【RGM】ルースターギアマーケット。ジャッカルが提案する新しい釣りの切り口

スペシャル ニュース
「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)のチームメンバー

RGMチームに質問。バッググラウンドも様々なメンバーで多様な価値観を持ち寄る

 ―続いてRGMチームの方にお聞きします。苅谷さんはアウトドアメーカーに勤めておられたそうですが、アウトドアメーカーから見て釣りはどのように見ておられるのでしょうか。

 苅谷氏「数年前からフィッシングベストやフィッシングのスタイルがファッション業界で注目され、潜在的に釣りをやってみたいという人は非常に多いです。こういった背景もあって、ファッション感度の高い方、アウトドアを楽しむ方の中にも、釣りに目を向けている人は非常に多いと感じています。

 私はアウトドアファンや、アウトドア・スポーツショップのバイヤーさんに、釣りの楽しさを伝える、いわば草の根的な活動から始めました。少しずつ有力なアウトドアショップさんやセレクトショップさんなど、釣具屋さん以外のショップでもRGMの取り扱いを始めて頂いています。釣り人はもちろんアウトドアファンの方からも評価がすごく高いです」

「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
釣具店以外でもRGMを取り扱うショップは増えている

 ―北さんはジャッカルの動画制作を担当しておられたという事ですが、RGMではどのような事をしたいと考えていますか?

 北氏「以前はバスフィッシングでいかにカッコいい映像を撮るかという事に専念していたのですが、仕事を続けていくうちに、今までとは違う切り口の映像も撮ってみたくなりました。バスの動画撮影は大自然の中で、絶景が拡がる場所で撮影をしている事が多いのですが、どうしても製品寄りの映像になります。

 RGMでは、魚釣りの様子も撮影するのですが、四季の感覚や身近な自然、生き物などを存分に表現でき、今までになかった映像にチャレンジ出来ています。RGMのキャッチコピーではないですが、本当に『普段とは違う目線になると、思いがけない発見をする』事が多いです。

 ただ、釣りのお客さんがターゲットであれば、どういった映像が刺さるのかが、ある程度は分かるのですが、RGMの場合はどういった映像がお客さんの心に刺さるのか、手探りの状態です。でも、それが楽しいですね」
(※下はRGMの動画。いわゆる釣り人向けの動画とは全く趣が異なる)

釣りの映像も入っているが、いわゆる釣り人向けの動画とは趣が全く異なっている

 ―堀さんはデザインを担当されているそうですが、どういった事を心掛けてデザインをされていますか?

 堀氏「言葉で説明すると難しいのですが、RGMは釣りの初心者の方と玄人の方の両方を対象としたブランドなので、初心者さんにも玄人さんにも支持されるデザインになるよう心掛けています」
 
 ―今までのジャッカル製品とは全く違ったデザインを心がけているのですか?
 
 堀氏「意識して排除しているわけではないのですが、コンセプトが全く違いますし、ターゲットとなるお客さんも違いますので、ジャッカルの商品とはまったく違った雰囲気のデザインに仕上がっていると思います」

「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
ブリキ製の「TIN CASE」。小物入れや釣り具や持ち歩きにも最適。アウトドアショップでも人気商品だ。「ジャッカル」の商品デザインとは全く異なる路線だ
「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
「パカッ!」と開けられる心地よい感触。何か懐かしい感じもする世代もいるのでは…?
「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
釣り具の小物はもちろんだが、いろいろな小物入れに便利なボックス
「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
カラーもいろいろある

釣りをしない人は、何がイヤで釣りをしないのかを明確にしておく必要がある

 ―久保さんはRGMをどのようなブランドにしていきたいと思っていますか?
 
 久保氏「まずは、釣りに対して潜在的に興味を持たれている方が、現在アウトドアを趣味とされている方々の中にも大勢いらっしゃるはずですから、その方々に支持されるようなブランドでありたいと考えます。

 ただし、釣りを始めてもらうには問題があります。もともと釣りをしない私にとっては、釣りのハードルは高いと感じる点がいくつかあります。そのひとつに、釣った魚を触った時に手に残る感触と臭いが苦手な事です。

 誰かに釣りを始めてもらう際に、こういった感覚を発信する側が理解する事は大事だと思うのです。釣りをされない人は、何がイヤで釣りをしないのかを明確にしておく必要があると思います。

 例えば私は子供がいるのですが、子供と一緒に釣りに行った時、『もし、子供が大きな魚を釣ったらどうしよう。多分、私は慌てるだろうな』と不安な気持ちを抱えながら釣りをしています。

 こういう気持ちが釣りをされない人にはあると思うのです。釣りをする人にとっては当たり前にやっている事でも、釣りをしない人にとっては大きな問題となる事が、どうしても見落としがちになると思うのです。

 釣りをしない人の感覚も分かる今の自分の状態は貴重だと思っていますが、釣りにどっぷりハマると、この感覚が薄れてしまいます。ですから、釣りとの絶妙な距離感を保っていければと思っています(笑)」。

 久保氏「もう1つは、個人的な意見ですが、釣りはもともとオシャレな道具が少ないと感じていました。私が釣りに興味がなかったからかもしれませんが、釣り道具の中で、所有している事で気持ちが高まるようなアイテムがほとんどないと感じていました。

「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
釣りをしない人でも、持っていて気持ちの高まるアイテムがたくさんあれば、釣りに興味を持つ人がもっと増えるのでは…?

