【京の川の恵みを活かす会】京都・鴨川に仮設魚道設置。天然魚増やし川の魅力高める

スペシャル ニュース

ここからは、「京の川の恵みを活かす会」の代表で、京都大学防災研究所の准教授でもある竹門康弘氏のインタビューを紹介する。仮設魚道の設置の経緯など、いろいろな話を伺った。

京の川の恵みを活かす会代表
竹門康弘氏。京の川の恵みを活かす会代表、京都大学防災研究所准教授。京都府賀茂川漁業協同組合理事。河川生態系等を研究

仮設魚道設置のキッカケは河川環境保全と天然魚を増やし釣り人や漁協を活性化させるため

(以下、竹門氏)鴨川に魚道の設置を始めたキッカケは、河川環境保全のために必要であること、そして天然魚を増やすことで釣り人や漁協を活性化するという2つの動機で始めました。

当初は、2010年に策定された「鴨川河川整備計画」に魚道の設置を盛り込んでもらうよう京都府に要請していたのですが、残念ながら明記してもらえませんでした。

そこで、河川法改正によって治水・利水に加えて河川環境の整備と保全も河川管理の目的に明記されたのですから、落差工を魚が遡上出来るよう改良して欲しいと要望をしましたが、鴨川では治水を優先する必要があり予算的余裕がないとの回答でした。

このため、自分たちで魚道を設置することにして、土木事務所に設置許可をお願いした次第です。

解散の危機にあった漁協を救う

活動を開始した2011年には、賀茂川漁業協同組合が放流資金不足で経営破綻に近づき、解散の危機にありました。

漁協が無くなれば、今まで川を守ってきた守り手がおらず、いわば無法地帯になります。

まずは漁協が存続することが重要なので、漁業権対象魚種を購入して放流するのではなく、魚道造りや産卵床造成などの天然魚を増やす努力によって増殖義務を担保できるよう京都府水産課にお願いしました。

その結果、努力量と増殖量との関係を数値的に裏付けることができれば認めてもよいとの回答をいただき、これを漁協の総会で説明した結果、賛同する組合員によって漁協を存続することに成功しました。
 
天然魚を増やすことは、漁協の赤字解消に役立ち、釣り人にとっての魅力にもなります。

天然海産アユは11月に卵を産みますので、11月初旬でも友釣りで大きなアユを狙えます。魚道を設置した結果、天然海産アユを釣れる区域が増えました。

そこで、現在の賀茂川漁協では放流アユ区と天然アユ区を地図に示して釣り人に両方を楽しんでもらっています。

アユを増やすには、河川の環境にもよるが、放流だけでなく天然魚を増やす事でも達成できる。天然魚を増やす事は釣り人や漁協にとってもプラスになる事が多いはずだ

鴨川だけでも遡上の障害となる堰や落差工は53基。下流から解消をはじめ少しずつ上流へ

鴨川の魚道設置は2011年に開始しました。鴨川だけでも遡上の障害となるような堰や落差工が53基あり、中でも龍門堰(現在は低落差工に改修され障害は解消した)、今井堰、七条落差工、四条落差工、三条落差工、丸太町落差工、荒神口落差工が遡上の大きな阻害要因となっていました。

年間予算や人手も限られているので、最下流の龍門堰の魚道設置から出発し、協力してもらえる人を増やしながら少しずつ上流に進めてきました。

その結果、荒神口落差工の魚道設置までに4年掛かりましたが、遂に天然海産アユを出町柳まで到達させることができたのです。

また、手作り魚道には確立した手法がありません。毎年、魚道の設計や設置方法を試行錯誤しながら改良を重ねてきました。各魚道の形状がさまざまなのは、そうした足跡を示しています。

これまで「京の川の恵みを活かす会」が設置してきた魚道はいずれも仮設魚道ですから毎年すべて撤去しなければなりません。

将来的には河川管理者の責任で恒久的な魚道設置ができればよいと考えています。

その場合にも、自然豊かな河川環境という共通の目標に向けて、魚道の設置や修繕等の活動に協力していく所存です。

(了)

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