釣に関する講義と金型を使ったワーム制作実習、岩手県立久慈東高校で開催

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岩手県立久慈東高校の釣りに関する長岡寛さんの授業の様子
授業の様子

2025年11月21日、継続して行っている、岩手県立久慈東高校・海洋系列の生徒を対象とした講義と実習を行った。この学校は人文科学系列、自然科学系列、環境緑化系列、情報ビジネス系列、食物系列、介護福祉系列、そして今回講義を実施した海洋科学系列といった専門科を有する県立高校で久慈市市街地の北側に位置している。

海洋科学系列は、国立の水産系、海洋系大学、海上技術短期大学への進学のほか、漁協、水産加工、販売、漁船乗組員、海上自衛官、実習船乗組員など水産・海洋関係の仕事に役立つ多くを学ぶことが出来る。久慈市は岩手県の最北端に位置する二戸市と隣り合わせで、豊かな自然環境に恵まれた町で釣り場も多く、講義を受けた生徒の3分の2は「釣りをしたことがある」と答えていた。

久慈東高校
写真中央の白い建物が岩手県立久慈東高校

実施当日は季節風が強かったもののこの時期としては温かい朝を迎え、午前8時30分に学校に到着。ところが、明け方に、私が宿泊しているホテルのすぐ近く、久慈市街地に熊が出没したということで、生徒には朝一斉に自宅待機というメールが送信された。

その影響で欠席者が多くなってしまうのではないかと思われたが、メールが送信された時刻には既に家を出ている生徒が多かったようで、海洋系列の生徒は10人のうち1名のみの欠席となり、予定通り9時から12時50分までの4限(コマ)を使っての実施となった。

岩手県立久慈東高校のワーム制作実習の様子
知識が現場でどのように活用されているかに重点が置かれた

受け入れを担当をしてくれたのは、毎年お世話になっている海洋系列の上野明先生で、同じ海洋系列から、見年代南瑠(けんねんだいなる)先生にも同席していただいた。更に岩手県の指導主事、工業科より併せて5名の先生方が講義と実習の見学に来られた。

講義は、概ね拙著「釣り餌の秘密」(つり人社刊)に記載している、魚が釣り餌を食べるまでのプロセスに準拠した内容であるが、専門分野の先生方のおひざ元ということを意識して、これらの知識は実際の釣りや漁業においてどのように応用されているかに重点を置いての内容とした。

釣り道具で一番大切なものは何?

その一部となるが、講義の始まる直前に生徒達に「釣り道具で一番重要と思うものは何ですか?」と尋ねたところ、リールという答えが2件あった。

確かにリールは重要な釣り道具ではあるが、今から約2万3000年前の遺跡から動物の骨でできた釣り針の画像を見せながら、竿やリールの無い時代でも釣りが成立していたこと、骨は硬くて丈夫なので遺跡から発掘されているが、釣り針がある以上そこには必ず釣り餌が存在していたことは間違いのないことであり、結論として釣り餌が最も重要であるということから話を始めた。

更に水中からの物体の見え方、釣り餌と疑似エサの釣果の比較など、自身が撮影した資料、現場で習得したデータなどをふんだんに用いての講義となった。

また(公財)日本釣振興会で制作したネオニコチノイド問題を啓発する動画も見てもらった。ちなみに昨年もアンケート調査を行ったが、ネオニコについて知っている生徒はいなかったため、こうした問題があることを知ってもらう良い機会になったのではないだろうか。

金型を使ったワーム制作実習「もっと作りたい!」

岩手県立久慈東高校のワーム制作実習の様子
実習の様子。生徒も真剣に説明を聞いていた

後半は、実際の金型を使って、ワームを制作するという実習を行った。ワームの制作実習に際しては、今年からアニメーションを用いた解説動画を制作しており、実習直前には約3分間に渡り鑑賞してもらった。

講義開始の時点ではあまり口数の多くなかった生徒達であったが、実習が始まると週末に使いたいから、1個でも多く制作したいと熱心に制作する姿があり、やはり釣りに行く上でも良い環境に恵まれていることを伺うことが出来た。

岩手県立久慈東高校のワーム制作実習の様子
実習の様子

また本来なら授業中となってしまう時間ではあったが、昨年受講した3年生が数人、ワームの制作実習に加わってくれて教室は更に熱気に包まれたという一幕もあった。この本来と言うのは、冒頭にある通り、この日は熊の出没により一部休校扱いになったという背景がある。

岩手県立久慈東高校のワーム制作実習の様子
オリジナルのワームが完成

もっと多くの実習時間が欲しいという雰囲気が高まったところで時間となり、無事に終了することが出来た。教室に入って気が付いたことであるが、入口のすぐ右側に、手作りのルアーが展示されていた。

岩手県立久慈東高校のワーム制作実習の様子
生徒の手作りのルアー

上野先生にお聞きしたところ、3年生の生徒が製作したもので、これから実際にスイムテストを実施する予定で、皆が楽しみにしているということだった。手作りとはいえ左右対称に出来上がっていて、カラフルな塗装だけでなく、中には眼も施されていたものもあり、流石は水産系の学校であると感心させられた。学園祭で展示したところ是非販売して欲しいという声が多数あったそうだ。

授業のアンケート結果

 
 
 

 【提供:長岡寛・編集:釣具新聞】

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