釣り体験後は温泉を堪能、釣った魚も調理してもらえる!
その後、「室蘭de手ぶらフィッシング」を立ち上げ、2021年7月に1回目となるツアーを催行した。事業の告知は室蘭市の公式観光情報サイトに専用のページと予約フォームを設置したほか、プレスリリースやSNSなどで行った。
このツアーはホームページから予約するだけで、後は手ぶらで集合場所に行けば誰でも釣りが楽しめる。船に乗ってガイドと一緒に3時間ほどの楽しい釣りが満喫できる。道具も全てレンタルが揃っている。
帰港後は船着き場の前にある温泉に入り、一息つけば自分が釣った魚を調理してもらい美味しい食事が楽しめるという、至れり尽くせりのツアーだ。
実際に体験した人の感想もすこぶる好評だそうだ。アンケート結果でもガイドの対応、食事、温泉等は満点だ。
しかし、価格面では高いという意見もある。ただ、利用者からは実費のみをもらっている状態で、これ以上の値下げは難しい。船に乗ってガイド付きで行う釣りというサービスが、ある程度、お金のかかるものだという認識を広めていく必要がありそうだ。
初年度は7回のツアーを実施した。通年で予約は受けられるが、冬は荒天のため中止の可能性も高くなるという。ただ、出れば魚は釣れるそうだ。
利用者は道内では札幌か帯広からの利用者が多い。他に多いのは関東圏からで、東京からの利用者が圧倒的に多い。
今後はインバウンドにも期待、新たなプランも検討
青木氏は今後について以下のように語る。
「釣りは観光資源としても大きなポテンシャルがあると考えています。サービス内容と周知も並行して充実させていけば、更にいろいろな地域から室蘭市に来て頂けるキッカケになると考えています。
今まで釣りをされた事がない方や、登別や洞爺湖に泊まりにこられる観光客に『室蘭に行けば手ぶらで釣りが楽しめる』という事を知って頂き、体験してもらえば、観光客の方にとっても楽しい体験になるはずですし、我々にとっても今までなかった観光消費が生まれます。
今、室蘭市では市のシンボルでもある白鳥大橋(室蘭港に掛かる東日本最大の釣り橋)の主塔登頂クルーズを行っているのですが、以前、この白鳥大橋を支える人工島に上陸させてもらい、釣りをするツアーを国交省の協力の下で実施しました。大きなアブラコ等が数多く釣れて大好評でした。
この白鳥大橋の主塔登頂と釣りをコラボした企画も出来ないか等も検討され、釣りの活用の幅が拡がっています。
手ぶらdeフィッシングも、今は1つのプランしかありませんが、釣りいこか倶楽部のように、利用者が増えれば沖プランや港内プランなどいろいろなプランも作る事が出来るでしょうし、アキアジ(サケ釣り)のプランなどを作る事も可能かもしれません。
釣りをした事がない人はもちろんですが、北海道ならではの釣りを楽しみたいと考えておられる釣り人、さらにはインバウンドといろいろな方に室蘭市に来て頂きたいと思っています」。
地域によって釣りは重要な観光資源になり得る。海釣りに限らず、釣りを活用した地域振興を行う地方自治体等は今後も増えてくると思われる。
釣りの将来を考える時、こういった取り組みを行う地域に対し、釣具業界も積極的に協力してく事が求められるのではないだろうか。
「室蘭de手ぶらフィッシング」の詳細は、室蘭の観光情報サイト「おっと!むろらん」まで。
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