「釣ったアユ、買い取ります!」入間漁協がアユの買い取り事業開始。アユイングも解禁、漁協活性化図る

スペシャル ニュース

アユを買い取り漁協を元気に!買い取ったアユはイベントで消費者へ

旧福島釣り堀センター
入間川に面したアユ買い取り所「旧福島釣り堀センター」(後方建物。飯能市南町)。おとりアユの販売も行う

入間漁協管内の河川で釣り上げたアユを買い取るという取り組みは、漁協活性化策の一つだ。

入間川などへ訪れる釣り客数を上向かせて漁協を活気づけ、さらには、買い取ったアユをイベントなどで消費者に提供し、水質の良い管内河川で育まれたアユの美味しさを認識、着目してもらうのが目的である。

(一財)東京水産振興会の助成事業に県水産研究所が応募、採択されたことにより、県が入間漁協に打診。漁協活性化のための、埼玉県内漁協としては稀なアユ買い取り事業が実現した。

買い取りを希望する人は、事前に電話連絡をした上で、買い取り場所の入間川に面した「旧福島釣り堀センター」(飯能市南町14-28)へ、9月15日までの間に持ち込む。

買い取り価格は1尾300円で、その場で魚と交換で支払われる。アユのサイズは15㎝以上が対象で、活魚、冷蔵魚を問わない。代金支払い時に県水産研究所が用意した「アユの『買い取り』に関するアンケート」に記入する。

また、買い取り期間内であっても、200尾(先着順)に達した時点で事業は終了する。以上が、アユ買い取り事業の大まかな流れだ。

旧福島釣り堀センターは民間経営の釣り堀跡地で、友釣り期間中はおとりアユ(1尾600円)を販売している。買い取り依頼時については、事前に同センターへ連絡した上で、アユを持参する。

その際、入間漁協発行の甲券(遊漁者用年券及び日釣り券)を、組合員については組合員証を呈示して、遊漁券を所持していることを示す。

事業開始から順調な滑り出し。買い取りはアユイングでの釣果もOK!

入間漁協が釣り人から買い取ったアユの一部
釣り人から買い取ったアユの一部

持ち込まれているアユは、事業がスタートした8月15日からわずか2日間で50尾を超えて上々の滑り出し。サイズも17㎝から22~23㎝ほどで、まずまずという。

同センターには施設の責任者で、入間漁協副組合長の平沼啓祐さんと日によって数人のスタッフが詰めている。

「初日に4人の釣り人が持ってきてくれました。持ち込んだ方に話しを聞いたのですが、『これまで入間川で多く釣れると、近所にお裾分けしていたが、それを買い取ってもらえるなんて、嬉しい』と喜んでいました」と平沼さんは語る。

旧福島釣り堀センターの責任者で入間漁協副組合長の平沼さん
旧福島釣り堀センターの責任者で入間漁協副組合長の平沼さんは、「買い取りは釣り人から好評ですよ」と語る

シーズン中、入間川ではあまりアユ釣りを行わない人が、買い取りを聞き付けて竿を出しているという。

今年から入間漁協は、ルアーでアユを釣る「アユイング」を下流狭山市内に区間限定で解禁した。アユイングは、ルアー愛好家の間で注目が集まるニュースタイルの釣法。

友釣りだけでなく、このアユイングで釣ったアユも今回の買い取り対象魚に加えられている。

アユ買い取りとアユイングで漁協活性化。明るい兆しも…

入間漁協の事務所
埼玉県とともに初めてのアユ買い取り事業に取り組む入間漁協の事務所(飯能市阿須)

川から釣り人が離れているのは、入間漁協を構成する組合員数(准組合員除く)の推移からも歴然だ。

平成13年度の組合員数は1691人。それが同23年度になると1043人に減少。令和3年度については、519人にまで一気に激減した。

令和3年度は、一部湖沼の漁業権放棄が組合員減少の大きな原因の1つとなったが、単年度限りの事象。恒常的な現象の組合員減は、高齢化による脱退が最大の理由だ。

釣り客、組合員の減少に頭を悩ます入間漁協だが、一部区域ながらアユイングを入間川で解禁したことで、遊漁券の売り上げが伸びた店舗もあるなど、一方で明るい兆しも見え始めている。

アユイング、そして今回のアユ買い取りといった新規事業を繰り出しながら、入間漁協は関係機関とのタッグで、活性化方策を探っている。

アユ買い取りについての問い合わせ先
埼玉県水産研究所(☎0480・6‌1・0458)
または
入間漁業協同組合(☎0‌4‌2・9‌7‌3・2389)

アユ買い取りの事前連絡先
旧福島釣り堀センター(☎0‌9‌0・1700・1625)

関連記事 → 【第3回】アユルアーで新たな友釣りファン作り。釣り場次第で新たなゲームフィッシングも誕生か!?

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