
5月24日、京都市を流れる鴨川の丸太町落差工(丸太町橋下流西側)に仮設魚道が設置された。
この取り組みを行っているのは京の川の恵みを活かす会だ。同会は淀川流域の自然の恵みを豊かにし、活かしていくことに賛同する関係団体、個人で構成された組織だ。この魚道設置には日本釣振興会も協力している。
設置の数日前に雨が降り水位が上がっていたが、当日までには水位も下がり、晴天の下で作業が行われた。

丸太町橋下流で設置。魚が泳ぎやすい設計の井桁格子魚道
鴨川の仮設魚道の設置は毎年行われており、今年に入ってから3回目となる。目的は天然遡上のアユなど回遊魚が遡上出来る範囲を拡大するためだ。
例えばアユの場合、毎年、春から初夏にかけて大阪湾から淀川を昇り、京都の鴨川まで遡上してくる。しかし、鴨川では落差工がありアユの遡上が遮られている。

そのため、同会でも3月に今井堰、4月に三条落差工と、下流側から遡上が出来ない高さの落差工に仮設魚道を設置し、アユの遡上範囲を拡大してきた。そして、最後が今回の丸太町落差高だ。
丸太町落差高で設置されたのは新型の井桁格子(いげたこうし)魚道。木材を格子状に組んだ独特なデザインの魚道だ。
同会が設置する魚道は、地元京都の木材が使用されており、手作業での組み立てと設置が可能で、魚に良く利用されることを念頭に設計されている。この新型魚道も、落差を越えられない回遊魚が、流れに沿って遡上できるよう、様々な工夫が施されている。

手作業で組み立てを行う参加達。地元の企業も参加
魚道の設置は、先に上流側に竹垣を設置し流れ込む水量を減らす。そして、用意してきた材料を運び、参加者で組み立てを行った。
今回の設置には、京都高島屋など地元を拠点とする企業も参加するなど、活動の輪が広がっている。
用意された木材を参加者で組み立て、重石として底に川から集めた大小の石を置く。そして、最後に2本のH鋼を上流側に引っ掛けて完成となる。
難航した作業もあったが、無事に通水され、設置作業が完了した。





魚道の入口は左右2カ所にある。魚道に入った魚は井桁の中を昇り、上流側へ遡上する。
魚が上ったことが確認しやすいよう、上流側との懸け橋は底板の色が変わっている。近くを通ることがあれば、遡上の様子を見ることが出来るかもしれない。

初夏にかけて、多くの魚がこの魚道を使って遡上することが望まれる。この魚道は仮設のため、秋には撤去される予定だ。




