
釣りで使うライフジャケットは、この20年ほどで著しい進化を遂げている。ここでは、ライフジャケットの進化の過程や、釣り人が使いやすい機能を搭載したフィッシングギアとしてのこだわりについて、高階救命器具(株)の高階義尚社長らに伺った。
膨脹式ライフジャケットの誕生。バスブームで一気に普及

高階社長「釣りで使うライフジャケットの歴史の中で、一番大きな変化があったのは、やはり膨脹式ライフジャケットの誕生です。
弊社では、1999年に膨脹式救命胴衣の型式承認を取得しました。元々作業用の膨脹式はありましたが、それをレジャー(釣り)用として適用できないかと開発したのがキッカケです。当初はまだ首掛けタイプしかありませんでしたが、その後、ベルト式(腰巻タイプ)の型式承認を2008年に取得しています。

ベルト式は弊社が初めて取得したのですが、今となっては主流になっているものの、そもそも初めはライフジャケットを腰に巻くという発想がありませんでした。
桜マークのライフジャケットでは、浮き姿勢を取る時に顔が上に向くように仰向けになることが求められるのですが、なかなか上手くいかず、何度も試行錯誤を繰り返して開発に成功しました」。

ベルト式のライフジャケットは、従来の首掛けタイプよりも動きやすく、夏でも快適に着用できることから発売後一気に普及した。ライフジャケットがただの安全装備から、「フィッシングギア」へと進化する先駆けともなった。その後、軽量化なども進み、ベルト式のライフジャケットはよりメジャーなアイテムとなっていった。
「レールシステム」でさらに小型化

さらに、同社は2020年にベルト式ライフジャケットを小型化するための新たなテクノロジー「レールシステム」で特許を取得。収納時は軽量かつコンパクトでありながら、落水の際にはベルトに沿ってしっかりと気室が膨脹するシステムだ。

従来のライフジャケットは膨脹させる過程上、どうしても小さくすることができなかったが、レールシステムの開発により、機能性はそのままに、今まで以上に小さくコンパクトにすることが可能となった。

安全性と機能性の妥協なき追及
他にも、高階救命器具のブランド・Bluestorm(ブルーストーム)からは、フィッシュグリップやギンバルなどのアクセサリーを付けられるライフジャケットや、より小さいポーチサイズの手動膨脹式ライフジャケットなど、安全性を保持しながら、機能性の高いライフジャケットが発売されている。
また、近年のブルーストームのライフジャケットはデザイン性も高く、カラーリングやロゴ、装飾などもオシャレになっている。アウトドアブランド風のテイストも取り入れ、スタイリッシュでウエアとも馴染みやすいデザインとなっている。

マーケティング部の倉田氏は、「釣りといっても、どの釣りをするかによって、求められる機能性は異なります。ブルーストームでは、自分の好みや釣りのスタイルに合わせて商品を選択できるよう、様々な種類をラインナップしています。
機能性を追求しながらも、全て桜マークやCSマークの安全基準に合わせて作っています。しっかりと安全性を担保しつつ、フィッシングギアとしての便利さも両立させるのは非常に難しいですが、そこを妥協せず追求し続けているのが弊社の強みです。

また、いくら安全で機能性が高くても消費者に選ばれなくては意味がありませんから、近年はデザインにもこだわって作っています。同じカラーのレインウエアやウェーダーなども発売し、コーディネートも楽しめます」と語る。
高階救命器具のライフジャケットは、釣り人の安全を第一に考えながらも、釣りに求められる機能を取り入れ、様々な進化を遂げてきた。今後の製品開発にも注目していきたい。
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