球磨川で大鮎を狙う・夢の1mにチャレンジ!「日本一の大鮎釣り選手権大会」【九州リポート福岡発!】

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「九州リポート福岡発!」は、全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。

「3尾合計1mの巨アユを釣ろう!」

第7回の今回は、当協会が地域おこしの協力を頼まれて後援してきた熊本県球磨村(くまむら)の「日本一の大鮎釣り選手権大会」についてご紹介します。

球磨村商工会を主体とする実行委員会が主催し、球磨川の尺アユ釣りの魅力を全国に向けて発信した大会です。

ご存知のとおり、球磨川は日本三大急流の1つに数えられ、「白馬が群れ下る」と表現されるように、白泡となって急流が岩の間をかけ下る様は壮観です。この急流と清冽な水、良質なコケが全国でもトップクラスの巨アユを育てています。

まず、各地から球磨村に足を運んでいただくために、感動体験が得られる夢のあるイベントを目指しました。

そこで、大会のネーミングを「日本一の大鮎釣り選手権大会」、サブタイトルは「夢の1mにチャレンジ!!」としました。「3尾合計1mの巨アユを釣ろう!」と呼び掛けたのです。

球磨川では毎年、落ちアユの時期になると30㎝を超える大アユが釣れており、3尾で1mは実現不可能な数字ではありません。アユ釣り師たちが奮い立つこのネーミングは瞬く間に広まりました。

1991年(平成3年)8月、第1回大会が行われ3尾合計82.7㎝を記録しました。その後も関西、中京、関東など遠方からの参加もあり毎年100名前後、多い時で約150名が参加する大会となりました。

歓迎の宴も大好評!参加者が地元の人々と交流

また、商工会の皆さんが俄然やる気満々となってプログラムを作成するレセプションの歓迎の宴も好評です。

球磨村村長の挨拶に始まり商工会会長、県議の方々の挨拶、地元出身の歌手の歌謡ショーや物まね芸人風のパフォーマンス、太鼓演奏、婦人会による郷土の伝統踊りなど盛りだくさんです。

レセプションの様子
大会のレセプションでは郷土の踊りなども披露された。ほか、歌謡ショーや太鼓演奏なども披露される

年々リピーターも増えて地元の人たちとの交流を楽しみ、毎年顔を合わせる参加者同士が釣り談義に花を咲かせます。

そしてレセプションでの最大の注目は、がまかつ提供のアユ竿の抽選会です。球磨村や球磨川を愛する参加者全員を対象に、感謝を込めた抽選は息をのむ瞬間です。当選者は大感激して満面の笑みです。

第20回大会の抽選会でがまかつの鮎竿が当選し、大感激の大竹修さん
第20回大会の抽選会でがまかつの鮎竿が当選し、大感激の大竹修さん(愛知県)。右はプレゼンターの筆者

2017年8月26日に開催された第26回大会では、宮崎市の米良康博さんが大会レコードの93.7㎝を記録しました。自身の1尾の最大記録が33.5㎝の米良さんは、「今後も参加して3尾で夢の1mを達成したい」と、力強く抱負を語りました。

第26回大会で3匹合計93.7㎝の大会新記録で優勝した米良康博さん
第26回大会で3匹合計93.7㎝の大会新記録で優勝した米良康博さん(宮崎県)

アユ釣りファン憧れの地「球磨川」。地域の復興を願って…

台風などの悪天候によって第3回、第16回、第22回、第24回、第27回は中止となりましたが、2019年8月31日に行われた第28回まで大会は順調に続きました。

ところが2020年7月、球磨川流域が記録的な豪雨に襲われました。球磨村も家屋の浸水や山腹崩壊に伴う土石流被害を受け、多くの村民の尊い命と財産が奪われる未曾有の災害に見舞われたのです。

さらに新型コロナウイルスが感染拡大する中で、球磨村では地域の復旧と復興が喫緊の課題となりました。当然、2020年、2021年の大会は中止。そして2022年春、主催者はいまだ復興半ばとして今大会の終了を決定したのです。

多くのアユ釣りファンからのお見舞いと再興を切望する激励の声が球磨村に届けられました。球磨川では今年、多くの尺アユが釣れました。アユ釣りファンにとって球磨川は巨アユが狙える憧れの釣り場です。

筆者もファンのひとりとして、球磨村ならびに周辺市町村の一日も早い全面的な復興と地域の発展を切に願って、微力ながら応援を続けてまいります。

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