オキアミを使うクロダイやメジナ釣りにおいては、エサ取り対策は必須となっている。しかしながらこれまで様々な対応がされてきたが、どれも僅かな効果は見られても今一つ決定打に欠けている。
今回紹介する「フィッシング彩」(連載「お魚さんッ私のエサに食いついて!」でもおなじみの長岡寛氏が運営)が開発、「㈱信商事」が販売する「オキアミブラック」は日本の釣りにオキアミが使われるようになって半世紀ほど経過している中、誰も気づかなかった画期的なエサ取り対策の切り札と言って良いだろう。
その原理は至って単純、オキアミを黒く着色し表層に群がるエサ取りの視覚をかわして下層にいる本命に食わせるというものだ。
なぜ今のエサ取り対策では不十分なの?
詳細説明の前に何故従来のエサ取り対策では十分でないのか、少々ご説明させていただく。まず、多くの釣り師が講じている現状のエサ取り対策は以下の通りだ。
①撒き餌を大量に投入する
物量でエサ取りの注意を分散させるという理屈であるため確かに効果が期待できることもあるが、海水温が上昇しているためこれまでより活性が高く、少しばかり撒き餌を増やしたところで明確な効果を実感しにくくなっている。また必要以上に撒き餌を投入することは環境の面からも経済的な面からも不適切な時代に来ている。
②オキアミをハード加工する
物理的な強度を上げればその分針持ちはよくなるが、実はフグなどのエサ取りはメジナよりも歯が丈夫で、オキアミの強度を高めても大した効果は無い。さらにオキアミ自体を硬くしすぎてしまうと本命の食い込みが悪くなってしまう。
③練り餌などオキアミ以外の刺し餌を使用する
かつて練り餌はエサ取り対策として使用されていたが、最近はエサ取りも普通に食ってくる。しかもオキアミを主体とした撒き餌で刺し餌だけを練り餌にすると、撒き餌のレーンからズレるため極端に食い込みが悪くなりエサ取りの標的になりやすい。
温暖化により海水温も上昇傾向であるにもかかわらず市販の配合餌や食わせ餌、添加剤に至るまで、集魚性や摂餌性を謳いアミノ酸、ペプタイドなどを魚の食いつきを良くする添加剤を使用している。これらは間違いなく魚が好むものであるが、もはやこの手法は過去の話になりつつある。