魚が釣れるタナは水温、潮流の速さ、水の透明度でどう変化する?タナを見極めて釣果アップを狙おう!

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釣りエサのスペシャリスト・長岡寛さんの連載「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」です。釣りエサに関する事以外にも魚の生態や環境など様々な内容を紹介します。

今回は、魚のタナが変化する条件について解説して頂きました。

    

前回では釣果を上げるためにはタナを把握することが重要であるということをお話しいたしました。今回はタナが条件によってどのような変化が生じるのか簡単にまとめてみましょう(もちろん例外もあります)。

前回はコチラ → 釣り人なら知っておきたい!「魚がいる水深=タナ」ではない!?釣果アップの秘訣「魚のタナ」について解説

まずは自然環境で生じる現象とお魚さんのタナとの影響についてお話しします。

水温が上昇するとタナが浅くなる?

多くの場合、水温が上昇するとタナが浅くなり、水温が下がるとタナは深くなります。簡単に言うならお魚さんは暖かくなると浮上してきて、寒くなると深くなるということです。

寒くなるとタナは深くなるイメージ
寒くなるとタナは深くなる
暖かくなるとタナは浅くなるイメージ
暖かくなるとタナは浅くなる

色々な要因の中の1つですが、水温が上昇すると植物性プランクトンの増殖が盛んになり、それを餌とする小型動物の動きも活発になります。

ただし例外もあります。

冷水域に生息するお魚さんの場合、表層の高水温帯を嫌って深層に移動する種類もあります。例えば水深のある湖に生息しているマス類は寒い季節には表層に出て来て、夏場になると深場に移動します。

潮流が速くなるとタナは浅くなる?

潮流が速くなるとお魚さんのタナは浅くなります。反対に潮流が遅くなるとタナは深くなります。

言うまでも無く海底は深い場所と浅い場所があります。潮流が浅場に行くとき、或いは海底の障害物に当たると、深い場所にあった海水が表層近くに上がってきます。これを湧昇流(ゆうしょうりゅう)と呼んでいます。

湧昇流には植物性プランクトンの栄養源となるミネラルや有機塩類が豊富に含まれています。そのため日光が届く浅場に居る植物性プランクトンの活性が高くなり、それを食べる小型動物の活性も上がります。すなわち食物連鎖が盛んになるため多くのお魚さんも集まってきます。

潮流が速くなると釣り人が投入した撒き餌も短時間で遠くまで流れていきます。撒き餌に反応するメジナなどのお魚さんは、流れて来た撒き餌を素早く食べるため表層近くに浮上してきます。

潮流が速くなるとタナは浅くなるイメージ
潮流が速くなるとタナは浅くなる

水の透明度はタナにどう関係するの?

水温が上がると水中に溶け込むことが出来る酸素の量は少なくなります。

一方お魚さんは水温が高くなるとより多くの酸素を必要とします。水中の酸素は表層に行くに従い溶存量が多くなるため、水中の溶存酸素量がお魚さんにとって十分でない釣り場では、お魚さんのタナは浅くなります。

典型的な例として、富栄養水域(有機物の多い水域)ではお魚さんだけでなく多くの微生物も酸素を必要としています。水温が高くなるとそれら全ての生物もより多くの酸素を必要とするため、深い場所になるほど溶存酸素量は少なくなります。そうした水域に生息しているヘラブナは、低層部分の溶存酸素量が少なくなると表層に浮上してきます。

これには釣り場の水の透明度も大きく関係しています。潮あるいは水の透明度が高いとお魚さんのタナは深くなり、透明度が下がるとタナは浅くなります。

私たちの感覚だと透明度が高ければ水中のお魚さんが良く見えるため、水鳥などから身を守ることも考え合わせるなら、透明度が高いとお魚さんは深い場所に移動してしまうような気がします。

確かにこうした警戒心によって浅い場所を嫌うことは事実ですが、実は、釣り場の水の透明度がお魚さんのタナに影響を及ぼす上で、もっと大きい要因があります。

その一例となりますが、透明度が高い水域では日光は深い場所まで到達します。水中に生息している植物性プランクトンが光合成を行う際に、日光を必要とします。しかしながら単に日光を必要とするのであれば、表層近くに浮上すれば水中を通過する日光のエネルギーは減衰が少ないため有利となるはずです。

ところが、表層では透明度が高い水の場合、植物性プランクトンの栄養源となる物質(ミネラルなど)が少ないため効率が良くないのです。植物性プランクトンの栄養源となる物質は水よりも比重が大きいため深層に行くほど溶解している量は多くなります。かと言って前の話に戻りますが、植物性プランクトンが深い場所に移動してしまうと、日光は届きにくいため活発に光合成を行うことが出来ません。

そのため植物性プランクトンは必要な量の光が届きつつ、必要な量の栄養源を吸収できる層に集まろうとします。光が強ければその層は深い場所に形成されますから、それを食べる動物性プランクトン、小型動物といったお魚さんの餌になるものもその層に集まるようになるのです。

反対に水の透明度が低い場合、日光は深い場所まで届かないためタナは浅くなります。水の透明度はお魚さんのタナに大きな影響を与えています。

透明度とタナの関係のイメージ図
透明度とタナの関係のイメージ図

この他にも夜間とその逆の日中に浮上してくる種類のお魚さん、回遊や産卵など季節によってタナが異なるお魚さんなど様々な要因があり、これらは先述した要因と重なり合うことにより複雑に変化します。こうした基本を知ることによりタナの傾向を掴むことに繋がるはずです。

◆長岡寛さんの連載「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」の連載記事一覧はコチラ

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