2018年より国土交通省では(公財)日本釣振興会と連携して、既存の港湾施設を利活用して地方創生に取り組む事業を行っている。そして2019 年に「釣り文化振興モデル港」の制度が設けられ13港が指定。現在(2021年5月現在)は16港まで増えている。今回、初の「モデル港全国会議」が開催され、モデル港間での情報共有や意見交換が行われた。
多くの人が安心・安全で楽しめる釣り場を増やす事は、釣り界にとっても非常に重要な課題であり、今後もモデル港の取り組みは釣り界を挙げて協力すべき事業だ。(※本記事は釣具新聞2021年1月5日付号に掲載の記事。記事中の日付・内容等を一部修正)
2020年12月9日、国土交通省港湾局と(公財)日本釣振興会共催による「釣り文化振興モデル港全国会議」が、東京都中央区八丁堀にある日本フィッシング会館8階会議室とオンラインを使って開催された。
この会議には国交省港湾局担当者、日釣振水際線有効活用委員会委員、水産庁釣人専門官等、合計12名が出席。また全国のモデル港の担当者、日本釣振興会理事他関係者ら45名もリモート参加した。
冒頭、国交省港湾局海洋・環境課港湾環境政策室の白井正興室長より以下要旨の挨拶が述べられた。
「釣り文化振興モデル港は日本釣振興会(以下、日釣振)の協力も頂き現在16港が指定されており、今回日釣振と共催で初めての全国会議を開催することになりました。コロナ禍においてアウトドア活動が注目され、釣りもその1つとして関心が集まり、我々の取り組みの追い風となっています。
一方で釣り人が増え、ゴミや駐車場のマナー問題、安全管理の問題等が起きています。本日先進事例として4港の紹介をしていただきますが、モデル港として指定されたものの、協議会の運営、釣り場としての経営上の採算、安全管理体制、地元住民や行政との調整等様々な課題があると思いますので、活発な意見交換をお願いします」。
続いて日釣振の髙宮俊諦会長より以下要旨の挨拶が述べられた。
「本日、国交省と日釣振共催で、第1回釣り文化振興モデル港全国会議が開催されたことをうれしく、また有難く思っています。既存の港湾施設を釣り場として利活用することで地方創生につなげていこうという主旨で、港湾局と日釣振は永年にわたり協議を続けてまいりました。港湾局の歴代の担当者が全国を回り、開放に向けてスピード感のある対応をして頂いたこと、またこうした会議を開催して頂き感謝を申し上げます。
2020年日経MJヒット商品番付には、釣りを含むアウトドアが関脇にランクインされました。コロナの影響で3密を避けられる釣りの楽しさ魅力により釣り人口も増え、釣り界も活性化されました。この一つの理由として釣り文化振興モデル港による釣り振興に取り組んで頂いた国交省のおかげと思っています。
釣り人が増えマナーが問題になっていますが、今後、水産庁と漁港の活用について意見交換会も予定されておりますので、関係者と連携して地域の活性化とともにマナー向上のためのルール作りができればと思っています」。
続いてモデル港の先行事例として、新潟県直江津港、北九州港、静岡県熱海港、秋田港の開放に至るまでの経過や開放後の実績等についての報告が行われた。
その後各モデル港での取り組みの進捗状況、課題等について情報交換が行われた。
最後に日釣振水際線有効活用委員会の岡田信義委員長より「我々委員会はモデル港の釣り場開放が地域創生の一助になり、釣り人が安全、安心して釣りができる環境づくりのお手伝いをさせて頂きます」との挨拶があり会議は終了した。
【提供:日本釣振興会・編集:釣具新聞】
関連記事 → 秋田港北防波堤が釣り場として開放。良型クロダイ、マダイ、青物など釣果も上々。安全に管理された釣り場で地域振興にも貢献