「九州リポート福岡発!」は、全九州釣ライター協会の会長・小野山康彦氏の連載です。公益財団法人日本釣振興会九州地区支部の活動ほか、九州の様々な情報を紹介します。
第20回の今回は、一昨年にご紹介した公益財団法人日本釣振興会福岡県支部(吉田博司支部長)が協力している、福岡県宗像市の釣り大会と稚魚放流の続編です。
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宗像市は、福岡市と北九州市のふたつの政令指定都市の中間に位置し、ユネスコの世界遺産に認定された「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群を擁する歴史ある市です。
豊かな漁場が広がる玄界灘に面しており、海岸線ではキス、ハゼ、チヌやスズキ、沖合ではマダイやヒラマサ、ブリ、根魚など多彩な魚種が釣れることでも知られています。
宗像市はその自然を生かすために、日本釣振興会福岡県支部の協力を得て、地域振興の施策として魚資源の活用を積極的に進めています。
「うみんぐ大島」の釣り大会は大にぎわい!稚魚放流も実施
2011年4月29日、福岡県宗像市沖の宗像大島にオープンした大島海洋体験施設「うみんぐ大島」は、管理棟を中心に釣りゾーンの「専用防波堤」と「釣り堀」を備えた施設です。
「釣り堀」はマダイやヤズなど沖の魚の豪快な引きと手応えを味わうことができることから安定した人気を誇り、年末年始の「青もの祭り」や「新春めで鯛祭り」のイベントは募集開始と同時に申し込みが殺到します。
また、専用防波堤ではチヌ、クロ(グレ)、カワハギ、アジ、マゴチ、ヒラスズキ、アオリイカ、カサゴなど季節ごとの魚を狙うことができます。
同施設では年に2回(誕生祭の4月と10~11月)、釣り大会を行い、近々では昨年10月28日に「うみんぐ大島釣り大会」を実施しました。
生憎の時化で船釣りの部は中止となりましたが、防波堤の部には37名が参加。21.1㎝のカサゴ、350gのイカ、小型のクロ、アジの数釣りのほか、総重量(全魚種の総重量)の部門では1人で15.75㎏の大漁もあって賑わいました。
検量後は日本釣振興会福岡県支部とうみんぐ大島の共催でカサゴの稚魚約6000尾を放流しました。施設がオープンする前(準備期間中)から長年にわたって続けてきた同支部の放流によって、周辺では近年カサゴの釣果が上昇しているようです。
大人気「宗像ハゼ釣りまつり」。釣り人口増加に貢献
うみんぐ大島のオープンから約3年後の2014年11月3日、九州の道の駅では最大級の売り上げを誇る「道の駅むなかた」の横を流れる釣川を会場に、第1回ハゼ釣り大会が開催されました。
2017年からは、日本釣振興会福岡県支部によるカサゴの稚魚約5000尾の放流事業を開始。
2019年からは、多くの人に釣りに親しんでもらうことを目的に大会のネーミングを「宗像ハゼ釣りまつり」に変更し、2023年9月30日に第10回大会を実施しました。
道の駅むなかた主催、宗像市・日本釣振興会福岡県支部共催、全九州釣ライター協会が後援しているこの大会は、100名の定員に対して応募開始から1~2日で満員御礼になるほどの人気です。
協賛するタカミヤ、釣研、マルキユー、ヤマシタ、プログレ、ヨシダ釣具店(順不同)などの方々が日本釣振興会のスタッフとしてビブスを着用し、参加者を見守りながら釣り体験教室や安全対策の指導などを行います。
検量後は参加者全員で釣り場のゴミを集め、日本釣振興会福岡県支部が手配したカサゴの稚魚約4000尾を釣川河口に放流しました。
日本釣振興会と行政がコラボレーションする釣りイベントは、釣りマナーの向上やルールの徹底、安全対策の注意喚起、釣り禁止エリアの発生防止にもなります。
健全な釣りを推進し、1人でも多くの釣り人を増やすための活動として、このような釣りイベントが九州はもとより全国のもっと多くの地域へと広がってほしいと思います。
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