現在(2023年9月末)、復旧作業が進んでいる神戸市須磨区の「須磨海づり公園」について、神戸市では企業版ふるさと納税の制度を活用し、施設の復旧の一助とする取り組みが行われている。
兵庫県神戸市では、様々な活動を対象とした企業版ふるさと納税を行っている。
企業版ふるさと納税とは、地方公共団体が実施する地方創生事業に対し、民間企業が寄附を行った場合に税制の優遇措置が受けられる制度だ。
神戸市では、企業版ふるさと納税として、「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」、「こどもの本の森や図書館にもっと児童書を」、「神戸登山プロジェクト」など様々な活動に対し寄附を募っている。
民間企業が、企業版ふるさと納税を活用して「神戸2024世界パラ陸上」に寄附した場合、寄付金は「パラ陸上競技用設備の新設」、「競技・練習会場の改修」など、「神戸2024世界パラ陸上」のために使用される。寄付金の使用目的が明確なため、地方公共団体が行っている「この事業を応援したい」、「この事業ならば協力してもいい」という企業のニーズとマッチする取り組みだ。
また、企業版ふるさと納税を行うと、法人関係税から税額控除が受けられる仕組みがある。
イメージとしては、通常の寄附での損金算入3割に加え、最大6割の税額控除が受けられる。例えば1000万円を寄附したとすると、最大約900万円の法人関係税が軽減され、実質的には1割の負担となるケースもある。
こういった制度に今回、「須磨海づり公園再整備プロジェクト」が加わる形となった。
2018年8月の台風20号で損壊し休園。多くの市民から復活を求める声が寄せられる
須磨海づり公園では、既報の通り2018年の台風により甚大な被害を受け、休園が続いている。その後、市民から再開の要望も多く、様々な経緯を経て再開される事となり、再整備工事が行われている。
再整備工事の概要としては、沖側にある第1、第2釣台は安全対策として撤去される。撤去された施設の一部は漁礁として使用される。
陸側の第3、第4釣台、さらに陸上施設は復旧される。民間のアイデアも活用し、新たな機能が追加されるはずだ。
再整備のスケジュールは、撤去作業の完了が2023年11月末頃となっており、釣台の改修など再整備工事が今年秋から来年の秋に実施。また陸上施設の補修も行われている。工事等が予定通り進めば、「須磨海づり公園」の再オープンは2024年の秋頃となりそうだ。
釣り関係企業も「ふるさと納税」を使って寄附を!節税効果もアリ
神戸市が行う企業版ふるさと納税で集まった資金は、この「須磨海づり公園」の復旧作業等に使用される。
具体的には釣台の長寿命化(釣台の塗装や海中部分の防食)に使用される他、海浜公園で電灯や舗装の改修等に使われる。万一、ふるさと納税が集まらなくても、須磨海づり公園は再開されるが、施設がより快適に、長く使用できるために集められた資金は使用される。
寄附した企業のPRも神戸市により行われる予定だ。
一例としては、施設への銘板(めいばん・社名などが彫り込まれたプレート)設置や神戸市ホームページへ企業のロゴやが掲載。ほか、感謝状の贈呈等も行われる予定だ。
神戸市では、須磨海づり公園を含めて、須磨・垂水エリアで再整備プロジェクトを行っており、来年に須磨海浜水族園・海浜公園もオープン予定だ。須磨エリアに注目が集まる事は間違いない。
安全に誰でも釣りが楽しめる海釣り公園は、釣具業界にとっても重要な施設だ。釣りに関わる企業は、「須磨海づり公園」への寄附を、ぜひ検討してはどうだろうか。
問い合わせ先 神戸市 企画調整局 産学連携推進課 企業版ふるさと納税担当
TEL:078-322-5489