「九州リポート福岡発!」は、全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。
今回は、1985年4月にオープンして来年40周年を迎える「福岡市海づり公園」(福岡市西区)をご紹介します。
同公園は博多湾西部の風光明媚な立地にあり、沖合い386mのT字型鋼製の釣り桟橋です。釣り台の幅は6m、延長はおよそ350m。一度に約400人の釣りが可能です。駐車場は普通車250台、バイク・自転車は100台を収容。
釣り台使用料は4時間以内の場合、一般1000円、小中学生500円。65歳以上は釣り台料金と駐車場、入園料(見学者)が半額。身体障害者は無料です。
釣り台のほか「海洋釣堀」もあり、豪快なマダイ釣りが人気です。
売店では竿(リール付き)のレンタルのほか、餌、仕掛け、簡易クーラーボックス、氷などを販売。管理棟には男女別トイレと車イス専用トイレ、3階は展望休憩所があり、授乳室やキッズコーナー、自販機(カップ麺・飲料等)などの設備が整っています。
ここまでは、一般的な有料の海釣り公園とほぼ変わりありません。特筆すべきことは、施設の管理者・福岡市漁業協同組合が持つマンパワーならびにイベント企画&発信力です。
企画力・発信力抜群の海釣り公園。初心者も大歓迎、各イベントは大好評!
管理棟には「アシスタント」と呼ばれるベテランの職員が複数人常駐し、初心者には丁寧に仕掛け作りや釣り方をアドバイスしてくれます。仕掛けのトラブルやハリ外しなどで困ったときは「お願いしまーす!」と手を挙げれば、駆けつけてくれる頼もしさです。
施設では毎月、初心者向けに釣り教室を開催しています。サビキ釣り、ウキ釣り、泳がせ釣り、カワハギやヒラメ釣りなど様々な魚種に対応した釣り教室は満員御礼が続きます。レディースデーの水曜日は料金が半額なので、女性のソロ釣り師にも好評です。
また初心者限定で、4人以上のグループには近くのJR駅から送迎付きの「手ぶらで海釣り体験」のプランも提供。特にファミリーやグループに大人気の2大イベントは4~11月の「デイキャンプ+海づり+バーベキュー」と、11月~翌年3月の「マダイ釣り体験&かき小屋で海鮮グルメ」。このほか、「全員集合!初夏の海づり大会」など季節の釣り大会も企画。
これらをチラシ、47ページに及ぶガイドブック、ホームページなどで広範囲に発信しています。
常に新しいイベントを提案して、ひとりでも多くの新しい釣り人を増やすためのキッカケを作っているのです。季節ごとに、「今度は何を仕掛けてくるのかな」と注目しているところです。
釣りの文化を若い世代に伝えていく
今年5月、当協会の事務局長がレギュラー執筆している西日本新聞プロダクツの担当デスクから、「新入社員研修で釣りを体験させたい」と相談があり、私と事務局長が講師となって同公園で講習会を行いました。
参加した5人の新入社員は全員が釣り初体験。日本釣振興会九州地区支部から提供いただいたテキスト「すきすきフィッシング」を基本に、安全対策とマナーを守りながらサビキ釣りに挑戦です。
時折「アシスタント」の手を借りながら、積極的に釣りに取り組んだ約3時間。10㎝級のイワシを中心に15㎝前後のカサゴ、豆アジ、時に30㎝級のバリなど5人で合計50尾超の釣果となりました。
「また釣りをしてみたい」、「今度はもっと大きな魚を釣りたい」など感想は好感触。和やかで有意義な釣り講習会でした。
このように、釣りの楽しさや面白さ、釣りの文化を若い世代に伝えていくことは、釣りの報道に関わるものとして最大の楽しみであり責任ある活動だと考えています。
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