埼玉県飯能市など県西部4市を流れる入間川の漁業権を持つ入間漁業協同組合(同市阿須343-1・古島照夫組合長)は、来年3月1日から入間川や支流有間川の一部でのニジマス釣りを通年可能とする。
県の承認が前提だが、同取り組みについては9月の臨時総代会で議案提案され、可決済み。新たなトラウトフィールドが誕生することへの障壁はなく、釣り人からは早くも歓迎の声が挙がっている。
臨時総代会での議決事項であるニジマスについて1年を通して釣り可能とする場所は、入間川の小瀬戸頭首工(小瀬戸取水堰)から下流と、特設釣り区である有間渓谷観光釣り場下流の有間川。
有間渓谷観光釣り場は民間企業の株式会社有間渓谷観光釣り場(町田喜久男代表取締役)が管理運営しており、同釣り場で釣り客用に放流するヤマメやニジマスを入間漁協が納入している。
同釣り場から下流、入間川までの間には、県内有数のワカサギ釣り場、名栗湖がある。
これまで、入間漁協についてはニジマスをヤマメ・イワナと同じように遊漁期間を3月1日から9月30日までと定めていた。
来年3月から入間川本流の小瀬戸頭首工から下流のエリア、さらに名栗湖を含む有間川の一部でニジマス釣りが通年実施できるようになると、ます類が禁漁期に入る10月1日から翌年2月末までの間でもニジマスを放流して釣ってもらうイベントなどが可能となり、漁協事業が大幅に拡大する。
通年ニジマス釣りが可能となるエリア内での釣法に制限はなく、餌釣り、ルアー釣り、フライフィッシングやテンカラ釣りの毛バリ釣りが楽しめる。遊漁料については、年券、日釣り券ともヤマメ・イワナ釣りと同額となる見込み。
この入間漁協の取り組みに強い期待感を示しているのが、ルアー愛好家たち。理由は、成長した大ニジマスが釣れると思われる名栗湖もフィールドに含まれているからだ。渓流魚の解禁期間内であれば、湖で成長したヤマメやイワナも狙える。
ポテンシャル抜群!魚種豊富な名栗湖に注目
名栗湖は、1986年に有間川を堰き止めて築造された県営有間ダムによって誕生した人造湖。
周囲4.5㎞の小さな湖だが、前述の魚種のほか、ワカサギ、コイ、フナ、ヘラブナ、バスなどが生息する。湖で成長しているニジマスは、増水に伴って上流の有間渓谷観光釣り場から流されてきたものだ。
魚種豊富な名栗湖だが、ダム内法面での魚釣りは禁止(立ち入り禁止)とされており、釣り場としての利用度はいま一つ。
現在、同湖での釣りは、湖畔の認定NPO法人名栗カヌー工房(山田直行理事長)がレンタルしている専用ボートを使用してのワカサギ釣りが主であり、ここに、ニジマス釣りが加わることで、新たな釣り客を呼び込むことができると漁協関係者はみている。
同湖でのニジマス釣りは、ワカサギ釣り同様、名栗カヌー工房が貸し出すボートを使う湖上からの釣りとなる。このため、同工房では来春に備え、新たに桟橋を増設するとともに、レンタルボートを20艇から30艇に増やす計画という。
ボート使用によるワカサギ釣り場は同工房直下のわんどのみに限定されているが、レンタルボートによるニジマス釣り場については、流木止めから上流の全域になる見通し。ニジマス釣りに使用するボート及び桟橋使用料については、未定。
名栗湖下流の入間川については、同湖からの放水に伴って落ちたニジマスが生息し、成長している。過去には50㎝を超える大型ニジマスをフライフィッシングで釣り上げた釣り人もいる。
入間川等での通年ニジマス釣りが実現すると、各地でみられる「冬期ニジマス釣り場」のようなフィールドの開設も可能となるだけに、トラウト釣りの愛好家たちに今回の入間漁協の取り組みは朗報だ。
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