ウォータセーフティガイド(釣り編)の活用を!海上保安庁が事故状況交え説明。釣り人に注意喚起

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海上保安庁が運営するウォーターセーフティガイド。釣り編もぜひチェックをして安全に釣りを楽しもう

秋の釣りシーズンを迎え海上保安庁より「安全対策に関する説明会」が去る10月16日(木)、東京都中央区八丁堀にある一般社団法人日本釣用品工業会会議室において行われた。

これは、海上保安庁交通部安全対策課より本格的な釣りシーズンを迎えるにあたり、釣り(堤防、岸壁、磯などの海釣り)に関する安全対策の一環として行われたものだ。

海上保安庁からの出席は交通部・安全対策課・海難防止対策官の永田誠一郎氏、同・安全対策課・マリンレジャー安全対策係長の岡田桂一氏、同マリンレジャー・安全対策係の田口遥氏の3名。

日本釣用品工業会からは谷剛氏、山田晃平氏、そして高階救命具の友繁淳史取締役の3名となった。今回は安全対策課が2024年までの海難の調査結果をもとに、釣りの事故傾向と安全対策の取り組みについて説明することを目的としている。

海上保安庁と日本釣用品工業会の役員、委員
当日の出席者

定刻の14時に谷氏より挨拶があり、永田氏より担当者と自身の紹介、安全対策課はどういった海難が起きているか調査・分析し、どのように海難事故を防止していくか対策を検討の上、実行していくのが業務であるという説明を行った。

また、永田氏からは、海難と言っても様々な種類がある中、釣りの愛好者は約500万人とされ、最も人気のあるマリンレジャーであるため、海難防止の観点からも極めて重要な分野であるとの説明があった。

過去5年の海難事故の状況を説明

2020年から2024年にかけての海難の概要は以下の通り。

まず海難とは、大きく分けて「船舶事故」と「人身事故」に分類され、そのうち「人身事故」は海中転落や負傷、岩場などから帰れなくなる帰還不能等があり、釣りの事故は陸からの人身事故にあたる。

過去5年の釣り中の事故では陸上から海中に落ちる「海中転落」が約77%で、次いで潮の干満などの影響による「帰還不能」、転倒等による負傷等が発生している。

これら事故の原因は、釣り場周辺の環境に対して注意を怠ったことによる「周辺環境に対する不注意」、釣り中の考え事や脇見等による「実施中の活動に対する不注意」、気象、海象に対する判断の誤りや無関心等による「気象海象不注意」などが挙げられる。

ライフジャケットの着用者の生存率は約72%

またライフジャケットの着用状況について、生存率でみると非着用者は約58%に対して着用者は約72%。ライフジャケット着用の重要性がうかがえる。さらに2024年、釣り中の海中転落者は180名であったが、そのうちの死亡・行方不明者は68名、そのうち8割超の58名がライジャケ非着用となっており、ライフジャケット非着用の危険性を示している。

このほか事故発生においての、死者行方不明者を比較すると複数人数での釣行では約17%であり、単独行動では48%となっており複数行動の重要性が伺えること、釣り場別では防波堤、岸壁での転落事故が最も多く、次いで岩場となっていることなどがデータと共に説明された。

こうした事故を防ぐ上で、単独行動をしない、体調を管理する、第三者に計画を伝えておく、立ち入り禁止区域には入らない、気象海象を確認する、ライフジャケットや滑らない靴を着用する、他の海域利用者に注意を払う、ルールとマナーを守るなど重要な注意点について解説された。

単独釣行は出来るだけ避ける

ライフジャケットの着用が必須であることは言うまでも無いが、単独釣行は事故発生時の通報が出来ない可能性が高いことから、遭難者の発見が遅れるため、重大な事故に繋がるケースが多いという。

海上保安庁では安全対策の取り組みとして、HP上でウォーターセーフティガイドを公開している。これは釣りやミニボート、SUPといった8つのマリンレジャーに関して適切な情報や問題発生時の解決策、必要な装備などについて取りまとめた総合安全ウェブサイトで、海上保安庁として特に力を入れているコンテンツとなっている。

関連ページ → ウォーターセーフティガイド

このほか海上保安庁では、釣人に対しての声掛けやリーフレット配布などの実施とライフジャケットの着用、気象海象の確認等の現場指導を実施、また、現場指導を行う「マリンレジャー海難防止指導官」を養成する指導官研修を実施するほか、SNSでの情報発信、直近では10月7日に秋の釣りシーズンに向けた事故防止に関する内容をXとインスタグラムに投稿している。

更には釣り人の事故発生場所を海洋状況表示システム(海しる)で可視化した「釣りの事故マップ」を公開している、などの説明があった。

最後に永田氏から、「マリンレジャーは国民の幸福のためになくてはならないもので、更なる発展を希望している。海上保安庁としてもマリンレジャーの更なる発展と関わる方々の安全の確保に尽力したい」との結びの言葉があった。

近年、堤防や岸壁の一部への立ち入り禁止措置が多く見られるようになっているが、釣り人による海難事故もその要因の1つになっている。

海難事故防止に向けて、釣り業界からだけでなく海上保安庁からの情報も活用することが重要であり、今後釣りの一層の普及を図っていく上で、非常に重要な説明会となった。

関連記事 → 【日本釣用品工業会】JBWSSでライフジャケットの取り組みを紹介 | 釣具新聞 | 釣具業界の業界紙 | 公式ニュースサイト

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