「釣りエサの種類と仕分け」【長岡寛・お魚さんッ私のエサに食いついて!】

スペシャル ニュース

釣りエサのスペシャリスト・長岡寛さんの連載です。釣りエサに関する事以外にも魚の生態や環境など様々な内容を紹介します。

今回は、釣りエサの種類と仕分けについて紹介します。

長岡寛さんの連載アイキャッチ

「エビで鯛を釣る」という諺は良く知られていますが、今や鯛を釣るエサとして広く認知されるようになってきたのはタイラバという擬似エサです。

本物のエサ、すなわちエビの方が鯛の食いつきは良いのではないかと誰もが思われるでしょう。

海水魚を飼育している水槽に本物のエサと擬似エサを入れると、ほとんどの魚は最初に本物のエサを食べますが、しばらく時間が経過すると擬似エサにも興味を示し、食べようとして口の中に入れる動作を起こします。もしも釣り場でこれと同じように魚の眼の前に擬似エサがあれば、それに食いついてくる可能性は高くなります。

もちろん水の中には色々な魚種が暮らしていますから、どの魚も皆擬似エサに食いついてくるとは限らないし、擬似エサにも色々な形態がありますから適合しなければ、当然釣果には結びつきません。

「本物のエサ」って何ですか?

ところで先ほどから「本物のエサ」という表現を繰り返し用いていますが、読者の皆様は「本物のエサ」というと、どのようなイメージをお持ちになるでしょうか?

おかしな話ですが、もしも販売店のスタッフが釣りエサを買おうとしているユーザーに対して、「本物のエサですか? 偽物のエサですか?」などと尋ねることはまずあり得ません(ちなみに本物のエサという表現はお魚が食べた時、消化吸収することが出来るエサを本物として、食べても栄養にならないエサは偽物のエサ、すなわち擬似エサというように区別しています)。

しかしここまで極端では無いとしても、これまたユーザーに「冷凍エサですか? 常温エサですか?」と尋ねなくても冷凍エサを購入しようとするなら黙っていても冷凍庫を見に行くでしょう。

流通や販売に携わっている関係者としては冷凍なのか冷蔵なのか、活きているのか常温なのかという釣りエサの形態はそれらを扱う上でとても重要なことになります。

エサ分類の参考

活きエサ
活きエサ
生鮮(貯蔵)釣りエサ
生鮮(貯蔵)釣りエサ
生鮮(冷凍)釣りエサ
生鮮(冷凍)釣りエサ
加工釣りエサ
加工釣りエサ
疑似エサ(ルアー)
疑似エサ(ルアー)

釣り人にとって最大の関心ごとは…!

ところがこれから釣りに行こうとしているユーザーにとって、釣りエサの流通形態はさほど重要ではありません。

釣り人にとって最大の関心は、そのエサでターゲットを釣ることが出来るのか否か、また活きエサであれば現地で入手出来るのか出来ないのかということに尽きます。

経験値の高い釣り師であれば、既に購入するエサは決まっていて、万一そのエサが欠品していたとしても、どのエサであれば代用が効くのかということを熟知していると思われますが、ビギナーの方にとってはそれに関連する補足的な情報がとても重要になります。

すなわち、店頭を含めて情報を発信する側の方々が、ユーザーに必要な情報をタイムリーに発信できることがとても重要になります。

これを蔑ろにして、サビキ釣りをしようとするユーザーに虫餌を勧めてしまったら、リピーターになってもらう可能性が低くなるということです。

もちろん発信する側のスタッフの方々はこれらを熟知されていることかと思われますが、ここでもう1つプラスの提案が可能になれば、販売側も購入側も満足度が高まるかもしれません。

というのも、ハゼが釣れ続いていれば虫エサを買ってもらえば無難でしょうけど、もしもハゼのポイントにセイゴが回遊しているという情報があれば、ルアーを勧めることも出来るでしょう。

季節や天候の影響で活きエサの仕入れが困難であれば、可能な限り代替のエサを在庫しておくことも必要です。

ルアーは常温で長期保管できますから、ポイントに行って、その回遊が無くても次の機会に使うまで無駄になることはありません。また同じ虫エサであっても、その場所でカレイやイシモチが釣れるというのであれば、少し多めに持参してもらうことで好釣果に恵まれる可能性も高くなります。

私は、予備のエサをお勧めする時に好ましい組み合わせとして、活きエサや冷凍エサと常温のエサ、あるいは擬似エサを組み合わせることにより、幅広い対応が可能となり、それが釣りの面白さを広げるキッカケにもなるのではないかと考えています。

さて本物のエサということから始まりましたが、流通の上から、また、使用する上から、簡単に釣りエサの分類を表にまとめましたので、ご参照頂ければ幸甚です。

エサ分類の表

(了)

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