内水面の問題を整理し、内水面でも素晴らしい釣り場を更に増やしたいという思いで行っている岸氏の連載。3回目の今回は「アユ釣り」。ルアーを使って盛り上げようとしている取り組みについて紹介する。
一目瞭然、「アユ釣りは敷居が高い!」。しかし潜在ファンは多い釣り
今年もアユ釣りシーズンが開幕した。ナワバリを持つ習性を利用したアユの友釣りは日本を代表する伝統釣法である。
今なお熱いファンのいる友釣りだが、90年代の中~後半をピークに愛好者数は減少傾向にある。さらに深刻なのが高齢化問題だ。
ここ数年、釣り具メーカーが軽装で楽しむ「ライトアユスタイル」を仕掛けているが、今回はさらにジワジワと注目度が高まってきている「アユルアー」の普及に取り組んでいる漁協や釣り具メーカーの担当者に話を伺った。
本題に入る前にまず栃木県水産試験場が平成28年の秋に実施したアンケート調査結果に目を通していただきたい。
Q.アユ釣りにどんなイメージを持っていますか?
Q.あなたがアユ釣りをしない理由は何ですか?
Q.アユ釣りがどんな風に変われば、アユ釣りをしたいと思いますか?
ここで紹介しているのは「釣りが趣味だけれど、アユ釣りはしない人」からの回答で、集計結果から一目瞭然で友釣りを始めるにあたっての敷居の高さが伺える。
Q.アユ釣り用の道具レンタルサービスを利用したいですか?
Q.アユ釣り場のガイドサービスを利用したいですか?
冷水病による不漁は友釣り離れの一因であることは確かだが、それだけではないことを漁業関係者や釣具業界人は受け止めなければならないだろう。
ただ、このアンケート調査で「キッカケさえあればアユ釣りをしたい」と半数以上が回答している点は見過ごせない。潜在的なアユ釣りファンはまだまだ多いだけに、打つ手はあると考えるべきだ。
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