「吉見製作所」形状記憶合金のプロ集団、坂社長に聞く

スペシャル
吉見製作所の坂社長
形状記憶合金の特性を説明する坂社長。形状記憶合金で作ったバネを室温で1本の線の状態にしても元のバネの状態に戻る。また、戻る際もバネが一気に戻るのではなく、一定の力でゆっくりと戻り続ける。こういった特性が天秤や穂先など釣具にも適しており、様々な活用方法が検討されている

形状記憶合金の技術を活かし、釣具業界へ参入

 まず、吉見製作所について紹介したい。
 同社は昭和27年、吉見鉦二(ヨシミショウジ)氏が架線金物製造業として創業。事業は順調に拡大を続け、会社の規模は現在より大きくなっていたが、大手企業の下請けが主な業務であり、苦労を重ねても報われにくい状況だったという。

 昭和61年に吉見幸春(ヨシミユキハル)氏が代表取締役に就任。「下請けの状態を脱し、自社製品を持ちたい」という強い思いから、大同特殊鋼(株)に勤めていた経験を活かし、共同で形状記憶合金の事業を開始。釣り好きの社員から「釣具を作れば面白いのでは」という提案もあり、昭和62年、形状記憶合金を使用した天秤と仕掛けを発売し、釣具業界に参入。

 平成15年には形状記憶合金の精密鋳造品を開発。後にも紹介するが、形状記憶合金の精密鋳造に関して、同社では日本や米国で特許を取得している。
 平成29年、吉見幸春氏が代表取締役会長に就任し、坂一宏氏が3代目の社長となり現在に至る。

 同社の売上の比率を見ると、釣具の売上がほぼ半分を占める。残りの半分は材料販売、試作品の販売、医療機器部品、航空宇宙部品等で構成されている。
 同社の釣具の商品で一例を挙げると、形状記憶合金を用いた「夢天ライトチューニング」がある。天秤のワイヤー部に形状記憶合金を使用する事で、錆びず、軽く、強度も高い。さらに一番の特徴として、しなやかな動きで潮なじみがよく、仕掛けの絡みを防ぐ他、魚に違和感も与えにくい。また、感度も上がるといったメリットがあり、まさに「夢の天秤」だ。

夢天ライトチューニングの商品写真
夢天ライトチューニング。形状記憶合金の特性が活かされている
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