明石沿岸のタコ釣りルール。漁業者、行政、釣り関係者で意見交換会。令和8年からの変更点も説明

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明石沿岸のタコ釣りルールの会議
日本釣振興会近畿地区支部事務所で開かれた打ち合わせの様子

4月14日、大阪市西区にある日釣振近畿地区支部事務所で「明石市沿岸のタコ釣りルール等の打ち合わせ」が行われた。

出席者は明石市漁業組合連合会漁場管理委員会、同遊漁船業代表者部会、兵庫県農林水産部水産漁港課、兵庫県東播磨県民局加古川農林水産振興事務所水産漁港課、日釣振近畿地区支部、同兵庫県支部、全日本釣り団体協議会、大阪釣船業協同組合。

明石のマダコ
全国的に有名な明石のタコ。シーズン中は多くの釣り人で賑わう。ただし、ルールが設定されているので、しっかりと守って釣りを楽しもう

打ち合わせでは、今年の明石市沿岸のタコ釣りルールの説明に加え、来年(令和8年)からルールが一部変更されるため、その変更点も踏まえた説明と意見交換が行われた。また、明石市漁業組合連合会遊漁船部会が行うタコマイレージについての進捗報告等も行われた。

明石沿岸のタコ釣りルール
2025年版の明石沿岸のタコ釣りルール
明石沿岸のタコ釣りルール
タコの漁獲量推移にも注目。ここ3年は回復傾向にあるが、以前に比べて大幅に減少したままとなっている

まず、今年のタコ釣りルールは昨年同様で、変更点はない。このルールは平成28年から、漁業者(遊漁船業者)、行政、釣り界(釣りの企業や釣り人の団体等)の関係者が協力して策定し、運用してきたルールで、明石市沿岸のタコの資源保護や回復に貢献してきた。

そもそも、遊漁者は共同漁業権区域内でタコを釣る事は出来ない。通常は密漁となり、罰せられる可能性が高いので注意が必要だ。

しかし、タコ釣りのメッカである明石市沿岸では、明石市漁業組合連合会(以下、明石市漁連)が取り組むタコの保護・増殖活動に賛同し、ルールを守る人のみタコ釣りが出来るようになっている。ルールに従わず、タコを釣ると密漁となり罰せられる事がある。

明石市沿岸で釣りを楽しむルール

 「船舶でのルール」
 ・マダコを採捕出来る期間:12月1日~4月30日
 ・マダコのサイズ制限:体重100g以下は採捕不可
 ・マダコ釣りの制限:1人あたり10パイまで。使用するタコエギは2個まで
 ・稚魚育成場内:漁業者も含め、水産動植物の採捕は一切不可

 「陸域からのルール」
 ・マダコのサイズ制限:体重100g以下は採捕不可
 ※遊漁船業によるものも含む
 ※チラシ上の地図の青色で囲まれた範囲内(第1種共同漁業権)
 ※明石市漁連の会員漁協、播磨町、東播磨、高砂漁協の組合員を除く

令和8年からルールを一部変更。採捕出来る期間、時間とも短縮

そして、令和8年から、上記のルールが一部変更となる。

具体的にはマダコを採捕出来る期間が1カ月短縮され、12月1日~3月31日までとなる。またマダコを採捕できる時間も午前5時から正午までとなり、期間、時間とも短縮となる。ほか、陸域から釣りを楽しむルールについても、船舶を使用して釣りを楽しむルールと同様になる。

この変更については、明石市漁連の漁場管理委員会において、タコの資源が以前に比べて大幅に減少している事を問題視しており、同遊漁船部会にもタコの資源保護活動の強化を要請している。遊漁船部会においては、タコマイレージを行い、マダコの放流に加え、二枚貝の放流や、漁業者と協力して産卵用タコつぼを投入するなど、タコの資源保護に対して積極的に取り組んでいる。

明石沿岸のスダレ貝放流の様子
明石市漁連遊漁船部会によるスダレ貝の放流の様子(写真提供:明石市漁連)

そのため、一般のプレジャーボート等に対しても、遊漁船部会で取り組んでいるタコの資源保護も強化されているため、資源保護や回復に向けて協力してもらうべきではないか。こういった事が遊漁船部会と漁場管理委員会で話し合われ、今年からではなく令和8年からルールを一部変更する事を決定。今年は事前告知を行う事となった。

今回の意見交換会全体を通して、釣り界側からは「そもそもマダコを採捕出来る期間」という表記の仕方が分かりにくいのではないか。陸域はどこからどこまでなのか。分かりやすい地図を釣具店等に置いてもらうのが良いのではないか。マダコを採捕出来る時間は何時から正午までなのか、などルールについて様々な質疑応答や意見交換が行われた。

明石市のタコの漁獲量は令和3年から3年連続でわずかながら回復している。しかし、10年ほど前の水準には遠く及ばないほど減少している。「ここで油断せず、さらに資源保護に取り組みたい」として、明石市漁連では遊漁者にも協力が求められている。

タコマイレージにも引き続き協力を!

タコマイレージのチラシ
タコマイレージのチラシ
タコマイレージのチラシ
タコマイレージ導入船。たくさん釣れたら資源保護のため、ぜひ放流用に提供しよう

また、タコマイレージについては、令和6年の実績として協力者は延べ4000人、放流マダコは2万1409ハイとなった実績が報告された。若い人を中心に自主的にリリースする釣り人もおり、タコの資源保護の取り組みは一定の理解を得ていると説明された。

遊漁者側は今後もルールを守りながら、タコ釣りが長く楽しめる環境を漁業者や行政とも協力しながら構築していく必要がある。

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