北九州市の秋の風物詩「紫川・市民ハゼ釣り大会」。都会のオアシス・紫川に400人!20㎝の大型も釣れ、大人気の大会

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「九州リポート福岡発!」は、全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。

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第21回の今回は、北九州市小倉北区の紫川で毎年秋に行われる「紫川・市民ハゼ釣り大会」をご紹介します。

北九州市が主催し、公益財団法人日本釣振興会九州地区支部、同福岡県支部、全日本サーフキャスティング連盟北九州協会、公益財団法人タカミヤ・マリバー環境保護財団、全九州釣ライター協会(順不同)などが後援しているこの大会は、2023年11月12日に第28回を迎えました。

紫川は同市小倉南区の福知山を源とする長さ21.3kmの2級河川で、小倉北区の中心市街地を貫いて響灘へと注いでいます。高度成長期には工場排水や生活雑排水などの汚水が川に流れ込んで水質が悪化し、「紫ではなく黒い川」だと揶揄されたものです。

官民一体の活動で大きく変わる紫川

全国的にも環境が悪化していた1971年(昭和46年)、水質汚濁防止法施行により公害の町・北九州市は、環境改善に取り組むことになります。

同市は1988年(同63年)に「北九州市ルネッサンス構想」を策定し、テーマである「水辺と緑とふれあいの国際テクノロジー都市へ」の環境改革を推し進めます。

続く1990年(平成2年)から始めた「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」では、小倉北区の都市部の安全な川づくりと周辺環境を整備。

1993年(同5年)11月に設立された「財団法人タカミヤ・マリバー環境保護財団」(髙宮俊諦理事長)=現・公益財団法人=は主要事業として毎年、紫川へのアユの放流や河川環境の保全、水生生物の保護・育成など生活環境の向上と市民福祉の増強に寄与する活動を続けています。

また、地域住民が主体となって行うアユの放流と河川の清掃は「M-CAP連絡協議会」(福丸清生会長)が主催し、タカミヤ・マリバー環境保護財団と北九州市が共催、福岡県が協力しています。

このように官民一体となった治水整備や浄化活動などにより、紫川の水質は大きく改善されました。

歴史ある「紫川・市民ハゼ釣り大会」。昨年からは市外からの参加も歓迎

「紫川・市民ハゼ釣り大会」の会場
「紫川・市民ハゼ釣り大会」の会場。足場が良く家族連れも安心できる

末吉興一元北九州市長(5期、20年)の時代、市民に紫川を身近に感じて親しみを持ってもらうため、「紫川・ハゼ釣り大会」の第1回大会が開催されました。続く北橋健治前北九州市長(4期、16年)の時代を経て、2023年2月に就任した武内和久市長まで一貫して継続されている歴史ある大会です。

釣り会場として足場が良く、20㎝前後の大型ハゼが多く検量されることで人気です。過去700名を上回る参加がありました。

紫川で釣ったハゼ
紫川ではこのような良型のハゼが釣れる

審査委員長を務める全日本サーフキャスティング連盟北九州協会の中島康彦協会長は、「昔のハゼは黒色でしたが、現在では飴色をした美味しそうな魚体に変わっています。きれいな紫川でぜひハゼ釣りを楽しんでください」と呼びかけています。

第27回大会に初参加した西川信太郎さん(北九州市)家族5人は、釣ったハゼを自宅で天ぷらにして食したところ、「あまりの美味しさに驚いた」そうです。続く第28回大会もリピーターとなって早朝から本気モードで参加し、豊漁を喜びました。

第27回大会に初参加した西川信太郎さん(後列の右)家族
第27回大会に初参加した西川信太郎さん(後列の右)家族

「北九州市の秋の風物詩」としてすっかり定着しましたが、第27回大会(参加414名)までは参加資格が市内在住者または市内への通学・通勤者限定でした。

市外から参加の熱望を受け、第28回大会(参加423名)からは「釣りのマナーを守れる方はどなたでも参加できる」大会となり、ようやく「全国区大会」へと進展しました。

第28回大会の各部門入賞者と武内市長、中島審査委員長
第28回大会の各部門入賞者と武内市長(写真前列の左から4番目)、中島審査委員長(同3番目)

文豪・森鴎外に因んで名付けられた「鴎外橋」が架かる左岸には親水性豊かな水辺空間として「洲浜ひろば」や「紫川親水広場」が施工され、市の中心部に憩いの場としての水辺環境が創設されています。

風光明媚で都心のオアシスとも呼べる紫川に全国から参加者が集って1000人規模の大会となり、さらに賑わうことを期待しています。

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