【奧山文弥・理想的な釣り環境】釣り人の個性と幸福感、満足度について

スペシャル ニュース
ワカサギ釣りを楽しむ奧山文弥さん
淡水で釣れるから行く、食べたいから行く釣りのナンバーワンはワカサギ。近年はドーム船もあってより手軽になっている

釣りという魚を捕獲する行為は時に狩猟本能を寝覚めさせ、人格を変えてしまうこともあります。

そのトリガーを引くのは間違いなくハリに掛かり自由を奪われた魚が暴れる時に釣り具を通じて伝わってくる引き、「ブルブル感」です。もしこれがなければ命の躍動を感じることもなく、少年たちを驚かせたり老人を元気にしたりすることはありません。

私たちは、沖へ出てカツオやマグロの跳ねを見ただけで熱くなります(笑)。またその逆に静かにアタリを待つ釣りでもそれを待っている時に、緊張感、期待感から幸福感が得られます。

つまり釣りをする時、釣りに行こうと計画した時、事前準備をしている時、当日の道中、釣りの最中、魚が掛かった瞬間、取り込んだ後、食べるために殺した時、再会や成長を願ってリリースした時、終わった後、その全てが人を興奮させ、快楽へと導くのです。その原点は「釣りたい、あの魚の引きを味わいたい」という気持ちです。私はこれを狩猟本能の目覚めと呼んでいます。

渓流釣りの風景
行くだけで心が癒される渓流釣り

釣りは魚を釣ってこそ成功と言えるのですが、ボウズでも失敗とは言えません。

前述の通り計画した段階から快楽が始まります。人によっては釣れなくても自然の中に身を置くことだけで幸せになると思います。ルアーしかやらないという人は、キャスティング中に満足しているとも言われます。しかし釣れればもっと幸せになります。

この考え方、受け取り方は釣り人それぞれの個性によります。そこには現場で体験する経験だけでなく、欲望やヤル気が重なってくるからです。

小物釣りをする人はたくさん釣りたいという傾向にあり、大物釣りをする人は出会いが少ないため狩猟本能を剥き出しにして水域を駆け巡ります。可能な限り釣行し確率を上げる努力をし、また、待たなければ釣れない釣りの場合は場所の確保に労力を注ぎ込みます。

「たくさん釣るより楽しく釣ろう」という標語がありましたが、どうであれ一度釣りの魅力を知ってしまった人は、どんな段階でもドーパミンが分泌されているので幸福感はあるわけです。

タナゴ釣りを楽しむ奧山文弥さん
タナゴ釣りに興じる筆者と魚類図鑑の監修者・北里大学名誉教授井田齋さん

初心者の未来の希望を膨らませよう!

気を付けたいのはその表現の仕方でしょうか? 楽しかったか、楽しくなかったかは本人の気持ちです。

例えば本人は3尾釣って大喜びしているところへ、10尾釣った人がいたとして「なんだ3尾かよ」と価値を下げられたり、逆に「10尾も釣っているのに私は3尾だった」と卑下したりということがあります。

本章を読んでくださっている方は「そんなことはないよ」と思われるかもしれませんが、実際に釣りではこれの繰り返しです。

楽しかったはずの釣りが叩きのめされてしまうのです。価値観の違いではなく、その釣果でしか自己表現のできない方々もいて、釣果価値が自慢となって前面に出てしまうわけです。

余談ですが、これは私が若かった過去の経験です。アユ釣りを初めてまもない頃、西山徹師匠と伊豆・狩野川へ行き、26尾釣ったことがありました。西山師匠は倍ぐらい釣っていましたが、「初心者にしてはやるじゃないか」と褒めてくれました。

それを嬉しく話していたら、別のベテランの方に「26尾釣ったぐらいでアユ釣りを語るんじゃねえ」と見下されました。この一言が今の私のアユ釣りのトラウマになっています。この時、「よく釣ったね、この調子だと50尾釣れるようになるのもすぐだね」とか言っていただけたら、もっとアユ釣りが好きになっていたかもしれません。

釣りの対象魚として認知されている魚は約280種。積極的に道具が開発されているのは約70種

ところで以前調べたのですが、日本とその近海には約3800種の魚がいて、そのなかで概ね釣りの対象魚として楽しいもの、認知されているものは約280種ありました。そして釣り業界が対象魚として積極的に道具を作っているのは約70種用でした。

この中にはニジマスとブラウンは湖と大型トラウトとして1種にまとめられていたり、たくさん種類がいるタナゴがまとめられている結果ですが、これだけの対象魚を釣っている方々はそれぞれ多様な個性を持っているわけです。

例えば近年流行っているキハダマグロ釣り。ゲーム性を重視してルアーでやる人と、ウインチのような電動リールを導入する人では個性が違います。

キハダマグロ
東京からの身近な大物釣り、相模湾のキハダマグロをトップでヒットさせた長男の勇樹。
人気はあるがなかなか釣れない。夢を膨らませて通うべし

また強烈な引きを体感したい人と、近海マグロを生で食してみたいという魚欲しさの方とでも違います。釣った魚をすべてリリースするヘラブナ釣り人は、魚に優しいのかと思ったら、ヘラブナ以外の魚は命として扱わない人も結構いるみたいです。

このように様々な個性が入り乱れている方々がお客様である釣り業界は、売れればいいのではなく、特に初心者の未来の希望をどのように膨らませるか、どう育てるかを考え、ビジネスプランを練るべきでしょう。特にお客様と接する店員の方々には高い営業能力が求められます。淡水はワカサギ、タナゴから海はシーバスやマグロまで、人の狩猟本能を掻き立てるのは、美味しさや引きの強さだけではないのですから。

そしてずっと気にして欲しいのは、いい釣りを続けるためには、魚が繁殖していける良い環境がないといけないということです。

関連記事 → 奧山文弥さんがハマってきた釣りを紹介!

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