7月15日、東京湾遊漁船業協同組合(飯島正宏理事長)は、東京湾奥の羽田沖浅場に、マコガレイの稚魚1万尾を放流した。
同組合は、2017年4月に、初めてカレイの稚魚1万尾を羽田沖に放流した。
それ以来、毎年放流事業の一環として実施しており、今回が4回目の放流となった。
今回、大森の「まる八」桟橋にトラックで運ばれてきたカレイの稚魚は、山口県の下松市栽培漁業センターで生産された種苗だ。
このカレイの稚魚は、(公財)神奈川県栽培漁業協会を通じて入手したもので、体長は4―7㎝だった。
カレイの稚魚は、同組合の青年部を中心とした組合員によってバケツに移され、午前9時過ぎ、羽田沖浅場に運ばれ、放流が実施された。
江戸前の釣り、復活を目指して
東京湾のマコガレイは、江戸前のカレイとして古くから人気があり、冬場のカレイ釣りは、風物詩でもあったが、残念なことに釣り場が次々に埋め立てられ、産卵場所も少なくなり、近年絶対数が激減している。
また、約10年ほど前から、乗合船の出船もほとんどなくなってしまった。同組合ではカレイに限らず、ハゼ、シロギス、アナゴなど江戸前の釣りの復活を目指して長年活動を行ってきており、そうした魚種の放流も課題となっているが、江戸前を代表する魚種のなかで、種苗が入手できるのは今のところカレイだけで、そのカレイの種苗確保についても毎年苦労している状況だ。
飯島正宏理事長は、「マコガレイは、東京湾で激減した魚種の代表格。組合としては、今後も種苗が手に入れば、放流を毎年続けていきたい」としている。
今回、放流したカレイの稚魚は3―4㎝。成長はゆっくりで、20㎝を超えるまで3年ほどかかる。同組合による最初の放流から4年が経過しており、そろそろ釣りごろに育ったカレイもいるはずなのだが…。
東京湾遊漁船業協同組合 http://www.tokyowan-yugyosen.or.jp/