アユルアーは7ー9月がハイシーズンとなる。アユルアーを楽しんでいる人の中には「どのように釣ればよいか分からない」、「今よりもっと釣れる方法を知りたい」と思っている人も多いのではないだろうか。
そこで、今回はDUOの萩原トオルさんに、三重県屈指のアユ釣り河川である大内山川(おおうちやまがわ)でアユルアーの釣りを披露してもらった。結果はなんと、友釣りも含めて当日の大内山川で竿頭の釣果。萩原さんはどのような釣りをしたのか、ぜひご一読下さい。
三重県の大内山川は今年(2024年)からアユルアー開放エリアを大幅拡大!
大内山川は毎年多くの友釣り師で賑わう、三重県を代表するアユ釣り河川の1つだ。その大内山川で今年からアユルアーが楽しめるようになった。当初は大内山川支流の三ケ野川だけだったが、6月14日より本川である大内山川でもアユルアーが解禁された。アユルアーを楽しむ人から大注目の釣り場となっている。
大内山川に限った話ではないが、アユルアーをする場合、ルアーでアユ釣りをして良い河川かどうか、エリアは限定されているかどうか、掛け針のルール等をホームページで確認し、不明な点があれば、直接各漁協に確認してからアユルアーを楽しもう。
取材前日は全国的な大雨。各地の河川は大増水と濁り。しかし大内山川は…
取材を行ったのは6月19日。前日の18日は西日本、東日本の広い範囲で大雨となった。大内山川でも前日未明から昼までは大雨となり、増水と濁りで釣りが出来る状態ではなかった。
しかし、大内山川は濁りが抜けやすく、水位も戻りやすい。大雨からの回復が早い川としても知られている。19日の朝には水位はプラス50㎝となっていたが、濁りも収まりつつあり、アユルアーも出来る状態になっていた。
午前10時より大内山川の中流域で釣りスタート!
当日は午前8時に大内山漁協に集合し、漁協で色々と情報収集を行った。そして、最初に入るポイントは大内山川の中流域、「ひこ瀬」と呼ばれるエリアに決定。ここは最近アユの友釣り師が入っていないという情報に加え、深場や瀬など様々なポイントがあるので増水の影響も少なく、この一帯を行き来するアユも多いはずという理由で選択した。
道具の撮影なども行い、午前10時頃にいよいよスタートフィッシングとなった。
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当日の状況としては、決して良いコンディションではなかった。前日までの大雨の影響で増水し、水温も通常より3~4度下がっており、アユの活性も低そうだ。そのような状況を萩原さんはどう攻略するのか。一通り川の状況を確認した萩原さんは、1つのルアーを手にした。
萩原さんが最初に選んだのは「流鮎ディープ」の「煽り鮎」という派手系のカラーだ。「流鮎ディープ」を選択したのは、水量が多く流れが強いため、ショートリップのアユルアーでは底が攻めにくいからだ。また薄く濁りが入っているため、視認性の高いカラーを選択した。
朝は流心を外した筋を攻め、水温が上がってから流心を攻略
まず、萩原さんは瀬や流心ではなく、流心から少し外れた流れのやや強い筋を攻めていく。川を下りながら、同じ筋を攻めていった。すると…!
釣りを始めて約20分で早速1尾目が掛かった。慎重に取り込み見事にネットイン。シーズン序盤らしく小型のアユだったが、幸先の良いスタートとなった。同じ攻め方で掛かるアユがいるのか、川を下りながら同じ筋を攻めていった。
しかし、1尾目が釣れた流れの筋で連発とはいかなった。萩原さんも川底を観察しながら釣りをするが、群れアユや石に付いているアユも確認できず、アユの活性はまだ低いと判断した。そして、本命は流心にいそうだがそれは残しておこうと考えた。水温がもっと上がってから攻めた方が掛かる確率も高いからだ。こういった判断は重要だ。
萩原さんは流れの強い場所や緩い場所などいろいろなポイントを探りながら川を下っていく。
途中、「流鮎ディープ」と「流鮎バイブ」を水深によって使い分けていた。
下流にある段々瀬に入ると、大きな石にアユのハミ跡も付いており、近くに深場もあり、いかにも魚が溜まっていそうなポイントを発見した。
「流鮎DEEP」がアユの付いた石の回りをウロウロ…!段々瀬で入れ掛かり!
