
富士工業株式会社(静岡市駿河区本社・大村一仁社長)では、創業以来、地域貢献、社会貢献、そして業界貢献活動に積極的に取り組んできた。
近年では2008年に「 We Love the earth」というスローガンを掲げ、環境保全活動の強化を行ってきた。富士工業、そして釣具業界は自然を相手にビジネスを行っており、豊かな自然環境があってこそ、事業を継続していく事が出来るからだ。
その後、2015年に国連サミットで「SDGs」が採択された。この「SDGs」に富士工業も賛同し、以前から取り組んできたエコ・ファクトリーやメガソーラーシステムの実現、放流活動、水辺の清掃といった環境保全活動「SDGs」の活動として、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいる。

地域に会社を置き仕事をしていく上で、地域に貢献するのは会社の使命。業界についても同様
ただ、前述の通り、富士工業が地域や社会に対して貢献活動を行ってきたのは「SDGs」が採択されたからではなく、「 We Love the earth」を掲げて環境保全活動を強化した2008年からでもない。1930年代の創業時から、脈々と続けられてきたものだ。
創業の精神として「地域に会社を置き、仕事をしていく上で、その地域に貢献していくのは会社の使命である。業界についても同様に、自分達が働かせてもらう業界に、何等かの貢献をしていく事は当然である」という考え方が根底にあった。
1970年代に静岡県菊川市に建てられた工場は、当初から自然を大切にし、環境に配慮したエコ・ファクトリーとなっていた。4万7000坪の敷地には緑があふれ、元禄年間から使われてきた貯水池や、元からあった豊かな自然環境が今も大切に保存されている。

日本釣用品工業会など業界の基盤作りに大きく貢献
釣具業界の活動についても、創業者の大村林太郎は日本釣用品工業会の前身である日本釣具製造組合の初代会長であり、2代目の大村隆一も日本釣用品工業会の初代会長を務めた。そして、現社長の大村一仁氏も、日本釣用品工業会の会長を務めている。
長年にわたって業界発展のための活動を行ってきただけでなく、釣具業界で業界活動が出来る基盤そのものを作ってきた1社だと言っても過言ではない。
「SPORTS&FISHING」プロジェクトで地元サッカーチームと社会貢献
また、富士工業は近年では特色のある社会貢献活動にも取り組んでいる。
その1つが地元サッカーチームである清水エスパルスと行っている「SPORTS&FISHING」プロジェクトだ。このプロジェクトでは、富士工業と清水エスパルスが協力して、地域や社会に貢献する事業が行われている。

清水エスパルスは1992年に静岡市で市民クラブを母体として誕生したチームであり、Jリーグ開幕時から参戦しているオリジナル10のチームだ。清水エスパルスも地元に根付いたクラブとして、設立当初から地域貢献や社会貢献事業を積極的に行ってきた。
同じ静岡市に籍を置く富士工業と清水エスパルスが一緒になって何か地域や社会に貢献できる事ができないかと検討した結果、共同プロジェクトを立ち上げる事が決まった。
そして、ホームタウンの豊かな自然を守る社会活動として「SPORTS&FISHING」プロジェクトが立ち上げられた。
合言葉は「Turf&Surf豊かな自然を未来に」。Turfは「芝」という意味で、「芝」と「砂浜」という両者のルーツが表記され、フィールドは異なるが、共に地域の豊かな自然を未来に繋げていくための活動が始まった。

具体的な活動内容としては、静岡県中部地区を中心とした清掃活動をはじめとした活動を共同で行っている。
「SPORTS&FISHING」プロジェクトは、現在は清掃が主な活動内容だが、それ以外にも地域や社会貢献になる事であれば、事業内容を拡げていく考えだ。
高校生ゴミ拾い日本一を決める「スポGOMI甲子園」に協賛
もう1つ、特色のある社会貢献事業として「スポGOMI甲子園」の協賛がある。今年度、この活動に協賛しているのは、セブン―イレブン・ジャパンと富士工業の2社だ。

スポGOMI甲子園は、全国の高校生が各地域でゴミ拾いを行い、質と量を競う地球に優しい競技となっており「高校生ゴミ拾い日本一」を決める大会だ。このスポGOMI甲子園は2019年から開催されている。
2023年は全国40道府県で予選大会が行われ、参加者は2625名、ゴミの総重量は約2500㎏となっており、決勝大会は12月に東京で開催された。
参加者も年々増加しているが、高校生がゴミを拾う事で、環境問題や海洋ゴミ問題への気付きとなり、次世代へ良い環境を引き継いでいくためにも、有意義な取り組みとなっている。釣具業界でも2023年度は一般社団法人日本釣用品工業会が協賛を行った。

この発端は、地元メディアからの紹介で2022年に富士工業がスポGOMI甲子園の静岡県大会への協賛を行った事がキッカケだ。若者の支援という意味からも良い活動である事から、継続してスポGOMI甲子園に協賛する事となった。しかも、県大会ではなく、スポGOMI甲子園全体の協賛を行う事となった。
2024年は、参加した多くの高校生は、セブンイレブンと富士工業のロゴが入ったビブスを着用し、全国各地で清掃を行っている。来年以降も富士工業は継続して応援していく考えだ。
広く社会に向けた活動で「釣り」や釣具業界全体のイメージアップを
先に紹介した清水エスパルスとの共同プロジェクトや、このスポGOMI甲子園の協賛も釣り人を対象とした取り組みではなく、広く社会に向けた活動だ。
一般の多くの人の目に留まる場所に釣り具メーカーである「富士工業」という社名が出る事で、釣具業界全体のイメージアップにも貢献しているはずだ。また、富士工業の社員のモチベーションアップにも繋がっているそうだ。
富士工業では、この他にも水辺の清掃活動なども数多く行っている。
日本釣振興会が行っている「水辺感謝の日」の清掃では、例年、さがらサンビーチや広野海岸公園で両会場とも100名前後が参加している。富士工業の従業員は、いずれかの清掃に必ず参加している。
また、小規模な清掃では地元の静岡市の街中や菊川の河川敷等を、地元の住民や企業と協力して定期的に行っている。

「技徳兼備」。技術だけで良い製品は作れない
製品開発においても、製造段階から環境に配慮した物作りを創業当初から行ってきた。
富士工業が創業当時に定めた社訓は「誠意努力」、「禮正和楽」、「技徳兼備」だ。
その中の「技徳兼備」は「高いレベルの技術を持っていても、モラルを兼ね備えていなければ人の役に立つ事はできず、社会貢献も出来ない」という意味だ。富士工業は技術と共に、当初から社会やその周囲の事を考え、人の品性を大切にする会社だという事を定め、それを継承してきた。
地域や社会、業界への貢献活動の具体的な内容は、時代によって変化してきたが、根底にある精神は90年近くたった今も、しっかりと受け継がれており、地球環境との共存、地域との共生を図りながら「文化創造企業」を目指している。
富士工業公式ホームページ
https://www.fujitackle.com/
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