今回紹介するのは、ヒサゴ株式会社(名古屋市本社)が発売している「錆ニック」という防錆紙(ぼうせいし)だ。「錆ニック」というユニークな名前の通り、錆びさせたくないものを包む、あるいはケースや袋に同梱することで、錆びるのを防ぐことができる。釣具はもちろん、プライヤーなど錆びさせたくない道具の保管にも最適だ。

錆ニックを発売しているヒサゴ(株)は、もともと封筒を扱う会社として1939年に開業した。その後、オフィス向けの伝票、会計票、領収書、ラベルなどを扱ってきた。会社で経理等を担当している人は、ヒサゴを知っている人も多いはずだ。近年では文具など一般消費者向けの事業も積極的に展開している。長年、伝票やラベル製造で培ってきた技術は、今回紹介する錆ニックにも活かされている。
釣り具のサビ対策に新提案。「包む」「同梱する」で効果抜群
釣りでは、錆びさせてしまう道具が無数にある。各種フック、スプリットリング、ガイド、リール、プライヤー、フィッシュグリップ、ナイフ、ボート用品などが挙げられる。

フックが錆びると、掛かりが悪くなるだけでなく強度も低下する。リールも内部の錆びが進行すると最悪の場合は使えなくなる。プライヤーも錆びだらけだと簡単に開かなくなるなど、いずれにしても錆は大敵だ。
使用後に水洗いし、錆びないようにしていたつもりが、久しぶりに使おうとすると、道具が錆びだらけになっていた。こういった事は多くの釣り人が経験しているはずだ。錆ニックはこういった釣り人の悩みの解消に役立ちそうだ。
紙に含まれた防錆成分が気化して被膜を作る。釣り針など複雑な形のものにも最適
錆ニックは「気化性防錆紙(きかせいぼうせいし)」と言われるもので、紙に含ませた防錆成分が常温で気化し、金属の表面に見えない被膜を作ることで、空気中の水分や酸素をシャットアウトし、錆びにくくする。

その性能は非常に優れている。自社実験の結果だけでなく、JIS規格にも準拠し、第三者機関の試験に合格した上で商品化されている。さらに海上自衛隊にも採用されていることが、性能の高さを裏付けている。
使い方は前述の通り、錆びさせたくない物を包むかケースに錆ニックを入れて密封しておくだけで、中の物が錆びにくくなる。複雑な形状のものでも気化した成分が隅々まで行き渡るため、釣具にも非常に適している。

もともと、錆ニックは自動車工場や町工場など業務用の大型機械や部品の保管、輸送用を想定して作られており、最長は11.4mという長尺の物も包める。最小サイズは幅105㎜×天地114㎜だが、それ以下の好きなサイズに切って使用することも出来る。

最近では部品や工具だけでなく、バイク用品の保管に適しているとして、バイク愛好家の間でも人気が出てきている。さらに、包丁など刃物の保管にも重宝されており、専用の商品も発売されている。
釣りでも、使い道は非常に多いはずだ。例えばジップロックなど小さなビニール袋に錆ニックとフック類をセットで入れておくだけで、高い防錆効果が期待できる。


ケースの中に水洗いしたプラグやエギなどのルアーを入れ、錆ニックをケースの底に敷いて密封するか、蓋に両面テープで固定しおけば、それだけで強力な錆防止になる。
エレキのシャフトなどに巻いておくのも良さそうだ。ほか、電動リールの保管や使わないペンチ類を包んで保管するなど、釣り人によって様々な使い方がありそうだ。

この錆ニックは気化性なので、密封された空間で使用することで効果が最大化される。そのため、ケースの開閉を頻繁に行うと防錆成分が逃げて効果が弱くなるので注意が必要だ。水に濡らすのも効果が弱くなると思われるので避けた方がよい。
伝票製造の技術を応用。未使用分はコンパクトに収納可能

また、錆ニックの特長としてミシン目の入ったジャバラ形式になっており、使いたい長さで、手で簡単にカットができる。未使用分は折りたたんでコンパクトに収納できる。これはヒサゴが長年培ってきた伝票製造の技術が応用されている。 さらに紙の表面に「品名」や「日付」を書き込める欄もある。特に包んだ場合に、中の物が何なのか、いつ梱包したのかが分かるので便利だ。

さらに、パッケージには防錆成分の気化を防ぎ、酸素も遮断するアルミ袋を採用。未開封時の品質維持も徹底されている。防錆有効期間は6~36カ月間程度だ。
釣りのシーズンが終わり、道具を保管する際に錆ニックを使う一手間を加えるだけで、翌シーズンも快適に釣りができるはずだ。現在はアマゾンやヒサゴの公式サイトで販売されているが、釣具店でも見かけることが多くなるはずだ。ぜひ、取り扱いを検討し、釣り人に新しい提案をしてみてはどうだろうか。
錆ニックの公式HP
錆ニック(防錆紙)|ヒサゴ
問い合せ先
ヒサゴ TEL: 052-936-1631




