ワカサギ漁で活気づく河口湖漁協
河口湖のワカサギ釣りは昨シーズンから10月1日~5月15日までの7カ月半楽しめるようになった。昨シーズンから漁期が延長され、冬だけでなく秋や春も楽しめるようになった。
長年続いた不漁のため復活当初は設備投資にも慎重だったが、1基でスタートしたドーム船も今年は7基(漁協運営2基、民間5基)がフル稼働。平日でも予約が取りづらい日も多かった。
さらにワカサギの採卵にも取り組み、昨年から本格的に発眼卵の出荷を開始。
まだその量は年間で1億粒程度だが、採卵後の親魚も食品会社へ販売する流通を確保し、採捕したワカサギは無駄なく活用されている。遊漁料収入以外に漁獲による収入が加わったことで、河口湖漁協に活気が戻ってきた。
調査研究があればこその河口湖のワカサギ釣り復活。内水面の漁場を管理する漁協には、各都道府県から漁業権毎に義務放流量が設定さている。また、釣り業界団体も全国各地で放流事業に取り組んでいる。
だが、多くの漁協が赤字運営を強いられている現在、より効率よく魚を増やすためには、もっと調査研究に力を注ぐべきではないだろうか。
岡崎巧氏のプロフィール
山梨県水産技術センターに所属し、2021年3月末まで同センター忍野支所の支所長を務め、4月からは研究管理幹として本所勤務となる。
河口湖のワカサギ漁復活のための論文(プレゼン資料)を2013年にまとめ、2014年から現在に至るまでの豊漁を導く。忍野支所では2010年に西湖で再発見されたクニマスの養殖技術開発に取り組む。
またキングサーモンとニジマスの交配による「富士の介」と呼ばれる新たなご当地サーモンの普及とブランド化に取り組んでいる。
釣りは山梨県内でのワカサギ釣り、渓流釣り(ルアー・フライ)の他、アオリイカ釣り(エギング)を楽しむ。昭和42年生まれ、53歳。山梨県在住。
「河口湖におけるワカサギ不漁と動物プランクトン相の関係」
岡崎氏が中心となってまとめた論文が山梨県のホームページからpdfファイルでダウンロードできる。ワカサギの成育とプランクトンとの関係に興味がある方はぜひご一読を。
https://www.pref.yamanashi.jp/suisan-gjt/documents/jiho44_p30-44.pdf
(了)
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