【第18回】干潟再生で期待される河川環境の改善~大阪万博に向けて進む淀川下流域の整備~

スペシャル ニュース

水辺の自然と触れ合う石干見体験

石干見づくりの参加者たち
石干見づくりの参加者たち。子どもたちには干潟の役割や河川環境を学ぶ良い機会になった

世界の多くの地域で有史以前から行われてきた人類最古の漁具、漁法とも言われる石干見(いしひび)

干潟に石垣を築き、潮の満ち引きを利用して魚介類を採捕するその古来の漁を体験するイベントが行われた。

場所は海老江地区で、淀川大橋(国道2号線)の左岸下流側だ。

主催は竹門先生が代表を務める「京の川の恵みを活かす会」で、大阪市漁協の協力のもと、JOFI奈良やヒューマンフィッシングカレッジの先生や学生、日本釣振興会のメンバーも応援に駆け付けた。

竹門先生は市民、特に子どもたちに淀川の生き物や河川環境に興味を持ってもらえればとこのイベントを企画。「万博のときに世界各地から大阪にやってくる子どもたちにも石干見漁を体験してもらう」という構想も温めている。

かつて高度成長期の日本がそうであったように、大切な自然を失いかけている発展途上国は少なくはない。万博へ向けて自然と融合した大都市をPRすることで、水都大阪の魅力がさらに高まりそうだ。

◇第1回・6月26日:石垣づくり作業
地元の小中学校が実施している海遊館連携授業にもこの石干見漁体験が組み込まれ、初回は60名の子どもたちや大阪市職員も含め、総勢80名が参加。河川敷にある石を利用して石垣づくりに励んだ。

石干見(いしひび)作りの様子
isi第1回の参加者たち。子どもたちも泥だらけになりながら一生懸命に石を運んでいた

魚は潮が満ちてくると摂餌場となる浅瀬へ移動し、石垣よりも岸側に入り込む。石垣には引き潮時に魚が沖へ移動できるように魚道(出口)を開けておいた。

アールのポーズをとる竹門康弘先生
アールのポーズをとる竹門康弘先生。引き潮時に魚が沖へ移動する際、魚が中央の魚道に集まりやすいように石垣をアール形状に築いた

第1回目の作業は石垣を積み上げたところで終了。石裏や潮だまりにはさまざまな生物が生息し、その多さに驚く参加者も多かった。

◇第2回・7月24日:漁網設置と漁獲
石垣を築いて1カ月後の大潮の日に、魚が沖へ移動する時の魚道を塞ぐように漁網を設置し、潮が引き切るのを待った。

石干見の魚道と設置した網
石垣の中央付近に魚道を設けて網を仕掛ける

まだまだ石垣に隙間も多く、高さもないため心配されたが、見ごとハゼ類(マハゼ・ウロハゼ・ヌマチチブ)などが網に入っていた。大成功である。

獲れたハゼ類
これが淀川石干見の初漁獲! 大きなハゼはウロハゼ

より高く隙間をなくすように石垣を積み上げれば、スズキやクロダイなどの大型魚の捕獲もできそうで、漁獲量は増えていきそうだ。

毎年少しずつ石を積み増し、石垣を立派に育てていくことも石干見漁の楽しみで、夏から秋の淀川の恒例イベントになりそうだ。

8月に予定していた第3回は大水が出て中止になったが、今後は石干見で漁獲した食材で調理にもチャレンジしていく。

次ページ → 淀川舟運が水都大阪の新たなシンボルに…!25年の大阪万博へ向けて

2 / 3
前へ 次へ

関連記事

【サンライン】釣具業界初、スプールに環境負荷を軽減する「LIMEX」素材を採用。秋以降順次リリース

「未来に資源を残したい!」福井県の人気釣り場でヒラメの稚魚放流【フィッシング遊】

【ダイワ】「枯法師」七代目が登場。全尺すべてが渾身の1本

【ダイワ】「#go_fishing SS(スターティングセット)」ライン付き、収納バッグ付きでそのまま釣り場へGO!

日本釣振興会静岡県支部が「水辺感謝の日」清掃。広野海岸公園・用宗漁港で実施。富士工業、ジャクソン、デュオ等が参加

黒鯛(チヌ)の落し込み初心者講習会が尼崎で開催!楽しい大会もアリ【大島製作所】

【マルキユー】「ライトへらバッグ PA-06セット」おしゃれなへらバッグ&ロッドケースのセット。機能性も抜群!

【がまかつ】「桜幻 シリコンネクタイ(極細シリーズ)」水流をとらえる極薄タイラバ用ネクタイ