ゴールも海の安全も守る!釣り人も対象に海難事故防止の安全啓発
新潟県新潟市に本部を置く海上保安庁・第九管区海上保安本部では、J2アルビレックス新潟(サッカーチーム)と共同で2020年の春に海難事故防止の啓発ポスターを制作した。この啓発ポスターについてや、第九管区内での海難事故状況等を第九管区海上保安本部に取材した。
幅広い人に海上保安庁の活動を知ってもらいたい
まず、J2アルビレックス新潟と共同でポスターを制作した経緯ついて話を聞いた。
第九管区海上保安本部(以下、同様)「新潟県内で絶大な知名度・人気を誇るアルビレックス新潟と連携することで、海に関わる方以外の幅広い方々に海上保安庁を知ってもらうことを目的とし、昨年5月、第九管区海上保安本部から様々な連携の話を持ちかけさせて頂きました。
アルビレックス新潟との連携事業はスタジアムでのイベント活動、ショッピングモールでのイベント活動、選手による海上保安官の体験などを実施しており、ポスターの制作は連携事業の1つとして実施しました。
ポスターについても、『海難防止』だけではなく、『職員募集』、『118番周知』の3種類制作しております」
スポーツ紙やスポーツ番組にも取り上げられ注目度アップ
次に、ポスター発表後の反応はどうだったかを聞いた。
「スポーツ紙やスポーツ番組に取り上げられ、さらにアルビレックス新潟のサポーターからの問い合わせがあるなど、日ごろ海上保安庁となじみの薄い媒体や市民からの反応が多く、高い効果を感じています」
釣り人が関わる海難事故の状況は?
第九管区内での海難事故の現状と、特に釣りに関わるような事故の派生状況や推移について聞いた。
「2019年の釣り中の事故は11人であり、2017年以降ほぼ横ばいで推移しています。2016年の22人と比較すると事故者数は半減しており、現場における安全指導等の効果は感じています。
傾向として、事故者の多くは防波堤からの海中転落であり、救命胴衣を未着用の7割が死亡または行方不明となっています。
また、4月、5月に釣り中の事故が急増する傾向にあります」
釣り人や釣り関係者に伝えたい4つの事
最後に、釣り人や釣り具関係業者に伝えたい事を聞いた。
「先に述べた状況を踏まえて以下の事に注意して欲しと思います」。
・釣りをする際は、救命胴衣を着用してほしい
・防波堤など立入禁止の場所で釣りをしないでほしい
・海の状況を見て決して無理はしないでほしい
・スマホを活用して、リアルタイムで気象海象を確認してほしい
釣り関係者も、引き続き釣り中の事故が減少するように、今まで以上に安全啓発活動を行っていくことが重要だ。