「釣具業界の法律相談所」は、釣具業界でも起こる可能性のあるトラブルについて、弁護士の先生に聞いて見解や対処方を紹介するコーナーです。
今回は、異常な安売りをする釣具店は法的に問題ないのかについて、弁護士の先生に聞きました。
近隣に出来た釣具店が異常な安売り。仕入れ価格を下回っている物も…
弊社は大都市圏を中心に郊外型店舗も含めて10店舗の釣具店を経営する会社です。
最近、ある地域に出来た中古と新品を扱っている釣具店(A社)の異常な安売りに困っています。
弊社も多くの商品を扱っていますが、販売価格は市場の相場とほぼ同じか、若干安い程度の価格設定を行っています。
店舗の運営費用や将来のための資金が必要ですし、業界のためにも過剰な安売りは可能な限り避けたいと思っています。
しかし、当店の近くに新しく出来たA社は、明らかに販売価格の設定がおかしいと思います。
当社の仕入れは、卸業者から仕入れる ことが多く、一部の商品はメーカーから直接仕入れています。多くの商品を扱っており、定期的な調査もしていますから、仕入れ価格の相場は把握しています。
問題のA社の販売価格は、ほとんどの商品が我々が把握している仕入れ価格と同等か、仕入れ価格を明らかに下回っていると思われる商品も多数あるのです。
おそらくA社は、新品も一部は仕入れているのでしょうが、中古品として一般人から仕入れる場合や、専門の業者、あるいはメーカーから処分品等も仕入れて、激安価格で販売しているのだと思われます。
ただ、中古品が出回っていないはずの新製品まで当店の仕入れ価格を下回る価格で販売しているところを見ると、釣具の販売だけで商売が成り立っているとは考えにくいです。
調べるとA社は別の事業(不動産業)を行っており、その事業は利益も大きく、不動産業で得た利益が、釣具の安売りの原資になっているのではないか、と推測しています。
A社が出来てから半年が経ちますが、安売りはオープン時だけでなく、経常的に行われています。
そして、別の地域にある当店の近隣に2号店がオープンする予定という情報も得ました。A社は安売りで評判を集め、今では人気店となっており、この状況が続けば弊社にとっても大きな脅威となります。
そこで弁護士の先生に質問です。
まず、独占禁止法などもあるはずですが、市場と比べて著しく安い価格で販売を続けることや、仕入れ価格より安く売り続けることは法律的に問題がないのでしょうか。
他の事業で得た資金を投入して、釣具の事業は当面の間、利益がゼロか下回る状況でも構わない、という状況が続けば、当社も対応に苦慮することが予想されます。
また、A社に商品を卸している卸業者やメーカーに、A社への商品供給を考えてもらうように頼むことは、法律的に問題があるのでしょうか。過激な安売りを続けていても、決して釣り人や業界のためにもならないと思います。
ご回答、よろしくお願い致します。
※質問は全て架空の質問です。実際の釣具店等とは一切関係がありません