【マリンスイーパー】水中に残された釣り具を回収しリメイク・販売。「海の掃除屋」土井佑太さんにインタビュー!

スペシャル ニュース

今回は、メディアやSNSでも話題のMarine Sweeper(マリンスイーパー)」(代表:土井佑太)の取り組みを紹介する。マリンスイーパーは、ダイビングで水中清掃を行い、釣り人の根掛かりによって水中に残された釣り具を回収し、ルアー等のリメイク、アップサイクルを行っている。

マリンスイーパーの代表・土井佑太さんの「海を綺麗にしたい」という強い想いから、回収したルアー等の釣り具は2年間で2万個以上にのぼる。土井さんに、設立のキッカケや具体的な活動内容、今後の展開等について話を伺った。

回収した根がかりを持つ土井さん
マリンスイーパーの代表・土井佑太さん。2021年にマリンスイーパーを設立。ダイビング歴10年以上、釣り歴20年以上の海遊びのプロ

海の掃除屋「マリンスイーパー」の活動内容とは?

釣りをしていると、気を付けていても根掛かりをしてしまい、意図せず水中に釣り糸やルアー、仕掛けを残してしまうという経験があるだろう。

釣具業界でも水辺はもちろん、水中の清掃も以前から積極的に行っているが、海の環境保全に少しでも貢献したいという想いで、2021年、土井さんは「マリンスイーパー」を設立した。

マリンスイーパーのロゴ
2021年に設立されたマリンスイーパー。静岡を拠点として活動を展開

マリンスイーパーの活動内容は、ダイビングで水中清掃を行って水中に落ちているルアー等を回収し、それをリメイク・リユースしネットショップ等で販売。そこで得た収益でまた水中清掃を行うというものだ。

水中清掃を行う土井さん
水中清掃を行う土井さん。海に潜って、水中に落ちている釣り具を回収している

主に静岡で活動を行っているが、夏は週4~5日、冬は週に1~2日は海に潜り、1日に回収するルアーは多い時で500個近くにもなる。

回収した釣り具は、釣り糸にルアーが複数絡まった状態であることが多いため、それを1つ1つに分解してスプリットリングなども外し、分別、洗浄、必要であれば塗装をしなおして販売している。

土井さんが回収した根がかり
一番大変なのは回収した釣り具の分解・分別作業。回収時間の5倍はかかるそうだ

「海を綺麗にして、釣りを未来に残したい!」マリンスイーパー設立のキッカケ

元々釣り人でありダイバーでもある土井さんだが、この活動を始めたキッカケを伺った。

「一番のキッカケは、海が大好きだからです。僕は釣りもダイビングも、もちろん他のマリンレジャーも大好きなので、海を綺麗にして、全てのマリンレジャーを未来に残したいという想いから始めました。

釣った魚を持つ土井さん
子供の頃から釣り人だった土井さん。「海を綺麗にしたい」という想いは人一倍だ

僕は幼少の頃から釣りをして、ダイビングは大学生の頃に始めました。初めて海に潜った時に、釣り人が残した根掛かりがいっぱいあったんです。『今まで自分も根掛かりさせてきたし、そりゃたくさん落ちているだろうな』とは思っていましたが、ちょうどその頃はショアジギングが爆発的に流行していた時期というのもあって、海の中には自分が想像していた以上に根掛かりが放置されていました。

そういう光景を見ると、釣りも以前のように純粋に楽しめなくなった時期がありました。

釣り人が海底に残した釣り糸に絡まってしまった蟹
海底に残した釣り糸に絡まってしまった蟹(土井さん撮影)

大学3年生になるとダイビングも一人前になったのですが、高価なルアーが海の中にたくさん落ちているのを見て、『拾ってみようかな』という思いつきでルアーの回収を始めました。

大学卒業後、釣りやダイビングと関係のない企業に勤めながら水中清掃を続けていました。ただ、社会人になってビジネスの知識を身に付け始めると、『自分の活動をビジネスモデルとして構築できないか』と考え始めました。僕は海遊びが好きですし、レジャー感覚でやっている水中清掃を仕事に出来たら…という気持ちでした。

水中清掃をいきなり本業にするのも無理があったので、副業が出来る企業に転職し、平日は会社員として働きつつ土日は海に潜るという生活を送っていました。2020年の秋ごろからは回収したルアーのリメイク技術・ノウハウを学び、コロナ禍において人生を見つめなおしたとき、マリンスイーパーの開業を決意しました」。

土井さんがリメイクしたメタルジグ
土井さんがリメイクしたメタルジグ。パッケージもそのまま使い回せる物を使い、排出されるゴミを減らすことを意識している
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