釣果アップの秘訣は?人気ターゲット「クロメジナ」の生態と食性【長岡寛・お魚さんッ私のエサに食いついて!】

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神津島で筆者が釣り上げたクロメジナの魚拓
神津島で筆者が釣り上げたクロメジナ。今回は、釣り人にも人気のターゲット「クロメジナ」について解説します

ファンの間ではオナガメジナ、あるいはオナガグレという愛称で親しまれているクロメジナは、メジナと並んで超人気ターゲットの一つです。

ご存じの通りクロメジナはメジナよりも大型になり、メジナを上回るパワーを持ち合わせていることがその要因に挙げられます。

クロメジナの生息域はメジナよりも海水温の高い海域で、本州の太平洋側であれば沿岸域よりも離島に多く見られます。ただ最近は海水温の上昇が影響しているようで、これまであまり大型が釣れることが無かった日本海でも、サイズアップしている話をよく耳にします。

メジナの産卵期は2~5月であるのに対して、クロメジナの産卵期は11~12月であるため、クロメジナを狙うのに好適なシーズンは暖かい季節になります。

しかしながら、夏場の高水温には流石のクロメジナも苦手と見えて、水温が25℃を超える夏場は深い場所に移動してしまい、磯からの釣りでは釣果はいまひとつになってしまいます。

クロメジナはメジナより速く泳ぐ?

改めていくつか、両者の違いについてまとめてみました。

クロメジナのイメージ図
クロメジナのイメージ図

最初に外観ですが、イラストにあるように、クロメジナの鰓蓋外側後方は黒く縁取りされたようになっています。この特徴は小型のサイズでも一目で判別でき、これが名前の由来にもなっています。

次に鱗ですが、クロメジナの鱗はメジナのものよりもサイズが小さく薄い構造になっているため、その分、体表の起伏が少なく、泳ぐ時に水の抵抗が少なくなります。

また、尾びれの付け根部分はメジナよりもスリムなため、左右に振るときの抵抗が少なくなります。さらに、尾びれそのものの後方もメジナよりも丸みが少なく、シャープで長くなっています。

釣り人の間で「オナガ」と呼ばれるのはこのためですが、今お話しした鱗と尾びれの構造を見ると、クロメジナはメジナよりも速く泳ぐことが分かります。そのため、フッキングすると強烈なスピードとパワーで釣り人を魅了します。

メジナの鱗は付け根部分が黒いのに対して、クロメジナの鱗の付け根部分は淡い色彩になっています。そのため、外観はメジナよりも滑らかな感じに見えます。

メジナの鱗
メジナの鱗
クロメジナの鱗
クロメジナの鱗

クロメジナの食性は?

クロメジナの食性についてですが、前述の通りメジナよりも大型になるので、好む餌のサイズも大きいと思われるかもしれません。

しかし、鰓耙の数を見ると、メジナは28本でクロメジナは32本のため、クロメジナの方が繊細な構造をしています。

クロメジナとメジナの鰓耙
クロメジナ(左)とメジナ(右)の鰓耙

実際に釣り上げた両者の胃の内容物を見ても、メジナは比較的大きいサイズの海苔や、撒き餌として投入したオキアミがそのまま出てくることが多いのですが、クロメジナはより細かいサイズの海藻が多く、鋭い歯で噛みちぎっていることが伺えます。

釣り上げたクロメジナの胃からは、撒き餌として使用した配合餌に含まれる、砕麦のような細かい粒子が多く見られます。

こうした食性の違いにより、投入位置から遠くに流れ着いた撒き餌に反応していることが伺えます。

クロメジナが釣り人を魅了する別の理由に、歯の鋭さを挙げることが出来ます。

メジナの歯がノリ類をはぎ取るのに適してブラシのような構造をしているのに対して、クロメジナの歯は糸ノコギリのような硬い構造になっていて、釣り針を飲み込まれてしまうとあっという間に切られてしまいます。

クロメジナの歯
クロメジナの歯

これを回避するために、釣り針メーカーからは口の奥に刺さらず、硬い構造をしている唇に刺さるよう、先端が内側に曲がっている専用の針が発売されています。

撒き餌の反応の見極めが釣果アップのカギ

さて、前回少し触れた撒き餌に対する反応についてですが、メジナもクロメジナも撒き餌の使い方で釣果が大きく変わることがあります。

両者の食性は基本的には同じです。詳細は割愛しますが、潮通しが良いほど活性は高く、沖からの潮がぶつかる場所では、磯際で投入した撒き餌に反応してくる姿を見ることができます。これは食欲旺盛の彼らが、投入される撒き餌を我先にと垂直移動しながら摂餌行動を起こすためです。

逆に潮の通りが悪い時、急激に水温が低下したときは活性が下がり、撒き餌が到達する最大限の遠方で緩慢な反応となります。

これは空腹時と満腹時にも共通していて、釣り人が竿を出す前の朝方は空腹であることが多く、撒き餌に対して強い反応を示しますが、大量の撒き餌が入り満腹に近づくにつれ次第に餌に対する反応が鈍くなり、撒き餌が到達する最大限の遠方でなおかつ、タナも深い位置で狭い範囲に絞られてきます。

時間の経過とともに大量の撒き餌を食べたメジナの摂餌ポジションの変化
時間の経過とともに大量の撒き餌を食べたメジナの摂餌ポジションの変化。活性の高い時間帯は磯際で垂直に遊泳しながら撒き餌を食べるが、時間の経過とともに撒き餌が溜まる潮下に移動しタナも狭まる

個人釣行であっても競技会であってもこの傾向は共通していて、限られた釣り場に複数の釣り人が入り、競うように撒き餌を投入するほど、その傾向は短時間で顕著に現れます。

こうした習性を踏まえるなら、限られた時間内に結果を出すことが求められる場合、スタート時は縦方向を意識した釣り方が有効ではありますが、活性が下がった場合は撒き餌が溜まるポジションでアタリを待つ、横方向の釣りが好ましいかもしれません。

縦方向を意識した釣りの場合、足下で誘いながら狙う円錐ウキは利便性が高いのですが、活性が落ちて遠方に流していく横方向の釣りでは、円錐ウキだけでなく立ちウキも効果的で、タナを見極めながら仕掛けを潮に乗せて探ることが、釣果への近道です。

自然条件だけでなく、周囲の釣り人が投入する撒き餌によっても異なった対応が求められることが、メジナ釣りの奥深さの一つと言えるでしょう。

「お魚さんッ私のエサに食いついて!」の連載は、今回をもちまして一旦終了させていただきます。長きにわたりご愛読いただきありがとうございました。

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