「全員釣り好き」の生徒達に「釣りと魚の科学」講義とワーム製作実習!「釣り」を通じて魚の生態を知る

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講義を受講した岩手県立久慈東高校・海洋科学系列学科の生徒と長岡氏
講義を受講した岩手県立久慈東高校・海洋科学系列学科の生徒と長岡氏。生徒は全員釣り好きだ

11月7日、一昨年、昨年に続き、岩手県立久慈東高校・海洋科学系列学科において「釣りと魚の科学」講義とワーム製作実習を行った。

今回も海洋科学系列を担当されている上野明先生のご尽力により実施させていただくことになった。

岩手県立久慈東高校は、人文科学、自然科学、情報ビジネス、食物、介護福祉、環境緑化、そして今回講義を行った海洋科学という7つの学科を持ち、全校生徒数は480名にも及ぶ。

岩手県立久慈東高校
岩手県立久慈東高校

職員室の脇には、写真部や柔道部の活躍に対して岩手県教育委員会をはじめ、県内の高等学校関係団体から渡された数多くの表彰状が所狭しと並べられ、生徒達の活躍ぶりを伺うことが出来る。

当日、朝8時半過ぎに校長の佐々木寛先生と上野先生が迎えてくれて、僅かな時間であったが挨拶を兼ねて懇談を行った。

佐々木校長は昨年の4月より赴任されていて、有難いことに今回の講義と実習に対して大変期待されていた。とても温厚で穏やかなお人柄という印象はそのままで、海洋科学系列の生徒たちが大の釣り好きであることをとても好意的に受け止めている。

上野先生、佐々木校長、長岡氏
左から上野先生、佐々木校長、長岡氏

会話の中で、釣り竿を手に三陸鉄道を利用して楽しそうに通学する生徒の様子が、隣町にある高校の校長先生からも伝えられましたと笑みを浮かべてお話しされていた。

生徒全員釣りキチ!つりエサのスペシャリスト・長岡寛氏が講義

今回参加の生徒は1年生7名。午前9時より講義を開始。本紙に連載中の「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」の内容に基づき、新たに作成した動画や写真、イラストを加えた内容の講義を行った。

「釣りと魚の科学」講義の様子
講義の様子。釣りを題材にすることで、魚の生態をより簡単に理解する事が出来る

上野先生によれば、今年は人数が少ないものの生徒全員が釣りキチであるという話だったが、教室に入ると、生徒全員がとても楽しみにしていたと言わんばかりの熱い視線を注いでくれた。

講義での冒頭、「釣りをしますか?」と尋ねるともちろん全員が挙手したが、釣り物の話になると、青物をジギングで狙うなど、かなりマニアであることが一瞬で伝わってきた。

「釣りと魚の科学」講義の様子
講義を真剣に聞き入る生徒達

講義の目的は、より多くの学生が魚釣りに興味を持ってくれることではあるが、釣りをしない、あるいは興味の無い生徒にも、釣りを題材に魚の生態への興味を深めてもらう事がねらいだ。

例えば、いきなりアミノ酸について説明するよりも、「水に溶解したアミノ酸は広範囲の魚を誘引する」といった様に、内容をイメージとして捉えてもらえるよう、工夫を凝らしている。

また今回の講義においては、8月に日本さかな専門学校で実施したときと同様、現在日本釣振興会で取り組んでいる最大の課題であるネオニコチノイド系農薬について、「よつ葉生協」さんで作成した動画を放映し、実情を知ってもらった。

「釣りと魚の科学」講義の様子
ネオニコチノイド系農薬に関する動画も視聴

講義が終わるとお楽しみのワーム製作実習!

講義がひと段落すると、隣の教室は同学科の2年生の教室だったが、昨年の講義の事を覚えていて、自分たちも実習に加わりたいという数名の学生が顔を見せてくれた。

あっという間に講義の時間が終了し実習の時間となったが、生徒たちはワームを製作することを本当に心待ちにしていた様子で、真剣に覗き込んで説明を聞いてくれた。

ワーム製作実習の様子
講義後はワームの製作実習。生徒達も楽しみにしていたようだった
ワーム製作実習の様子
        

ワームの製作実習は、実際の金型と樹脂原料を持ち込み、樹脂原料を電子レンジで溶解させ、予め溶解した樹脂が固まらない温度に加熱したプランジャー(ステンレス製の注射器)を用いて金型に注入するというもの。

生徒達は、初めてとは思えないほど手際よく製作し、作業に熱中していた様子だった。1つでも多く製作し、釣りに持参したいという思いが伝わってきた。

製作するワームのカラーについては、色彩以上に明暗が釣果に影響するという講義の内容を理解していて、暗色のカラーリクエストもあった。大変盛り上がったところで、実習終了となった。

ワーム製作実習の様子
作業に熱中する生徒達
ワーム製作実習の様子
釣り好きの生徒達にとって、非常に貴重な経験が出来た実習だった

尚、講義と実習に際してアンケートも実施した(下枠参照)。

実習のかなり前から色々な段取りをしてくれた上野先生には、今回も大変にお世話になった。また、昨年に引き続いて講義と実習に多大なるご理解を賜った佐々木校長先生にも帰りがけに見送っていただき、「是非次回も」というお声を頂いた。

また、生徒も含めてこの場を借りて、関係者の皆様には心より感謝申し上げる。

「釣りと魚の科学」受講者アンケート結果

回答者年齢…17歳(4)、16歳(3)

① 魚釣りをしますか?
する…(7) しない…(0)

② 魚釣りをしたことがある方は、魚種は何を狙いますか?
アイナメ(5)、青物(3)、ソイ(2)、根魚(1)、タコ(1)、マダラ(1)、タナゴ(1)

③ 魚釣りに行くとき何が障害になりますか?
部活や習い事で時間がない(5)、道具や仕掛けが高い(5)、交通手段の問題(4)、手洗いの問題(2)

④ 講義は良かったですか?
はい…(7) いいえ…(0)

⑤ 今回の講義はいかがでしたか。講義の感想を書いてください
魚は触覚で釣り糸を感知する事や、魚をバラすとどうなるかという話が面白かった

⑥ 実習は楽しかったですか?
はい…(7) いいえ…(0)

⑦ 実習は参考になりましたか?
はい…(7) いいえ…(0)

⑧ 今回の実習はいかがでしたか。実習の感想を書いてください
自分で製作する事が楽しかった、とても参考になった

⑨ 釣りに対するイメージをお聞かせください
楽しい、面白い、恰好いい


【提供:長岡寛・編集:釣具新聞】

◆釣りエサのスペシャリスト・長岡寛さんの連載「お魚さんッ、私のエサに食いついて!」の連載記事一覧はコチラ

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