというものです。私自身この方法で幾度となく良い思いをさせてもらっているので、それなりに有効な手段だと思います。
しかし、釣り場に大量の冷凍オキアミブロックと配合餌を運ばなければならず、行ってみてその日がエサ取りが少ないと、余った冷凍オキアミブロックは無駄になってしまいます。
一方、釣り針に装着する刺し餌にも工夫が見られます。例として、硬く加工したオキアミを使用するという方法があります。
確かにオキアミ自体の強度が高ければ、エサ取りの攻撃に対して針持ちは良くなるので有効なように見えます。ところが、前回お話ししたコサバは口が大きく針持ちを良くしても関係なく飲み込んでしまいます。また、釣り場で周年多く見られるフグ類は、本命よりも遥かに硬い歯を持っているため中途半端な硬さでは役に立ちません。
前回のお話し → サバは美味な食材?それとも外道?サバの習性や種類について詳しく解説。食中毒にも気を付けて! | 釣具新聞 | 釣具業界の業界紙 | 公式ニュースサイト
だからといってオキアミをそれ以上硬く加工してしまうと、メジナやイサキなどは思いのほか繊細な口を持っているため、これらのお魚さんの食い込みは極端に低下してしまいます。
他にもいくつか回避できそうな方法はありますが、どれも効果は限定的な上に、高い経験値と判断力が求められます。
エサ取りの習性を応用した新しい対策
ところで、表層にいるエサ取りは投入された撒き餌の中にあるオキアミを目がけて猛スピードで食いついてきます。スピードがあるということは裏を返せば、視覚によってオキアミを食べに来ているということになります。
特に日中は投入されたオキアミが表層付近において上から差し込む光によって、白っぽく目立ちます。ところがこのオキアミの色彩を暗くすると、表層にいるエサ取り達は強い反応を起こしません。
理由は色彩が暗く他のオキアミよりも目立たないためと、もう1つは色彩を暗くしたオキアミは、撒き餌の中にある別のオキアミと違って見えるため違和感を抱くのかもしれませんが、いずれにしても劇的な効果が得られます(図1)。
一昨年の秋から発売されている「オキアミブラック」(図2)という液体添加剤を刺し餌に使用することにより、その効果を即座に体感することが出来るでしょう。
この仕組みは、釣り針に装着した「オキアミブラック」で着色したオキアミは沈下しながら徐々にその色素が抜けて、タナに届く頃には元のオキアミに近い色彩になるため、表層で盗られる確率が格段に下がります(図3)。
私はかつて餌メーカーに勤務していた間に7個の特許を取得しましたが、これは8個目の特許となり、使ったユーザーからは大変高い評価を頂いています。
「オキアミブラック」を持参することにより、夏場のフカセ釣りに持参する撒き餌の量は大幅に少なくすることが出来て、もしもエサ取りが少なければ、次回の釣行に備え常温で保管も出来ます。
「環境と財布に優しいSDGsなエサ取り対策」ということで、エサ取りを敬遠している釣り人の皆様も、是非とも使ってみては如何でしょうか?
「オキアミブラック」問い合わせ先
信商事(TEL 048-872-6799)
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