流れも強いため、引き続き「流鮎ディープ」で魚の溜まっていそうな石の回りにルアーを行き来させると「ゴンッ!」と気持ち良いアタリが出た。縄張りアユが掛かってきた。
その後も「流鮎ディープ」で連発が続いた。結局、この場所で5尾の入れ掛かりとなった。流れの強さや水深で、適切なルアーを選ぶ事もアユルアーで釣果を上げるために重要だ。
釣りを始めてから約2時間、正午までに6尾をキャッチした。当日の状況を考えると上々の釣果だ。
ここで、監視に回ってきた漁協スタッフに話を聞くと、他のポイントで釣っている友釣りの人は釣れていないという。一般的にアユルアーは友釣りより釣れないと言われるが、この日はアユルアーの方が釣果が上回っていた。
上流側へ大きく場所移動。本命の瀬や流心攻めでついに…
萩原さんは段々瀬の下流まで攻めた後、大きく上流側に移動し、今度は深場やトロ場も狙ってみた。しかし、アユの姿は見られるが、ルアーにアタックしてくるアユはいなかった。
そこで、川を下りながら、今度は本命の瀬や流心を攻めていく。
萩原さんは川を切るように下流に向かって斜めにルアーをキャストし、引いてくる。時には流れに対して横向きにキャストをする。石の回りで止める時間も短い。ルアーを動かし続ける攻め方だ。また、キャストは最大でも20mだ。サイドハンドでキャストし、近距離の石を狙い、流れの中を引いてくる。
石が見えない場所までロングキャストをする必要はない。ロングキャストは掛かったとしても、魚がバレる事も多くオススメしないそうだ。
使っているルアーは「流鮎ディープ」だ。底に石があれば、激しい流れの中でもルアーが落ち着く場所が出来る。いろいろな角度からルアーを通して、石の場所や流れの強弱を確認しながら、アユが付いていそうな場所を探していく。
すると、今までで一番の強いアタリが出た。萩原さんも「アユか?ウグイか?」と迷うほど強く重い引きだ。
そして、ついにネットに入れたのは、20㎝を超える良型のアユだ。良いコケを食べているのか体色も黄色い。萩原さんが狙っていたアユだ。瀬など強い流れの中には、こういった強い個体が付いている事が多い。大雨の翌日で状況も良くない中、会心の1尾となった。
「流鮎VIB」で攻めて更に良型を追加!
その後、川を下りながら流心の脇を流れる強い流れの筋を攻めていった。ルアーも「流鮎バイブ」に変更した。流れが強い場所で、ある程度浅ければ「流鮎バイブ」が使いやすく、一定以上深くなると「流鮎ディープ」が使いやすくなるそうだ。
そしてやや浅い場所を「流鮎バイブ」で攻めているとドンッ!と良いアタリがあった。
この後も、アユを掛けて更に追加していき、夕方に終了となった。結果的には22㎝頭に11尾。後で漁協に聞くと、当日の大内山川でトップ釣果と会心の釣行となった。途中、ネットイン間際のバラシ等もあったので、これ以上の釣果も望めた。
1日の動きの組み立ても大切。水の流れや水深に合わせて適切なルアーを投入
当日、萩原さんは早朝にザっと全域を見て回り、漁協から情報も聞いて大まかに狙う場所を選んだ。実際に釣りをはじめ、状況を確認しながら良型が付いていそうな流心などは水温が上がる昼以降に残していた。それぞれの場所で、流れの強さや水深に合わせて適切なルアーとカラーをチョイスした。特に「流鮎ディープ」と「流鮎バイブ」というルアーセレクトが完全に合っていた事が好釣果を出せた大きな要因だ。アユルアーで釣果を伸ばす際、こうった1日の動きを組み立てる事も重要で、楽しさも増えるはずだ。
7月から9月のハイシーズンは、さらに釣果が見込める。良型の入れ掛かりもあり得える。しっかりと戦略を立てながら、大内山川でアユルアーの腕を磨いてみてはどうだろうか?
当日の萩原さんのタックル
ロッド:翠流10.6
リール:カルカッタコンクエストBFS HG LEFT
ライン:PE0.4号 + フロロ6lbを2ヒロ
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