「高齢化する釣りジャンル」新規参入者を増やす秘訣とは?【奧山文弥・理想的な釣り環境】

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時代は情報社会。ネット時代では「習うより慣れよ」はもう古い?

仕掛け作りなどは家でじっくり準備すればそれも楽しく、どんどんのめり込んで行きそうですが、時代は変わり情報社会です。

インスタなどS‌N‌Sで楽しい釣りがたくさん紹介されていて、「これ一筋」と早い段階で決めるにはもったいないと思う若者も多いそうです。

伝統的な日本の釣りだけではありません。フライフィッシングも高齢化しています。

管釣りなどでルアーよりも釣れるから、とマスを釣る手段としてフライを選んだ人は、フライの楽しみの1つであるタイイング(毛鉤作り)もしない人が多いです。

これが釣れそうだ、これを試してみよう、ではなく「どれが釣れますか?」と実績のみを選ぶのです。

釣り教室などに参加して面白いと思ったとき、次の釣りもそこで習ったものと同じことをするのではなく、ネットで調べます。

そう考えると、インターネットが当たり前になる以前に釣りを始めた方と、その後に始めた人では釣りに対する考え方も違うような気がします。

上手な人の中でも名人の釣りを見たり、「習うより慣れろ」で経験を積みながら上達してきた熟練者タイプと、多彩な情報により最短距離で上手になったタイプの人がいます。

情報の内容では簡単に安全にできるルアーや船釣りが圧倒的に多いですから、若者はみんなそちらに流れてしまうことも考えられます。

毎年1回行うヘラブナ釣り教室に必ず参加する海洋大卒業生女子はレンタル専門

情報社会に打ち勝ち、若い人の意見を取り入れよう

欲しい情報だけを見られるようになったことも要因です。

昔は釣り雑誌が総合誌で、ルアー記事を読むために購入した雑誌に磯釣りやアユ釣りも出ていましたから、今はできないけどいつかやってみようという気持ちがあり、機会があればやってみたいと思っていたものです。こんなすごい釣りがあるのかと。

小学生のとき初めて買った釣りの入門書には、「危険な磯釣り」と岩場での釣りの紹介があり、「大人になってからやってみましょう」と書かれていたのを今でも鮮明に覚えているほどです。

そういう釣りの雑知識が極端に少なくなり、さらに教えてくれる人が少ないのです。

高齢化したと言われる人は、自分の楽しみだけでなく、友人や家族を釣りに誘っているのでしょうか?

つい先日、私は久しぶりに磯釣りに行ってきました。友人から誘われたからです。1人では中々行けない釣りも誘われれば行きやすくなるものなのです。

私1人では行けない磯釣りだが、誘われたので行ってきた。メジナの引きを再認識した日だった

気がつけば私も高齢者になっていますが、若者をどんどん釣りに誘っています。

情報社会に打ち勝つ努力、それが新規参入者導入の鍵です。釣り業界は若い人の意見をどんどん取り入れ、この素晴らしい文化的な釣りを継承していくことが肝要です。

(了)

奧山文弥氏の公式ホームページ → 奥山文弥のフィッシング・カレッジ (f-okuyama.com)

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