「三方よし」で物事を進めていく。官民連携で地域活性化を
今回の海釣り体験について、泉大津市の南出賢一市長に話を伺った。
「泉大津市はベイエリアのある町ですが、その活性化はなかなか進んでいませんでした。平成29年に私が市長に就任してから、港のロケーションを有効活用する事によって、市民にも喜んでもらい、また市外からの訪問も増やし、泉大津市の魅力を高めていきたいと考え、具体策の検討を行っていました。
そういった折に、フィッシングマックスさんからご提案を頂いた事が、今回の『釣り体験』を開催したキッカケです。泉大津フェニックスは普段は立ち入り禁止なのですが、実際には釣り人の姿もよく見られ、ゴミの問題もあります。さらに安全性への懸念もあります。
こういった問題を解決するためにも、『三方よし』の絵が描ければ、物事も進める事が出来ると思います。
泉大津フェニックスのどこかに『海釣り公園』をオープンさせる事が出来れば、釣り人の安全性も確保され、ゴミ問題も無くなり、一定の経済性も担保され、フェニックスを有効活用する事で地域活性化も図れるという、『三方よし』の解決策になるのではと考えています。
もちろん、こういった事は行政だけでは出来ません。釣りに関係する事はフィッシングマックスさんや釣り関係の方々の協力も必要です。官民連携で事業を進めていく事が大切だと思っています。
また、泉大津フェニックスの所有者は大阪府ですから、大阪府のご理解も必要です。さらに、地元の漁協さんの協力とご理解も欠かせません。今回の釣り体験の監視船も漁協さんに協力して頂きました。関係する皆様のご理解も得ながら、一緒になって進めていきたいと考えています。
泉大津市は『関西のへそ』とも言える場所にあり、大阪、和歌山、奈良方面とあらゆる場所からアクセスしやすい場所にあります。ベイエリアもあり、魚も釣れるので、釣りをするにはもってこいの場所です。釣具店さんもありますし、もともと釣り人も多い地域です。こういった立地を更に活かせるようにしたいと考えています。
官民連携して行う今回の『海釣り体験』の取り組みは、安全管理が出来、なおかつ釣り人に喜んでもらい、経済も回って地域活性化に繋がるようにできるのではないと考えており、今後が楽しみです。
スケジュール的にはまだまだこれからの話ですから決まっておりませんが、大阪万博(2025年)が1つの目安になるのではないかと思います。それまでに、今日の釣り体験のような社会実験を積み重ねて、関係機関にも進捗を見て頂きながら、前向きな議論を進めていければと思います」
釣りを活用して地域活性化を行う取り組みは全国で増えている。特に昨年、国土交通省が、既存の防波堤の利活用を進めるために「釣り文化振興モデル港」の募集や指定を行って以来、その動きは加速している。
泉大津市では官民連携して釣りを活用してベイエリアの魅力を高め、地域活性化に繋がる動きに乗り出している。
将来的な話になるが、釣り公園が上手く稼働すれば、釣り以外にも「食」や「買い物」などの需要も周辺に生まれ、地域経済の発展にも貢献するはずだ。また、静岡県の清水市のように、当初から釣りを含めた複合的な施設で地域に賑わい作りを行う町もある。
泉大津市の取り組みは、大阪府内でも先駆けた事例であり、成功すれば周辺地域も巻き込んだ地域活性化に繋がると期待される。
釣り関係者も、釣り人へのマナー啓発の継続や強化はもちろん、こういった釣りを活用した地域活性化の取り組みに、全面的に協力していく必要がある。
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