9月10日、公益財団法人日本釣振興会は「多摩川フィッシングフェスティバル2023in殿町」を、神奈川県川崎市の殿町第2公園に本部を設置して開催した。
後援は川崎河川漁業協同組合、大田漁業協同組合、川崎市役所。
同イベントは、多摩川が首都圏を流れる一級河川でありながら自然豊かな川である事。この豊かな自然を「釣り」を通じて、多くの人に親しんでもらうと共に、ゴミの持ち帰りなど釣りのマナー普及・啓発にも取り組むというものだ。
今年の8月3日にも多摩川の青梅で同フェスティバルが実施され、成功裏に終了している。
8月3日の様子はコチラ → 河原に響く子ども達の大歓声!「多摩川フィッシングフェスティバル2023in青梅」。気軽に出来る釣りで自然に親しむ
都会で誰でも簡単に出来る「ハゼ釣り」を体験!
9月8~9日にかけて関東地方を縦断した台風13号の影響で開催も心配されたが、多摩川はそれほど増水せず、開催日も快晴となった。
午前10時過ぎにスタッフが続々と本部に集まり、参加者を迎える準備を行った。
青梅ではオイカワやウグイを狙ったが、下流の殿町での対象魚はハゼだ。昔からハゼは釣りの入門魚としても親しまれている。のべ竿でも手軽に釣れる魚で、明確なアタリや強い引き、また食べても美味しい事から初心者からマニアまで多くの釣り人を楽しませている魚だ。
スタッフミーティングでは、日本釣振興会副会長(同普及振興委員会・多摩川フィッシングフェスティバル実行委員長)の藤掛進氏から下記要旨の挨拶が行われた。
「普段釣りをされない方も大勢来られますから、しっかり対応をお願いします。
本日は3つ、気を付けて下さい。1つは明るく、元気に対応して下さい。2つ目は台風の後で、今日は相当に暑くなると思います。飲み物も十分にありますので参加者もスタッフも熱中症に気を付けて下さい。3つ目はハゼ釣りで使う針にはカエシがありますので、怪我のないようお願いします。
最後に参加された方が『また釣りをしたい』という気持ちになって頂く事が大切です。暑い中とは思いますが、ご協力をお願いします」。
その後、空いた時間を利用してスタッフにより釣り場の清掃も行われた。台風後で各所にゴミが流れついていた。
また、日本釣振興会の鈴木康友常務理事より、当日の講師担当者にハゼの釣り方やエサとして使用されるホタテの刺し方についてのレクチャーがあった。
釣果良好で参加者大満足。「また多摩川に釣りに来ます!」という家族も
11時半になると受付がスタートした。参加者は事前に申し込みを行った83名。参加費は2000円で参加賞とハゼ釣りセット(竿、仕掛け、バケツ、エサ)が進呈される。
当日、ハゼの釣り方を覚えれば、後は自分達だけでも釣りに行ける仕組みとなっている。
開会式のMCは晴山由梨さんが担当。最初に注意事項の説明やルール、マナーについての説明も行われた。
その後、集合写真を撮り、釣り場に移動した。
土手を降りると釣り場が拡がっている。羽田空港の対岸で、飛行機を見ながらの釣りだ。範囲はおよそ500mで、都会の中でも多くの人が手軽に釣りを楽しめる場所だ。
参加者はスタッフから竿のセッティング、仕掛けの付け方、エサの付け方などを教わり、釣りを開始した。
当日は潮が徐々に高くなってくるタイミングで、釣果にも恵まれ、各所で歓声が挙がっていた。釣れるハゼも12㎝前後で、丸く太った良型のハゼも釣れていた。
参加者は、釣りの未経験者や初心者も多かったが、講師が一生懸命に教えた成果もあって、ウキに反応が出たらアワせて、ハゼの引きを味わいながら、取り込んでいくという釣りの一連の動作を覚えていった。
初心者の参加者に話を聞くと「ハゼ釣りは初めてだが、本当に自分でも釣れるか不安だった。でも、案外簡単に沢山釣れてとても楽しい。多摩川で、こういった釣りが出来る事は知らなかった。また家族で来てみたいと思う」と話していた。
後半になると、釣ったハゼの針を外し、自分でエサを付けてまた釣るという参加者もおり、釣りの楽しさを満喫していたようだ。また、釣りを通じて、多摩川には魚が沢山いる事や、このような遊び方が出来るという事に新鮮さを感じていた参加者もいた。
釣りは12時半頃から午後3時までとなっていたが、70尾や100尾釣ったという家族もおり、釣果に恵まれた。親子で多摩川を訪れ、自然を感じながら釣りをして遊ぶという良い体験になったはずだ。
また、家に帰ってからも、釣ったハゼを料理して食べるという楽しみが待っている。
参加者は多摩川の豊かさを十分に感じたと思われる。また、身近な場所で手軽にハゼ釣りが出来る事や、釣り方を丁寧に教えていく事で、「今度は自分達だけで行ってみよう」と思う参加者も多かったと思われる。
釣り振興の意味においても、非常に有意義なイベントとなっていた。
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