サバは美味な食材?それとも外道?サバの習性や種類について詳しく解説。食中毒にも気を付けて!

ニュース

釣りエサのスペシャリスト・長岡寛さんの連載「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」です。釣りエサに関する事以外にも魚の生態や環境など様々な内容を紹介します。

今回は、サバの習性や種類について解説して頂きました。

「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」のカット
      

私は仕事柄、当然お魚さんは大好物なのですが、その中でもサバは一番好きなお魚さんです(図1)。

マサバのイメージ
(図1)マサバのイメージ(図鑑と異なり正確でない部分がありますのでご了承ください)

リーズナブルな回転寿司によく行きますが、シメサバは価格がお手頃なので、家族の中では私が一番廉価で楽しんでいます(笑)。

さて、タイトルにも書きましたが、暖かい季節のウキ釣りでコサバが大量に湧いてしまうと、こればかりが入れ食いになり、もはや釣りどころではありません。

サバは魚体の大きさの割には口が大きく、しかもその歯は糸ノコギリ状に細かくて硬く、釣り針は瞬時に奥まで飲み込まれてしまいます。首尾よく針外しで飲み込まれた釣り針を外すことができても、鋭い歯によって常にハリスには傷が付いてしまいます(図2)。

マサバの歯
(図2)マサバの歯

そのため1回飲み込まれてしまうと、必ず針とハリスを交換しなければならず、それによるロスタイムがあまりにも大きく、心が折れてしまいます。

気を付けたい食中毒。食べるときはしっかり加熱しよう!

一方、沖釣りで良型のサバが釣れれば、私にとっては大変なご馳走なので、嬉しい限りです。皆様もよくご存じと思いますが、サバは鮮度が落ちるのがとても早く、特に生食の場合は食中毒を起こすことがあります。

食中毒の原因の1つとして、サバはアニサキスと呼ばれる鯨類を最終宿主とする寄生虫の中間宿主であるため、うっかり生食をすると、このアニサキスにより胃や腸に激痛を伴う症状が出ることがあります。

そしてもう1つは、サバをはじめとした多くの赤身魚の筋肉に含まれるヒスチジンと呼ばれるアミノ酸が食中毒を起こします。これは、ヒスタミン産生菌と呼ばれる細菌の働きによって生じます。いずれも加熱して食べることにより防ぐことが出来ます。

冷凍オキアミは食べない!?サバの優れた嗅覚

さて、美味な食材であり厄介な外道であるサバのエサに対する習性についてお話ししましょう。

サバはその姿からも分かるように泳ぎが速く、視力も発達しています。小型のものは表層近くに大軍をなして泳ぎ回り、一度撒き餌を発見しようものなら、狂ったように摂餌行動を起こします。そして、自分の魚体の大きさに対して半分近い大きさのエサを丸呑みしてしまうため手が付けられなくなります。

半面、サイズの大きいものはルアーでもよく釣れて釣り師を楽しませてくれます。

サバは発達した遊泳スピードと視覚によって素早くエサに食いついてきますが、実は思いのほか嗅覚も発達しています。

ある夜、堤防でカゴ釣りをした時のことですが、この日はイサキやマダイがポツポツ釣れていました。ところがコサバが回遊してきてからはコサバだけが頻繁に釣れるようになってしまいました。

しかし、不思議なことに私が使用していた冷凍ブロックを解凍したオキアミには、あまりコサバは食ってこなかったのです。

一方で、同行した友人は加工したパックのオキアミを使用していたためか、全てコサバが食ってきました。そこで、友人に私のオキアミを使ってもらうとコサバの猛攻はトーンダウンしたのです。

この理由は、加工したオキアミに添加されている集魚剤の匂いが影響していたのではないかと思い、持ち帰ったコサバの嗅板を撮影したのが(図3)です。

マサバの嗅板
(図3)マサバの嗅板。観察すると大変複雑な構造をしていて嗅覚も発達していることが伺える(右側が前方になります)

サバの仲間について。スーパーで違いを比べてみよう!

さて、食材としてのお話は深入りせず、調理などについてはそれぞれ専門の方に委ねることとしていますが、サバの仲間について少し触れておきましょう。

マサバに近いゴマサバという種類があり、これもよく市販されています。ゴマサバは背中から腹部にかけて青色の模様があり、その腹部の模様が丸い形をしていてゴマのように見えることが語源になっていると言われています。ゴマサバも美味なお魚さんですが、マサバよりも傷みが早いので生食には向いていません。

それから、スーパーなどの鮮魚店では輸入したノルウェーサバというお魚さんをよく見かけます。ノルウェーサバは腹部にかけての青色の模様のコントラストが明瞭です。またマサバよりも脂が乗っているのが特徴です。

どのサバも大変美味なお魚さんですが、ラベルには産地や種類が明記されていますから、購入時にチェックしておくとそれぞれの違いを楽しむことが出来るかもしれませんね(図4~6)。

マサバのイメージ
(図4)マサバのイメージ
ゴマサバのイメージ
(図5)ゴマサバのイメージ
ノルウェーサバのイメージ
(図6)ノルウェーサバのイメージ

コサバを含めたエサ取り対策については、次回で詳しくお話ししたいと思います。

◆長岡寛さんの連載「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」の連載記事一覧はコチラ

関連記事 → 魚の歯の標本に子供達も興味深々!釣りエサのスペシャリストが魚について講義。ワーム作り体験も好評【埼玉県北本市】

関連記事 → 【釣果アップ間違いなし!?】話題の「クックックサイゼ!」。エサやワームに混ぜ込むだけ、摂餌効果で魚の味覚直撃

関連記事 → 【磯釣り師に朗報!】オキアミを黒くするとよく釣れる?革命的なエサ取り対策「オキアミブラック」

関連記事

【釣りフェス2022】トップエギンガー3人が和歌山で実釣ロケ!夢の共演!

目指せ頂点!「ダイワキスマスターズ」参加者募集中。全国で15回の予選。決勝大会は秋田・桂浜で開催

【櫻井釣漁具】「金剛激まるいか 160 零天国」ゼロテンション釣法専用ロッド

エギではなくエビ!?リアルにエビを再現した、話題のエギ「エビQ」に秋イカ対応の3.0号が登場

釣りフェス2024初日は大盛況!限定品販売も大人気。ダイアン、宮沢和史も登場!

【寒ブリ釣りたい!】日本海ジギング体験開催。参加者は青物を手に笑顔、嬉しいゲストも釣れ大盛り上がり!

「買った竿がすぐに折れた、交換しろ!」お客様の過剰なクレームや要求、どこまで対応すべき?【弁護士に聞く】

【釣りを活用して地域活性化】フィッシングショーOSAKAの地方創生ブースで地域の魅力をPR!釣りファンも興味津々!