 例えば、アウトドアのアイテムでは、アウトドアをしない人が見えても『カッコいい』、『オシャレだな』と思うアイテムがあります。アウトドアを楽しまない方でも、『持っていたいな』と思うような優れたデザイン性や世界観を持つアイテムがあります。そういう思いを感じてもらえるような釣りのアイテムを、自分達で作っていけたらと思います。

 RGMでは誰彼問わずではなく、普段から持ち物にこだわっているような方が見ると『いい物を持っているな』、『オシャレだな』と思ってもらえるような、普遍的なデザインや世界観を持ったアイテムの提案を心掛けています」

「普遍的なカッコよさ」も重要ポイント。いつの時代も愛されるデザインを

 ―デザインでは、特にどのような点にこだわっているのですか?

 ROOさん「今までなかった斬新なデザインも素晴らしいと思うのですが、伝統工芸品のように普遍的なカッコよさも重要なポイントです。

 例えば『spec.3』という延べ竿は釣りをされていた人にも、どこか懐かしく感じるデザインや配色を心掛けました。キャンバス生地のケースでベルトに皮を使って雑貨感も出しています。全く釣りをしない女性でも、持っていたいと思うようなアイテムです。

「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
「spec.3」。コルクグリップも特徴的。ケースもキャンバス生地に皮のベルトだ

 一方で『spec.1』は工業製品、造形物としてカッコいいと思われるようなギア的な感覚を出しました。ケースは黒のナイロン生地です。バイク好き、車好きの人には特に分かってもらえるようなギア感があります。ギア好きの方に、お気に入りのアイテムに入れてもらえたらという感覚です」

「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
「spec.1」はギア感が満載!

 ―RGMのアイテム展開についてですが、「延べ竿」から始まり、その後もユニークな釣りに関わるアイテムを出されています。アイテムの展開はどういった形で決めているのでしょうか?

 ROOさん「最初に延べ竿を発売したのは、延べ竿は釣りをしている人も、釣りをされていない人も共通して楽しめるアイテムだからです。もともと、延べ竿を使った小物釣りは釣りの入門としても最適です。

 今後のアイテム展開ですが、釣りと水辺で遊ぶという提案が出来れば、釣り道具に限る必要はないと思いますが、やはり釣りに関係するような商品になると思います」。

 久保氏「商品で言うと、例えばブリキのケースは、基本的には小物や釣りの仕掛け入れなのですが、アウトドアのショップに置いていても何の違和感もないです。アウトドアの方は着火剤を入れたり、ワックスケースとして使われたりするのに便利という事で、好評を頂いています。お客さんが釣りに行かれなくても、買ってもらえる商品です。こういった商品が増えれば、釣りに興味を持つ人も更に増えていくのではないでしょうか」

「RGM」(ROOSTER GEAR MARKET・ルースターギアマーケット)の商品
アウトドアショップでも大人気!

 ―最後にRGMの今後について教えて下さい。

 ROOさん「RGMはエントリー層の方だけでなく、男女問わず、幅広い年齢層の価値観の合う方々に、新しい切り口で釣りのご提案をして、より楽しくて豊かな生活を提案していくブランドです。RGMが広く受け入れられる事によって、RGMの価値観が響く多くのお客さんに巡り合いたいと思います。そうなれば、釣り人も増えていると思います。

 社内的にも事業として成功して欲しいという思いがありますが、RGMで社内にも新しい風をもっと取り入れて欲しいですし、釣具業界にも新しい風が吹き込めば、更に活性化するのではないでしょうか」

釣り以外の業界や釣りをしない人のドアを叩くアイテム

 釣具業界も釣り人を増やすために様々な活動を行ってきたが、ジャッカルのRGMは新しく釣りをしてもらいたい人へのアプローチ方法を考え直す良いキッカケとなる。

 RGMは、いわば釣り以外の業界や釣りをしない人のドアを叩くアイテムだ。優れた世界観を持ったアイテムが、アウトドアなど他のレジャーと釣りとの接点を作っていく。こういった接点が様々なジャンルに増えていく事で、釣りを楽しむ人も増え、釣りの楽しみ方の幅も広がっていくのではないだろうか。

(了)

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