6月14日、公益財団法人日本釣振興会は創立以来初となる「全国支部長会議」、並びに帝国ホテル東京で「創立50周年記念式典・記念講演会・祝賀会」を執り行った。記念式典には日本釣振興会の麻生太郎名誉会長をはじめ多くの釣魚議員連盟の議員や水産庁長官、国土交通省港湾局長ほか行政や釣り界など多くの関係者が出席し同会の創立50周年を祝った。(編集部注:日本釣振興会は1970年に設立されましたが、コロナ禍のため式典等が大幅に延期となり、2022年に50周年記念行事を行っています)
全国の支部長が参集、釣り振興に向け今後も尽力
当日は午前10時半より、東京都中央区八丁堀の「アットビジネスセンター東京駅八重洲通り」で全国支部長会議、午後3時15分より東京都千代田区の「帝国ホテル東京」で記念式典、記念講演会、祝賀会が行われた。
全国支部長会議は日釣振(にっちょうしん・日本釣振興会)設立以来、初めて開催される会議だ。日釣振本部の役員はもちろん、全国都道府県支部の支部長等が一堂に会し、本部報告や支部報告、成功事例の共有等が行われた。
全国支部長会議には63名が参加。会議は下山秀雄専務理事の司会で進行され、冒頭、髙宮俊諦会長より下記要旨の挨拶が述べられた。
「今回の50周年記念行事はコロナ禍の影響で何度も延期になりました。さすがに3回目の延期の時は記念行事の開催は難しいとなっていたのですが、麻生太郎名誉会長の野田秘書や水産庁、国交省幹部の皆様から日釣振の平素の活動や釣り界の結束力の強さ、全国に県支部がある日釣振を、多くの国会議員や行政の方に知って頂く良い機会になるので、ぜひ開催した方が良いというご意見を頂き、理事会等で検討の結果、本日の開催となりました。
記念式典では麻生太郎名誉会長はじめ水産庁長官や国交省港湾局長など200名以上の方が一堂に会されます。この機会に、県支部長同士や国会議員、行政の方との交流を深めて頂ければと思います。
全国支部長会議では本部報告や成功事例の共有もありますので、今後の活動の参考にして役立てて頂ければと思います。
最後に50周年の行事を企画されたのは6年前になります。常見委員長をはじめ実行委員の皆様、事務局の方々に、心よりお礼申し上げます。本日の全国支部長会議や記念行事が釣り界の発展に繋がり、皆さま方の課題解決に繋がる事を祈念し、挨拶とさせて頂きます」。
マナー啓発看板設置、電子帳簿保存法、募金箱の3点を説明
その後、初めての会議という事で出席者の紹介が行われた。続いて本部報告が行われた。
ここでは、マナー啓発看板設置について、電子帳簿保存法の改正について、募金箱についての3件について説明が行われた。
まず、今期日釣振が特に力を入れている釣り禁止・立ち入り禁止場所を減らす、そのために役立っているマナー啓発看板について、設置の手順等が高橋裕夫事務局長より詳細に説明された。
概要を説明すると看板を設置するのは釣りが認められている場所で、設置する場所の管理者(漁港、港湾管理者等)から事前に設置許可をもらう必要がある。看板のデザインについては、現地の要望を聞いて本部で作成する。既にあるイラストを使う場合は早く出来るが、地域特有の問題をイラストにするなど、個別の新規デザインを作る場合は時間が掛かる。
1カ所あたりの設置費用の上限はないが、見積費用が他の場所と比較して高すぎる場合などは再度見積もりを依頼する場合がある。
釣り場の清掃等に加えて、このマナー啓発看板の設置も、釣り禁止・立ち入り禁止の防止に役立っている事が多い。マナー看板設置を検討している支部は、日釣振本部に問い合わせてみてはどうだろうか。
次に、本部の田中みきよ氏より、電子帳簿保存法の改正による注意点について説明が行われた。
放流募金箱の件については、下山秀雄専務理事より、小銭の扱いに手数料がかかるようになっており、その対応方法等について紹介が行われた。
釣り場開放事例の紹介や各都道府県支部の課題を共有
次に、支部報告・成功事例紹介が行われた。
ここでは、神奈川県支部、滋賀県支部、三重県支部、青森県支部、福岡県支部の取り組みで成果のあった事業や、抱えている課題などが、それぞれの県支部長や相談役から報告が行われた。
神奈川県支部では一般の釣り人が釣り教室の運営等をサポートしている事例を紹介。多くの県支部でも人材不足が問題となっており、課題解決の参考になっていた。
滋賀県支部では、滋賀県との共催で「ブルーギル有効利用釣り大会」の開催、教育委員会とのタイアップ事業、市立図書館での釣り教室や初心者向けの釣りの本を寄贈するといった取り組みが紹介された。
三重県支部では、コロナ禍により釣り人が急増したことから、県内の漁港で釣り禁止・立ち入り禁止問題が増えた事に対する対応方法が紹介された。マナー看板の設置等も有効だった。ほかイセエビの密漁等についても状況報告や対応方法が紹介された。
青森県支部では、小学校での釣り教室や浜町緑地の一時開放、放流、また定期的な清掃についての紹介が行われた。
福岡県支部では、糸島半島および宗像神湊での釣り禁止解除についての説明が行われた。以前も弊紙で紹介したが、地元釣具店が一枚岩となった対応や、釣り禁止になる前に情報が入る体制作りが重要といった話が行われた。
質疑応答の後、その他の報告が行われた。
まず、柏瀬巌常任理事が委員長を務める「ルール・マナー安全対策啓発プロジェクト」が新たに設置された事や、その活動内容についての説明が柏瀬委員長より行われた。お笑いタレントのナダルを登用したマナー動画の制作についても進捗報告が行われた。
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次に創立50周年記念式典についての説明が行われた。午後から行われる記念事業のスケジュール等が紹介された。
また、髙宮俊諦会長より、今期日釣振が特に力を入れている事として、前述の釣り禁止・立ち入り禁止の防止、解除や釣り人のマナー啓発の強化。また、身近な川や湖で手軽に釣れる魚が少なくなっており、この原因究明など調査研究事業を強化しているという説明も行われた。最後に閉会の辞を石黒衆理事が述べ、全国支部長会議は閉会となった。
その後、出席者は昼食をとり、それぞれ式典が行われる帝国ホテルに移動した。
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