「釣具業界の法律相談所」は、釣具業界でも起こる可能性のあるトラブルについて、弁護士の先生に聞いて見解や対処方法を紹介するコーナーです。
今回は、釣り教室で釣った魚の体内に針が残っており、持ち帰った参加者がそのまま気づかずに食べてしまった場合、主催者は責任を負うのか?について弁護士の先生に聞きました。
針が残った魚を唐揚げに。子供がそのまま食べてしまい、手術が必要に…
私の会社では、定期的に初心者向けの釣り教室を行っています。初心者でも必ず魚が釣れるという点から、管理釣り場でニジマス釣りをしてもらう事が多いです。
釣り教室で参加者が釣ったニジマスは、そのまま家に持ち帰って食べる事が出来ます。塩焼きなどが美味しいと評判で、釣った後も楽しめるのが釣りの魅力だと参加者にも毎回伝えていますし、釣った魚を持ち帰って食べる事を推奨しています。
ところが、釣った魚を食べる事で重大なトラブルが起きてしまいました。
ニジマス釣りでは、エサで釣る場合、エサの付いた針が魚に飲まれてしまう事が多いです。針がニジマスの喉の奥に引っかかる状態になるので、普通はスタッフ等がペンチや針外しで、引っかかった針を取り除きます。
しかし、釣針のついた糸が途中で切れる事もあるので、針が喉の奥に引っ掛かったまま、参加者が魚をクーラーボックスに入れ、持ち帰られる事もあります。
通常では、持ち帰った魚を捌く時に、喉の奥に針が引っ掛かっている事は分かるので、その際に釣針を取り除くのですが、今回問題となった参加者の家族の場合、まるごと唐揚げにしたそうで、針が魚の体内に残っているのに気付かれず、子供がそのまま食べてしまったというのです。
その参加者は、子供をすぐに病院に連れていき、診察をしてもらいましたが、子供は確かに釣針も飲み込んでいました。釣針を摘出するには手術が必要と告げられ、親も相当に混乱したそうです。
そして、当社に「どうしてこういった事にならないよう、注意喚起をしなかったのか。手術が必要になった場合は、その費用を請求する。また、この釣針を作ったメーカーも訴える」として、訴訟を起こすと連絡してきました。
確かに、当社も釣り教室の注意点として「釣った魚を持ち帰って食べる際は、針が残っていないか注意して下さい」といった注意喚起はしていませんが、ニジマスに限らずどの釣り教室でもこういった注意喚起は行っていないケースが多いと思われます。
そこで、弁護士の先生に質問です。
釣り教室で参加者が釣った魚を持ち帰り、その魚に当日使用した釣針が残っており、そのまま参加者の方が食べられて健康を害される可能性が出た場合、イベントの主催者である当社は、何らかの責任を問われ賠償を行う必要があるのでしょうか。
また、こういった訴訟が起きた場合でも対応できるよう、イベント開催時には、どういった事に注意しておけば良いでしょうか。
さらに、釣針を作った製造者(メーカー)にも、法律的に何らかの責任が追及される事があるのでしょうか。
ご回答、よろしくお願い致します。
※質問は全て架空の質問です。実際の企業等とは一切関係がありません