【知ってますか?】信頼できるライフジャケット。「浮力」の基準は何を浮かすため?

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前回までは、ライフジャケットの着用義務拡大や違反点数について、また、桜マークやC‌Sマークのライフジャケットの認証の手順や試験内容について解説した。

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今回は、ライフジャケットの国際規格について、また、日本の国家基準がどういう方法で決められてきたのか、背景と併せて紹介する。

さらに、ライフジャケットの一番重要な要素の1つである「浮力」についても解説する。

ライフジャケットの国際規格や国家基準はどのように決められた?

タイタニック号
1914年、タイタニック号沈没を受けてソーラス条約が締結され、日本でライフジャケットが普及するキッカケになった
(出典:高階救命器具公式ホームページ)

日本におけるライフジャケットの歴史は古く、日本でライフジャケットの普及や認証制度が開始されたのは、1912年のタイタニック号沈没を受けて締結されたソーラス条約(1914年締結・1933年発効)がキッカケである。

ソーラス条約で船舶の法廷備品などの取り決めがあり、日本でもライフジャケットの普及や認証制度が開始された。

その後、国際規格に関しては、初の国際規格として2006年に「ISO12402」(以下、ISO規格)が発効。この規格作りは、将来的に北米とヨーロッパが相互承認をすることを目指してスタートした。これには北米とヨーロッパに加えて日本も参加している。

もとより、それぞれの国の海域・水温・自然災害・水難事故などの事情は異なっているため、国によって求められる安全基準は異なっている。そのため、各国の安全基準はISO規格をベースに、その国に合うようそれぞれカスタマイズされ決められている。

ISO規格の発効後、日本では元々独自の国家基準があったため、ISO規格から取捨選択された上で国家基準が決められている。

日本のライフジャケットの国家基準

日本の国家基準におけるライフジャケットは、主に大型船舶で用いられる「ソーラス型救命胴衣」をはじめ、「作業用救命衣」、「小型船舶用救命胴衣」、「小型船舶用浮力補助具」に分けられる。

主に釣りで使われるのは「小型船舶用救命胴衣」で、大人用(体重40㎏以上)は7.5㎏以上、小児用(体重15~40㎏)は5㎏以上、幼児用(体重15㎏未満)は4㎏以上の浮力が求められる。ほか、小型船舶用救命胴衣においては、無意識に落水した時に自動でひっくり返る「自己復正性能」は幼児用のみ求められる。

また、荷重強度では、大人用2000N(約204㎏)、子供用1300N(約132㎏)を満たしている必要がある。

これら以外にも、環境試験、性能試験、材料試験など、ISO規格から取り入れた多くの試験項目がある。

頭を水面上に浮かすための浮力。いろいろな状況でも対応できる7.5㎏以上

訓練でライフジャケットを付けた人が水面で浮いている様子
ライフジャケットは落水者の頭を浮かすため必要な浮力を有している事が求められる(写真は訓練の様子)

日本の国家基準では、大人用の小型船舶用救命胴衣の浮力は「7.5㎏以上」である。これは、ISO規格には存在しない基準である。この浮力の基準は、どう決められているのだろうか?

人間の比重は、個人差はあるが真水に対してほぼ1対1になるため、ライフジャケットの役割としては、水面上に出したい頭の重量を浮力で補う必要がある。例えば、大人の場合、水面上に頭を出すためには、3.18㎏~5.44㎏の浮力が必要とされている。

ISO規格や日本の国家基準では、大人用の浮力の最低基準は50N(5.85㎏)となっており、この浮力は泳げる人の着用が前提とされている。

波の無い理想的な環境であればこの基準でも問題ないと思われるが、波が高い時やサラシが多く発生している時は、より高い浮力が求められる。

筋肉質で脂肪率の低い人は沈みやすい?

波高が高いと体が上下運動するため波を被りやすくなる。また、サラシなどの空気を多く含む水は、通常の水より沈みやすくなる。そのほかにも、筋肉質で脂肪率の低い人は比重が大きいため 、より大きい浮力が必要となる。水温によっても沈みやすさが変わってくるため、求められる浮力は変わってくる。

これらのことから、日本の国家基準においては、釣りでよく使われている「小型船舶用救命胴衣」の大人用では、あらゆる環境に対応できるようにISO規格や日本の国家基準の最低基準よりも少し高い7.5㎏以上の浮力が設定されている。

ライフジャケットの浮力試験の様子
ライフジャケットの浮力試験の様子。ライフジャケットを購入する時は浮力表示も見てみよう!

以上の様に、国家基準の浮力は、水に対する比重や水面上に浮かしたい頭の重量を考慮した上で決められている。

釣り人もライフジャケットを購入する際には、浮力表示を確認して購入して欲しい。また、販売店側も、ライフジャケットを仕入れる際や釣り人に薦める際には、正しい知識が求められる。

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